『醜の歴史』から『ピノキオの冒険』へ?
先月の28日頃から風邪。以来、ずっと会社を休んでいる。一昨日辺り、そろそろ回復基調、回復途上かなと思った…のだが、そこへいきなりのドカ雪。
→ カルロ・コルローディ原作『ピノキオの冒険』 (ロベルト・インノチェンティ絵 金原瑞人訳 西村書店) (画像は、「 医学・芸術書・絵本を出版する西村書店」より)
我が家の庭は細長い。日陰。そこへ雪なので、除雪に追われ、案の定、風邪をこじらせてしまい、とうとう今日も休んでしまった。
で、せっせと除雪で疲労困憊で、休んでの風邪の養生にはまるでならない!
昨年の夏前から読み始めていた、大西巨人著の『神聖喜劇』だが、本日、『神聖喜劇 4』をようやく読了。今夜から最終巻である『巻5』へ。
凄い本だと思う。実に粘り強い探求と執筆。あるいは野間宏著の『青年の環』に匹敵する本なのか。
今、ウンベルト・エーコ編著の『醜の歴史』(川野 美也子【訳】 東洋書林)を読んでいる。画像が豊富に掲載されていて、該博なエーコならではの文章の妙もあって、読んで眺めて実に楽しい。
ただ、校正ミスがあまりに多いことがっかりである。多くの既存の訳書からの引用もあるのだが(原則、既訳書からの訳文をそのまま転載したと断ってあるにもかかわらず)、その引用さえ校正ミスが目立つのは何故なのか、謎である。
← カルロ・コッローディ著 『新訳 ピノッキオの冒険』 ( 大岡 玲翻訳 角川文庫) (画像は、「Amazon.co.jp 通販」より)
掲載されている画像も初見のものが多く、楽しい。引用されている文章も、結構、幾度となく読んだ作品もあったりするのだが、引用されている個所は、エーコならではの選択で、あれ、こんな文章があったの、という驚きもあって、発見(再発見)の連続である。
そんな中、ピノキオの冒険も、改めて読み返さないとと思わせられた作品の一つである。
ガキの頃、映画かマンガで慣れ親しんだ物語で、分かりきっていると感じている作品である。
恐らくは、小生は特に、ディズニー版のピノッキオで親しんだのかもしれない。
ただ、今の若い人たちには、聞き慣れない作品かもしれない。
「ピノッキオの冒険 - Wikipedia」によると、「『ピノッキオの冒険』は、イタリアの作家・カルロ・コッローディの児童文学作品。1883年に最初の本が出版されて以来、100年以上にわたり読み継がれている著名な作品である」とあったうえで、内容紹介されている:
ある日、大工のチェリーが意志を持って話をする丸太を見つける。そこにゼペットじいさんが現れ、丸太を木の人形にし、ピノッキオと名付ける。ところがこのピノッキオは勉強と努力が嫌いで、すぐに美味しい話に騙される。話をするコオロギなどの忠告にも耳を貸さず、人形芝居の親方に焼かれそうになったり、狐と猫にそそのかされ殺されそうになったりする。終盤に巨大なサメに飲み込まれるが、マグロに助けてもらう。真面目に勉強し働くようになったピノッキオは、最後に夢に現れた妖精によって人間になる。苦難を乗り越えて人間の少年へと変化するまでの逸話が書かれている。
「ピノッキオの冒険 - Wikipedia」を読んでいて、そういえば、小学館本の回収騒ぎがあったなーと思い出した。でも、その当時、敢えて読み返そうとは思わなかった。
→ 「ピノッキオ」 (画像は、「ピノッキオの冒険 - Wikipedia」より)
でも、エーコの本の中での引用文や、「Amazon.co.jp 通販」での、 『新訳 ピノッキオの冒険』 ( 大岡 玲翻訳 角川文庫)に寄せられたコメントで、以下のようにあるのを読んで、再読を決心させられた:
角川文庫で読んだ最初の印象は、童話というよりも怪奇色の強い寓話に見えた。少年の頃はただ単に面白い物語だったのに、50代で読んだ時、少年の頃の読後感がひっくり返るほど、不気味な小説に思えたことだった。木彫りの人形が意思を持ち動き出した時、なんの違和感もなくいきなり人間として扱われるあたりが悲しくも、切ない。それに怖かった。
あるいは、カフカの『変身』に通じるのかも、なんて、見当違いか。
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