できたものは
「できたものは」
できたもんはしょうがねえじゃねえか。
しょうがないってねー、そんな気楽に言わないでよ。他人事だと思ってんじゃない?
他人事だなんて、思ってねえよ。気にすんなって言ってるだけじゃん。
← カルペンティエル【作】『失われた足跡』(牛島 信明【訳】 岩波文庫) 一九五三年刊の本を今頃になって読む。78年に集英社から翻訳が出ていたが、その頃はラテン文学は視野に入っていなかった。ようやく、ガルシア=マルケスの『百年の孤独』を読んだが、当時は強引に読み切っただけに終わった。95年に再読して、その凄い魅力に開眼。その後、『百年の孤独』は、三回目を読むほどにマルケスに引き込まれていったが、カルペンティエルには手が出ず。ホント、岩波文庫に入ったことで、手にしやすくなり、ようやく、読むのである。(画像は、「紀伊國屋書店ウェブストア」より)
気にするなって、そんなー! 女にとって、命がけのことなのよ!
命懸けって、そんな、大袈裟な。たかが、そんな、ちょっとできたくらいで…。
たかが、ですって? ちょっとできた、ですって? あなた、なんてこと、云うのよ。あなたのせいよ!
オレのせいだって? オレが何したって言うんだ。オレに何の関わりがある。
あーーー、この期に及んでしらばっくれてる。あなたがねー、あのときにねー、もうちょっと気を付けてくれてたら、こんなの、できるはずがなかったのよ! それをオレに何の関わりがあるって、あなた、無責任すぎるんじゃない? あなた、逃げ腰みたいね。こんなのできた女はもう用なしってこと? それって、あんまりよー!
おめえよー、べそべそ、泣くなよー、みっともねー。
みっともない? そうよね、できちゃったら、膨らんできちゃって、みっともないわよね。外なんて、出歩けないわよね。わたしと、歩くなんて、恥ずかしいわよね!
どうして、そんなに大事になるかなー、オレには分からんぜ、女心はよー。
分からないって、もう、別れるつもりでいるんじゃない? だから、私の気持ちなんて、分かろうともしないのよ。
そんなこと、ないってばさー。じゃー、よー、オレにどうしろって言うんだ? オレに何ができるんだ。できることがあるなら、やるぜ、オレ。
フン、あなたには何もできないわよ!
なんだよ、せっかく、何でもやるって言ってるのによー、訳、分からん。もう、オレの知ったことじゃないぜ。勝手にしろってんだ。
→ お絵かきチャンピオン作「遺書ローバンツ」 絵の才能のある人は、ささっと描いたような、デッサンというのか、ちょっとした悪戯描きでも、センスを感じさせる。どこかレオノール・フィニを感じさせたりして(フィニについては、「エロスの罠」参照。)。拡大して鑑賞してね。 (ホームページ:「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」参照)
とうとう、本音が出たわね。最初からそのつもりだったんでしょ。だから、こんなに苦しんでる私を見ても、冷静でいられるのよ。
……
ああ、何も言ってくれない。だんまりを決め込んで…。もう、いいのよ、私が一人で、うむわ。
うむって、なんだい、それ。膿、一人で出すってことか?
できものは、早く潰さないとダメなのよ。
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