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2014/12/08

もっと哀れなのは 忘れられた女です

 関 容子 著の『日本の鶯 堀口大學聞書き』 (岩波現代文庫)をようやく読了した。
 車中で待機の徒然に読んできたが、読むほどに面白くなり、最後は自宅で読了と相成った。

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→ マリー・ローランサン作 堀口大學は相当な艶福家でもあったのだろう、ローランサンとも心身ともに交流があった……ようである。(画像は、「マリー・ローランサン Key of Life」より)

 詩人の魂など、小生ごときが知る由もないが、でも、憧れてきたのも事実。
 縁遠いからこそ、気になるってことなのか。

 以下の詩 「鎮静剤」は、愛する「アポリネールの結婚と死の知らせ」のあった、時に書き上げられたとか(「マリー・ローランサン「鎮静剤」」参照):

    鎮 静 剤

                  マリー・ローランサン
                  堀口大學 訳


退屈な女より もっと哀れなのは 悲しい女です。

悲しい女より もっと哀れなのは 不幸な女です。

不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です。

病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です。

捨てられた女より もっと哀れなのは よるべない女です。

よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です。

追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です。

死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です。


 堀口大學は、往時、東京は大森山王にあった望翠楼によく泊まったという。
 大森山王! 東京在住時代の最後のほぼ十年を大森で過ごした小生。山王へはタクシーで何度、向かったことか。入り組んだ住宅街にてこずったものだ。暗闇坂などがあって、雰囲気たっぷりの一角が魅力的だった。

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← 関 容子 (著)『日本の鶯 堀口大學聞書き』 (岩波現代文庫) 「女流画家マリー・ローランサンは若き日の堀口を、「日本の鴬」と呼んで愛した。そんな青春の秘話をはじめ、生涯を通じての佐藤春夫との交友、恩師・与謝野寛・晶子夫妻や永井荷風、コクトー、アポリネールらとの出会い」だとか。想像以上に広く深い交流に驚いた。『訳詩集 月下の一群』で知られる詩人ということしか知らなかった不明を恥じるばかり。 (情報や画像は、「hontoネットストア」より)

 東京在住時代、望翠楼があったことはもちろん、堀口大學の足跡が濃厚に記されていたなんて、知る由もなかった。
 島崎藤村の白金台など、在住時代は知らないでいて、その地を離れてエピソードなどを知ったことがどれほどあることか。やはり、ちゃんと勉強しておかないとね。

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