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2014/08/08

どこにもいないあなた

 どこでもないどこか。
 だれでもないだれか。

1398

← イタリア:アルプス山脈 (以下、画像はすべて、「Googleストリートビューのアートチックな写真:すごい画像」より)

 どこにもないどこか。
 だれにもないだれか。

 どこかにあるどこか。
 だれかであるだれか。

1400

→ スペイン:ポサダ・デ・バルデオン

 どこかにあったどこか。
 だれかだっただれか。

 どこにでもあるどこか。
 だれでもあるだれか。

1401

← スコットランド・オークニー諸島:サンデー島

 どこだってどこかである。
 だれもがだれかである。

 だからわたしはだれかである。
 いつかどこかにいたはずのわたしなのである。

 どこにだってだれかいる。
 だれだってどこかしらにいる。

 ああ、そんなうそっぱちはいわないでくれ!

1403

→ 日本:沖縄県

 だれもがみすごしていくわたし。
 みすごされることにもきづかなくなるあなた。

 いつかきっとわたしもあなたをみすごすのだろう。
 あなたがいちどもわたしをふりかえらなかったように。

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コメント

そりゃ、そうですよ、国見さん。
見過ごされたくなかったら、呼び止めないといけません。
呼ばない、ということは、
関わらないでくれ、ってことです。
ほとんどの人に対しては、
自分を無視してくれないと困るでしょ?

投稿: 青梗菜 | 2014/08/08 21:29

前半は言葉遊びですね!
規則性が正確なリズムを刻んで迫ってきます。
平仮名が効果的と教えていただきました。
今度、私もチャレンジしてみようっと。
荒涼とした雰囲気にピッタリの言葉を選びましたね。
サンデー島の写真が気に入りました。

投稿: 砂希 | 2014/08/10 12:45

青梗菜さん

大切なとき、肝心な時に、だんまりを決めてしまった自分。
あの時どうして思いの丈を正直に告げなかったのか。
きっと、相手だって求めていたはずなのに。
勇気のなさ。
今さら、繰り言を言ってもどうにもなりません。
こうして、婦たちの人生はねじれの位置をほんの一瞬、(交錯したかのように)近づけ、そして今は、ひたすら遠ざかっていく一方なのです。

投稿: やいっち | 2014/08/10 22:11

砂希さん

「スコットランド・オークニー諸島:サンデー島」には、どこかしらアンドリュー・ワイエスの世界を思わせる、乾いた…乾ききった抒情の世界を感じ、つい、詩っぽいものを試みてみました。

なお、冒頭の「イタリア:アルプス山脈」なる絵は、拡大してみると分かるでしょうが、殺した遺体の遺棄現場だという説もあるようですね。

投稿: やいっち | 2014/08/10 22:17

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