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2014/10/26

セイダカアワダチソウ:秋の日は夢かと惑う泡の花

 今月上旬、富山県内各地を巡る機会に恵まれた。
 そのことについては、「この十日ほどで訪れた富山の名所の数々」や「五箇山の落ち武者伝説と民謡を巡って」などに若干のことを書いた。

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← セイダカアワダチソウに浸食された、もとは芝生だった庭。小生が東京在住時代、二十年ほど暮らした集合住宅の芝生の成れの果て。「秋麗」参照。

 今日はその番外編というか、県内各地を車で回って気付いたことを一つ、メモっておきたい。
 それは、セイダカアワダチソウのことである。
 今さらというか、今頃になってと言うべきか、県内各地の野原や河原、空き地に生える雑草にセイダカアワダチソウが実に目立ったのである。

 秋もいよいよ深まってくると、空き地などの雑草に、ススキなどが目立つようになる、という印象があった。
 あるいはそれは思い込みであって、実態上は、今は既にセイダカアワダチソウのほうが繁殖する勢いが強いのかもしれない。

 無論、このことは富山だけじゃなく、あるいは全国とは云わないまでもかなり広い範囲に当てはまる状況なのかもしれない。
 実際、東京在住時代、あるブログ日記に以下のように綴ったことがある(「秋麗」より):

 さて、掲げた写真は、我が集合住宅の庭の惨状。本来は、芝生だったのである。が、ある時、芝生に雑草が生え始めている、ということで、有志で草むしりと相成った。
 が、雑草が毟られたと同時に、芝生自体を傷めてしまったようで、気がついたら、芝が完全に消え去り、今では雑草の天下に。
 写真では分かり辛いが、この草、背丈は二メートルを越えている。迫力モノである。雑草たちは、季節が今や秋であるにも関わらず、我が世の春を享受しているというわけだ。

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→ セイタカアワダチソウ(背高泡立草) (画像は、「セイタカアワダチソウ - Wikipedia」より)

セイタカアワダチソウ - Wikipedia」によると、セイタカアワダチソウ(背高泡立草)は、「キク科アキノキリンソウ属の多年草である。日本では代萩とも呼ばれ」、「切り花用の観賞植物としてハギ(萩)の代用として用いられ」るとか。
 まず、この説明にびっくりした。鑑賞用であり、萩の代用として用いられる!
 背高泡立草の威容に圧倒され続けた小生としては、それは信じられない。
 でも、生えている本数が少なければ、そして町中の随所で見かけるようなことがなければ、それも可なのかもしれない。

 さらに、「セイタカアワダチソウ - Wikipedia」によると、「北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として導入された帰化植物(外来種)であり、ススキなどの在来種と競合する」とか。
 そうか、外来種だったのだ。しかも、ススキと競合するほどに繁殖力が強い。
「進駐軍の置き土産」という説明も見受けられる。空は、今もアメリカ軍が制空権を握り、地上はセイタカアワダチソウ(背高泡立草)が在来の日本の雑草などを圧倒しつつあるわけである。

セイタカアワダチソウ - Wikipedia」の中の、この植物の「盛衰」なる項目が実に面白いが、ここでは略す。

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← 秋の日は夢かと惑う泡の花 (画像は、拙ブログ日記「ポインセチア」(2004/12/14)より)

「日本各地で刈取りや抜き取りなどの駆除活動が展開されている」らしいが、「在来の湿地性植物群落に取って代わったような場所もあり、このような場所では現在も駆除に苦労している」のが実情のようだ。
 小生としては、晩秋に向けて、背高泡立草より風に揺れるススキの穂の野のほうが、日本の原風景に会っているように感じられ、ススキに頑張ってほしいと思うが、そのために自分に何ができるだろうか。

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