日本一の北金ヶ沢のイチョウ
今日は天気晴朗波低く…。でも、仕事は死ぬほど暇。
ってことで、いつもなら夜半過ぎまで営業のはずだが、月に一度の半勤の日で、夕方には帰宅。
← 東側より望む「北金ヶ沢のイチョウ」 青森にはイチョウの巨木が多いとか。その中でも、青森で最大のイチョウがこれ。 (画像は、「北金ヶ沢のイチョウ」より)
さすがに、夕方から外仕事というわけにはいかず、買い物だけ済ませて、洗濯、あとは早速、夕食と相成った。
さて、相変わらず、ピーター・クレイン 著の『イチョウ 奇跡の2億年史 生き残った最古の樹木の物語』(矢野 真千子 訳 河出書房新社)を読んでいる。
もともとイチョウ並木の光景は学生の頃から好きだった。その思い入れを書けばかなりな長文になりそう。授業中、ずっと校庭を囲むように居並ぶイチョウの並木を眺めていた…というのは、学生時代の思い出の乏しい中、何故か自分の中で印象に強く残っている。
いつか、何かしらエッセイか小説の形でその辺りのことを書き込んでみたい。
→ 西側より望む「北金ヶ沢のイチョウ」 鍾乳石のように垂れ下がる「乳」。 (画像は、「北金ヶ沢のイチョウ」より)
さて今日は、またまたピーター・クレイン 著の『イチョウ 奇跡の2億年史』から日本のイチョウについての話題を採り上げる。
今日は、青森県指定天然記念物である、「日本一の北金ヶ沢のイチョウ」の話である。
← 西側より望む「北金ヶ沢のイチョウ」 本書によると、「この木は日本で四番目に大きな木で、日本一大きなイチョウ」なのだとか(p.108)。 (画像は、「北金ヶ沢のイチョウ」より)
本書によると(p.105-7):
北金ケ沢の大イチョウは、住宅密集地と海岸沿いの国道にはさまれた狭いスペースで育ち続けている超巨木だ。この木が繁茂しているのは、険しい山の斜面と細長い海岸沿いの平野が接する地点だ。海からそれほど離れていないというのに、イチョウの根は天然湧水源に伸びていて、そこから淡水を吸い上げている。また、そこは大戸瀬崎という迫り出した岬の陰に隠れるような場所になるため、冬に吹き荒れる西風からも守られている。
(中略)樹冠は巨大でふさふさと生い茂っており、枯れた枝や黄ばんだ葉はほとんど見えない。だが、おれはあくまで離れた場所から見た場合だ。近づいてみると内側の樹冠にはたくさんの枯れ枝があり、内部の足場が統制を失い、木の無軌道な成長を抑えられなくなっているのが見える。ぽきんと折れたような幹や枝があっちにもこっちにもあるのは、この木が数百年ものあいだ豪雪や台風、そしておそらく地震によって痛めつけられてきたことを物語っている。土がすかすかになったところでは、もつれ合った根が丸見えだ。堆積腐植層は観光客に踏まれてすり減らされている。
(中略)観光客はこの木の下を歩くというより、この木の中に歩いて入ってゆける。内側に入ると、複雑に絡まった上向きの大枝と横向きの大枝、太い幹から下向きに垂れ下がる乳に囲まれる。あちこちで元気な細い枝が幹や大枝から芽を出して、上向きに伸びている。この細い枝は吸枝(きゅうし)という。北金ケ沢のイチョウは一本の木というよりも、一つの雑木林のようだ。すべてを合わせた幹の周囲は七二フィート[二二m]を超える。その中には実質的に「新しい幹」と呼べるものが三本ある。新しい幹にはすでに、母木の成り行きをうかがいながら機会に乗じて目を出した吸枝が多数、生えている。独立して生きていける潜在能力をもつ新しい幹の存在は、将来に何かあったときのためのいい保険になる。
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コメント
見事なイチョウですね!
縦に伸びる印象がありましたが、これは横に枝を伸ばし、ふくよかな体型です。
やさしい感じがします。
それにしても、イチョウの黄色と青い空のコントラストは見事としかいえません。
これに、もみじの赤が加わったら最強かも(笑)
投稿: 砂希 | 2015/05/01 12:01
砂希さん
そう、「イチョウの黄色と青い空のコントラストは見事」です。
中学や高校生の頃、授業中、青空のもと、窓外のイチョウ並木の黄色い葉っぱが陽光を跳ね返してキラキラして、不思議な恍惚感に浸ったものです。
有名詩人の20億年の孤独ではないですが、2億年という悠久の時の不可思議を今に現出しているようです。
投稿: やいっち | 2015/05/02 15:04