« もっと哀れなのは 忘れられた女です | トップページ | 本をまとめ買い »

2014/12/10

ネットもいいけど書物もね

 テレビ(クローズアップ現代「本を読まない人が急増 日本人に異変が?」)で日本人の読書離れを特集していた。
 評論家で大の読書家(蔵書家)の立花隆氏がゲストコメンテーターだったが、番組としてはあまり掘り下げられていたとは言い難い。

9784334751654

← ムージル/著『寄宿生テルレスの混乱』(丘沢静也/訳 光文社) (画像は、「寄宿生テルレスの混乱 ムージル、丘沢静也-訳 古典新訳文庫 光文社」より)

 言われなくとも、スマホ全盛でネットに繋がることに時間が奪われ、読書に時間を割く余裕がなくなっているなど、誰でも分かっている。読書する人と、本を読まない人とは脳の動き方とか、与えられたテーマについて小論文を書くにしても、出来上がった論考もだが、論文(?)を仕上げる過程も大いに違う、ってのも、容易に想像がつく。

 一応は、平均よりは読書するほうの、やや旧弊に属する者としては、読書の大切さを世に喧伝したいところだが、ネットの大切さも、ブログを長年やってきた自分には分かる…つもりである。
 自分は、スマホは持たないものの、パソコンもタブレット端末も持っていて、それなりに活用している。
 それでも、ハード、つまり本への愛着は有している。本はできれば買って(つまり所蔵して)読みたいと思っている。図書館(や友人知人)から借りて読んだ本も千冊はくだらないと思うが、可能な限り書店へ足を運び、本を手に取り、買い、簡易なカバーなどして読むのである。

30977387

→ 『西田佐知子~魅惑のヒット集』(ユニバーサルミュージック株式会社) (画像は、「西田佐知子 (CD) - CD DVD 通販サイト-音カラ館」より) 西田佐知子は、小生がガキの頃からのアイドル。若干、お姉さま! 大好きな声、大好きな歌手!

 貧乏なので買える本には限りがあるが、書架に読んだ本を並べて悦に浸る…こともないではない。
 一方、知を得る方法はスマホに止まらず、もっともっと進化していくのだろう。ネットを通じて世界の情報に繋がり得る。その人の能力次第で、だが。

 書物の魅力。現物を手にしえる愉楽に過ぎるものはない。装幀も含め、著者の結晶が塊としてそこにある! この奇跡!

 今日も、茶の間があまりに乱雑になっているので、カラーボックスを買ってきた。部屋を整理するためでもあるが、本を並べて、せめて背表紙を眺めたいという思いもあるのは否定できない。
 さて、今日から、山本健吉著の『俳句とは何か』(角川ソフィア文庫)を読み始めた。東京在住時代、所蔵していた本だが、帰郷のごたごたの中で手放してしまった。

1f6e22c75a4d2344be15fdceed78e6b9000

← 山本健吉著『俳句とは何か』(角川ソフィア文庫) (画像は、「俳句とは何か - 山本 健吉 - Yahoo!ブックストア」より)

 過去、三回、読んでいる。山本健吉の俳句は「滑稽、挨拶、即興」だという論に感銘を受けてきた:
連句を巻く?

 先日、久しぶりに入手。ようやく読む機会を得た。今日、スノータイヤを交換する待ち時間の間に読み始めたのだった。本書は車中の友となるだろう。

 自宅では、ムージル著の『寄宿生テルレスの混乱』(丘沢静也/訳 光文社)を読み始めた。処女作だとか。ムージルの書は、『特性のない男』に続いてである。
 いかにも文学調式な文章ではなく、ともすると味もそっけもないような表現が続く。なのに、妙に引き込まれていく。きっと、書き手の孤独な心性に惹かれているのだろう。

51g5tclqmkl

→ 『三橋美智也 1 哀愁列車 センチメンタルトーキョー 』(キープ株式会社) (画像は、「Amazon.co.jp 通販」より) 小生にはやや年配の世代だが、春日八郎、村田英雄と並ぶ三傑。彼らが物故する頃からファンになった。日本の男性歌手で、じっくり耳を傾けることができるのは、彼らだけかもしれない。生前、もっとしっかり聞いておけばよかった。テレビとはいえ、同時代に聴けたのに、惜しい。

 訳者の丘沢静也氏は、ヴィトゲンシュタイン著の『反哲学的断章』の翻訳で耳馴染みである。これまた小生の愛読書の筆頭の本なのだ。
 というわけで、愛書家でも読書家でも蔵書家でもない小生だが、それなりの読書家として本をちょびちょび読み続けていくのだろう。

|

« もっと哀れなのは 忘れられた女です | トップページ | 本をまとめ買い »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

本はなかなか、僕の専門のカントを見ても、ほとんど専門書の新刊は出ませんね。
若い研究者はかわいそうと言えます。
新書だけは数が伸びていますが、新書のカント解説書読んで、カント解ったとなるのが怖い。
カントの場合、ドイツ語で原典を読んでほしい。
ネットでそんなことは出来ないから、やはり本は大切です。

投稿: oki | 2014/12/10 22:46

okiさん

専門書どころか、一般の本さえ売れない。本を読まない人が若い人に増えているんだから。

何事も基礎が大事。活字を読む、書く。その繰り返し。
カントは齧っただけですが、ヴィトゲンシュタインもほんの一部しか原書で読んでいません。
それより、ラテン語が好きだったなー。あのまま、ラテン語、続けておけばなーって。

投稿: やいっち | 2014/12/11 22:35

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/52847/60790478

この記事へのトラックバック一覧です: ネットもいいけど書物もね:

« もっと哀れなのは 忘れられた女です | トップページ | 本をまとめ買い »