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2015/01/31

トマ・ピケティとアベノミクス

 近く、トマ・ピケティの『21世紀の資本』を読む予定でいる。
 でも、昨年来、日本でもマスコミをにぎわせているので、なんだか、もう、読んだような感覚が。先入観たっぷりで読むなんて、新鮮味がなくなるし、困るなー。

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← トマ・ピケティ著『21世紀の資本』(訳者:山形浩生/守岡桜/森本正史 みすず書房) (画像は、「21世紀の資本:みすず書房」より)

 とはいっても、話題の本だからこそ、遅まきながらでも、読みたいのである。
 明日には手を付けられるかな。

 ところで、今、トマ・ピケティが日本にやってきて、滞在中なのだとか:

『21世紀の資本』のトマ・ピケティ 来日 - みすず書房
来日期間 2015年1月29日(木)-2月1日(日) シンポジウム(有楽町朝日ホール)/討論会(日仏会館)/東大講義

「不平等が拡大」と警鐘 トマ・ピケティ氏が来日講演:朝日新聞デジタル」など参照。

 小生はというと、下記も試聴している:
NHK Eテレ「パリ白熱教室」トマ・ピケティ教授(パリ経済学校)毎週金曜午後11時から、全6回で放送開始

 小生がいかにミーハーかを物語る一端ではあるが、強い関心を抱いているのも事実なのである。

 時あたかも、一昨年より、アベノミクスが喧伝されている。かなり雲行きが怪しくなりつつあるが(というより、正体がばれつつあると、小生は理解しているのだが)、でも、昨年師走に抜き打ちのように選挙をやって、与党は議員の数の上で、盤石の構えである。
 小生は、アベノミクスの雲行きが怪しくなりつつあるから、ここで地方創生だとか叫んで、アベノミクスは未だ地方にその恩恵が行き渡っていない……これからの頑張りで地方が、中小企業や庶民が恩恵を少しでも受ける、正念場だと認識しているから、政権も必死なのだろと推測している。

 但し、小生の認識は、アベノミクスの恩恵は、大企業や金持ちの間だけであって、中小企業や一般庶民に及ぶことは最初からありえない、というものである。
 日銀の未曽有の金融緩和も、見かけ上の景気をよくして(つまり、大企業などの利益を増やして)、税収を増やし、赤字国債の発行額を少しでも減らそうという魂胆が見え見えである。
 物価を上げて、インフレ傾向に見せかけ、赤字国債は垂れ流し、庶民の生活を犠牲にしてでも、国家の財政を良くする…。なんと姑息な財政運営なのだろう!

 古今東西の歴史を見ても、一旦、カネを蓄えたものは、そのカネをびた一文たりとも手放さないし、それどころかますます私腹を肥やすことしか考えなかった、という事実が示している。
 消費者目線とか、功利性とか、経済合理性とか、要するに労働者の賃金というコストを減らすことを焦点の発想に過ぎない。
 その上、日本は今のままではますます人口が減るし(若い子育て予備軍世代が結婚すら叶わない)、しかも、日本に限らず世界はグローバルな経済潮流の渦に巻き込まれている。
 混沌とした世界にあって、企業は日本をほぼ見捨て、海外へ打って出る趨勢は強めることはあっても、弱まることはない。

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→ 「アベノミクスで株価も上がってるし大企業の業績も回復しているのに庶民が景気が良いと感じないのは何故なのか、わかりやすく図にしてみました」! (画像やコメントは、「カレーの鬼」さんのツイッターより)

 だから、企業がどれほど内部留保を抱えていても、大企業ですら賃金に回す分はかなり限定される。それより、いつ、外資の洪水に巻き込まれかねないという危機感のもと、おカネは金持ちであっても、大企業であっても、どれほど蓄えていても不安で仕方ないわけである。
 となると、日本の若者世代の将来は暗澹たるもの、としか考えられない。
 それこそ、トマ・ピケティが語るように、「若い人たち優遇の政策を」実行し、「資産家に高い税金を」課すなどして、政府が、得られた利益や蓄えの再分配を覚悟を以て行わない限り、日本の、あるいは若者の将来は塞がれてしまうだけなのである。
 アベノミクスはその真逆を突き進んでいる! 断固、阻止しないと!

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