ディケンズ著の『イタリアのおもかげ』を読んで
今日は北陸は富山には珍しい快晴。何処かへ出かけたかったが、野暮用もあるし、組合の仕事もあって、外出が億劫で、家に閉じこもり、モップで廊下などを掃除したり、奥の仏間の出窓に仕舞いこんだ書棚のうちの一つを玄関脇の廊下へ移動させた。
→ 「靴墨工場のディケンズ」 「ディケンズの家は中流階級の家庭であったが、父親ジョンは金銭感覚に乏しい人物であり、母親エリザベスも同様の傾向が見られた。そのため家は貧しく、ディケンズが学校教育を受けたのは、2度の転校による4年のみであった。1822年の暮れに一家はロンドンに移っていたが、濫費によって1824年に生家が破産。ディケンズ自身が12歳で独居し、親戚の経営していたウォレン靴墨工場へ働きに出されることになった」とか。 (情報や画像は、「チャールズ・ディケンズ - Wikipedia」より)
無論、書棚だけじゃなく、自分の蔵書や父の蔵書(主に時代小説・歴史小説)なども。書棚に改めて並びながら、久々に古い本を眺め、父もだが、小生もよくぞこれだけ読んできたなーとか、こんな本(テーマ)にも昔は関心を抱いていたんだなー、などと感懐も抱いたりした。
午後になって、何もしないではまずいと、灯油を買うため外出。20リットルのポリ容器6個分。つまり120リットルである。これだけで、11,000円。昨年の12月前と比べると、灯油は(ガソリンもだが)、随分と安くなったものだ。油(燃料)が如何に、国際情勢に左右されるかを実感させれる。
久しぶりにチャールズ・ディケンズの本を読んだ。ディケンズ著の『イタリアのおもかげ』である。
ずっと、車中で読んできたが、残りが少なくなったので、自宅で一気に読了。
ディケンズらしい観察眼が生きているとは感じたが、やはり、彼は作家である。小説家なのだ。小説でこそ、彼の本領が発揮されると思い知らされた。
「1844年7月、32歳のディケンズは、家族とともにイタリアに向けて出発した。ジェノヴァを拠点に、およそ1年にわたって、ヴェネツィア、ピサ、ローマ、ナポリなど各地を見て回った」ということで、「ディケンズ独特の観察眼が発揮された臨場感あふれる紀行文」(以上「チャールズ・ディケンズ - Wikipedia」より)である。
ディケンズは、プルースト、ドストエフスキー、ジョージ・オーウェル、などが高く評価している。中でも、「トルストイはディケンズをシェイクスピア以上の作家であると評価しているほど」である。
小生は、代表的な作品は幾つか読んできたが、紀行文は初めて。というより、書店で本書をたまたま見かけるまで、そんな本の訳本が出ていることさえ、知らなかった。
← ディケンズ著『イタリアのおもかげ』(伊藤 弘之/下笠 徳次/隈元 貞広【訳】 岩波文庫) (画像は、「紀伊國屋書店ウェブストア」より)
本書は、ディケンズの本としては地味な本だろう。彼は、様々な登場人物に時に過剰なほどの生命感、存在感を与えることのできる稀有な作家。実際、この紀行でも、イタリアということで、建築物、彫刻、絵画、遺跡など、様々な芸術を鑑賞し、褒め、あるいは大したことはないと、自由闊達な意見を述べているのだが、それ以上に、彼はイタリアの民衆をこそ観察している。
というより、カトリックの国ということで、宗教人をも観察しているのだが、あくまで人間くさい見方をたっぷり披露している。
しかしながら、上記したように、やはりディケンズは小説家であり、小説でこそ最高の彼を実感できるとは断っておくべきだろう。
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