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2014/09/16

そしてボクは世界の

 真っ昼間。ぽっかり空いた公園。
 ボクを圧倒する眩し過ぎる太陽。白い光が溢れ返っている。
 立ち竦むしかない。薄っぺらな自分が露わだ。

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← 「ブランコ」 (画像は、「ブランコ - Wikipedia」より)

 誰もいない。みんな、何処へ行ったの?
 ボクとの約束はどうなったのか。ああ、そうか、誰とも約束しなかったっけ。誰一人、お喋りする相手もいないんんじゃ、仕方ないね。

 広すぎる公園のど真ん中を目指して歩いてみた。一度だってそんな真似をしたことがない。公園は見つめるだけのプリズムだった。ボクの視線は分光し、やがて粉々に砕け散る。それでも、凍て付いたガラスの時空はびくともしない。

 プリズムの焦点は、ボクを映し返す。跳ね返す。弾き飛ばす。塵か埃のように、ボクは舞う。風に弄ばれ、気が付いたら、公園の端っこのブランコの上だ。
 埋められたタイヤの上がよかったのに。雲梯みたいな鉄棒がよかったのに。滑り台なら、もっとよかったのに。
 よりによって大嫌いなブランコの上。ゆらーり、ゆれて、ボクは居たたまれない。身じろぎもしないのに、ブランコはふり幅をドンドン広げていく。今にも半円を描きそうだよ。

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→ お絵かきチャンピオン 作「斜者

 ロープにしがみ付くこともできず、といって、途中で勢いのままに飛び立つこともできず、怖くなってボクは座板に蹲る。遠心力のど真ん中で漲る力を感じるだけ。ボクは今、宇宙を感じている。猛烈な遠心力。度し難い重力。その拮抗。宇宙の意思って奴だ。
 ボクはドンドン凝り固まっていった。頑固な肩凝りのような息苦しさを耐えていた。気が付くと、ボクは芯になっていた。極小のコア。二度と解れぬ糸玉。
 そしてそれは今、世界の辺縁、そして軸芯なのだ。

(一昨日は、公園を巡って詩が掌編を書くつもりだった。なのに、「富山市は平坦な町」なんて小文を書いてしまった。今日こそ、とりあえずは詩もどきを書いてみた。)

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