イチョウから「公園の手品師」へ
今日も天気に恵まれ、畑仕事。昨日までに植えた野菜の苗や、特にキュウイなどのための棚作りに精を出した。
← David Parfitt作 「Wetland calm'」 (画像は、「David Parfitt RI」より) デイビット・パーフィットは、風景画家。特に水彩画に専心しているとか。ネットでたまたま見つけたアーティスト。
あとは、昨日買った、ゴーヤやトウガラシ、トマトなどを畑の畝に植えるだけ。それが終わると、とりあえずは畑仕事は一段落。折々観て回って水を遣ったり、雑草を刈ったりという地道な作業が待っている。
明日は久しぶりの雨のようで、朝の水遣り作業はしなくて済む。
外仕事が一段落し、買い物などを済ませたら、シャワーのあと、休憩を兼ねて読書。
ピーター・クレイン 著の『イチョウ 奇跡の2億年史 生き残った最古の樹木の物語』(矢野 真千子 訳 河出書房新社)を読了。
本書も予想通り、読み応えたっぷりの本だった。イチョウは、数億年を生き延びた生ける化石。
→ David Parfitt作 「Snow tree」 (画像は、「David Parfitt RI」より)
イチョウ…と聞いて、ふと、フランク永井が歌ってヒットさせた、「公園の手品師」(作詞:宮川哲夫 作曲:吉田正)という歌を思い出した。
ふと、呟くように一人、誰もいないところで歌ってみたりする。
そういえば、ずっと前、「「公園の手品師」の時代」なんてエッセイを書いたことがあった。
← David Parfitt 作「Sea and seaweed」(Oil 400mm x 420mm) (画像は、「David Parfitt RI」より)
その中で、以下のように書いている:
冗談ではなく、ホームレスの方たちを見ると、明日は我が身と思ってしま うのだ。
そして年を取った自分や、こんな人生になったんだなぁという感懐もある。 残りの人生に絶望しているわけではないが、無条件の期待があるはずもない。
歌詞では公園の手品師は銀杏ということになっているが、自分には公園で 眺められる風物の全てが手品師であり、また、少々生意気かもしれないが、 自分自身が老いたピエロのように感じられたりする。
そう、小生に限らず、この歌を実感を以って聞いている人が実に多いとい うことなのだ。
不況がどこまで続くのか誰にも分からないようだ。しかも、今が経済的状 況の点でどん底かどうかさえ、確(しか)とは云い難いのが情ない。
ひたすら辛抱するしかないようである。生きていられること、それなりに 歩いていけること、時には青空だって眺めることくらいはできることに感謝 しつつ、しばらくは、のんびりゆっくりやっていくのがいいようである。
→ (画像は、「David Parfitt RI」より) 彼は、「Royal Institute of Painters in Water Colours」のメンバーに選ばれている。
世は、日銀の野放図な金融緩和で、無理やりの、ふくらしこで膨らましたような好景気を表面上は謳歌しているようである。でも、小生には無縁なのは、このエッセイを書いた十数年前と何ら変わりはない。
このエッセイを書いた五年後にも、類似のエッセイを書いている。
「「公園の手品師」の時代、再び」である。
その一部を抜粋してみる:
(前略)文中にも引用してある「公園の手品師」という曲の歌詞の中の、「銀杏(イチョウ)」が気になった。
中学や高校などの授業中というと、窓の外の銀杏並木をずっと眺めていたという印象ばかりが鮮明なのである。
というのも、小生なりの肉体的事情があって、授業には到底、集中できなかったからなのだが、でもそのお陰で、陽光に映えてキラキラする光景という眼福をたっぷり得たのだから、不遇とばかり思うのは賢明ではないのかもしれない。
← David Parfitt 作「Some dark stuff before everything just about goes green」 (11x11ins) (画像は、「David Parfitt RI」より)
せっかくなので、「公園の手品師」の歌詞の一節だけ、転記してみる:
鳩がとびたつ公園の銀杏は手品師 老いたピエロ
薄れ日に微笑みながら 季節の歌を
ラララン ララランラララン
唄っているよ貸してあげよか
アコーディオン銀杏は手品師 老いたピエロ
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