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2015/03/21

『知のトップランナー149人の美しいセオリー 』は面白い

 ジョン・ブロックマン著の『知のトップランナー149人の美しいセオリー 』を楽しく、興味深く読んでいる。
 エッジ(Edge)という、科学者のオンラインフォーラムでの特集。

Pangea_animation_03

→ パンゲア大陸の分裂 (画像は、「大陸移動説 - Wikipedia」より) 初めて大陸移動説を主張した際は、勇気が要っただろうなー。実際、トンデモ説だと見做されたし。学者には信念と勇気が必要だ。

 知のトップランナー149人が考える美しいセオリーということで、予想通り、ダーウィンの進化論、マックスウェル方程式、アインシュタインの相対性理論、光電子効果理論、 ‎ウェーゲナーの大陸移動説、などなどが取り上げられている。
 でも、全く知らない科学の知見も多い。

 ウェーゲナーの大陸移動説などは、少なくとも我が日本では、地震や火山列島ということもあり、大地が、プレートが動いているなんて、ほとんど日常の常識となっているが、そんなプレートテクトニクスが唱えられたのは、ほんの一世紀前だし、科学的に根拠づけられてからは半世紀も経過していない。
 初めて唱えたウェーゲナーは科学者として罵倒され、失意のうちに亡くなった。大地が動くなんて!
 尤も、ガリレオではないが、地球本体だって天体の一つに過ぎないと、400年の昔に分かっていたことのはずなのだが、それでも、大陸自体が動くなんて、想像も付かなかった真実なのだ。

 科学において、ウェーゲナーの大陸移動説に劣らず、過去、人類にとてつもないインパクトを与え、世界観を根底から揺るがした理論(観察)が幾度となくなされてきた。
 たとえば、1610年、ガリレオが天体望遠鏡を作り、月を観察したら、その表面がデコボコだったその形状はともかく、地球以外の天体にもそこには別の世界があるという衝撃。これは今となっては我々には想像も付かない世界観の大変貌を人類に強いた(その当時はヨーロッパのみだったが)。

 その事実を知った世界の人たちは、世界が根底から覆されたと魂を震撼とさせられた。
 これはただの憶測だが、徳川幕府がキリスト教の布教を完全に禁止し、鎖国したが、彼らの侵略の意図を察知し危険に感じたのはもちろんだが、あるいはオランダなどの人たちから、そんなとんでもない世界観の大変革の脅威を知らされ、国民から目を逸らそうとしたのではないか。なんといっても、幕府の権威が地に墜ちる危険があるのだ。
 これは憶測で、安物のドラマにもならない話だろうけど。

Photo

← ジョン・ブロックマン著『知のトップランナー149人の美しいセオリー 』(長谷川 眞理子【訳】 青土社) 著者は、「ニューヨーク在住の編集者・作家」だとか。 「シンプルな原理が複雑な世界を解き明かす!科学やアート、実業などの世界の最前線で活躍する第一人者たちのお気に入りの美しいセオリーとは何か?文字通りの革命的大発見から意外でユニークな「法則」まで、世界の知が総結集した贅沢なアイディア集」だとか。まあ、箸休め的な本。読書のジャンルや書き手を広げるためもあって、読みだしたが、期待以上に面白い。 (情報や画像は、「紀伊國屋書店ウェブストア」より)

 誰しも他人の心を読みたいと思い、一方、自分のこころは読まれたくない。あるいは、人の本意など知らない方がいいし、自分のこころのおぞましさなど知らない方がいいのかもしれない。だからこそ、文学などの芸術があり得るのだろう。(以下は、エリック・J・トポルの「論より証拠:プラシーボから脳の中の映像まで」 p.422-3 より)

 けれど、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)やポジトロン放出断層撮影法(PET)を用いた脳イメージングや詳細な活動マップの登場は、今や芸術の領域を侵犯しつつある。

 プラシーボ効果も、実際の生物学的メカニズムがあるのか否か、論争となってきたが、いまや解決しつつあるという。「モルヒネやオキシコンチンなどの薬物が誘発するオピオイド薬物回路は、鎮痛剤プラシーボの投与時の脳活動パターンと同一」なのだという。つまりは、「プラシーボ効果が独立の判別可能な精神物理学的メカニズムとして再認識されたことで、いまやプラシーボ薬を治療法として検討する試みが始まっている」というのだ。
「プラシーボ効果の解明は、心を読むという、より野心的な探求の一つのステップ」で、ある研究チームが、「jっ権参加者に短いYouTubeの動画を見せ、脳イメージングで活動マップの再構成を行うことで、筋の通ったコピー動画を作り出した」という。「元の映像と、脳イメージングからの再構成映像を、フレームごとに比較すると、その類似度の高さは驚異的で、心底ぞっとするほどだ」という。

 さらに、「この技術と、現在開発進行中の超小型携帯用MRIを組み合わせれば、いずれ私たちは自分の見た夢を翌朝iPadで再生するようになるのかもしれない。あるいはもっと恐ろしいことに、それを見たがるどんな相手にでも、自分の脳の中の映像を公開するようになるのかもしれない」! 


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