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2014/07/01

ヘーラルト・トホーフト著『サイエンス・ファクション 』のトンデモ(?)アイデア

 今日の空は晴れ渡って、やや湿っぽくはあるが、梅雨の合間の外出日和。
 いろいろ組合関係の仕事が溜まっていて、頭の中は書類をどう作成するかで悩ましい。こっちは完全に曇天である。

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← ヘーラルト・トホーフト著『サイエンス・ファクション  ―― 疑り深い科学者のための宇宙旅行入門 ―― 』(二宮 正夫,二宮 彰 訳 岩波書店) 未来科学については、以前、ミチオ・カクの「サイエンス・インポッシブル」などを読んだことがあったっけ。拙稿「ミチオ・カク著『サイエンス・インポッシブル』はSFを超える!」参照のこと。 本書の著者や本書については、「 『サイエンス・ファクション』moreinfo」参照のこと。

 面倒な仕事は後回しということで、午前中に外出し、例によって砂利を120キロ購入。あと数回で砂利散布作戦は終わる…終えたい。

 今日は、センサーライトやデスクライトをも買ってきた。駐車場を作ったはいいが、夜中に帰るので、木立に埋もれるようにしてある駐車場は暗くて見づらい。
 なので、センサーライトを設置し、車(や人)が近づいたら照明が点燈するようにしたかったのだ。
 デスクライトは、寝室のベッドサイド用。寝ながら本を読むのに、ちょうどいい場所に照明が当たるよう、スタンドの首が捩れるようになっているライト。

 さて、今日の買い物のメインは、庭木を買うこと。
 畑の一番外側、田圃や畑の広がる北側からの風を避けるための防風のための樹木を買いたかった。
 既に昨年の春、クリの木の苗を三本、植えてある。順調に育っている。今年は畑の畝、もう一列に追加でクリの木を三本植えるつもりなのである。畑の野菜は畝が三列もあれば、十分。クリの木が二列で六本、育ってくれたら、一定の防風効果も生まれるだろうし、クリの収穫も夢じゃない。

 昨年、ふと、クリの実が地上に転がる光景が浮かんで、衝動買いしたのだった。その他、モモや杏、ナシ、などが候補にあったが、これ、という苗木が見当たらなくて、今年もクリと相成ったのである。

 一昨日から、ヘーラルト・トホーフト著の『サイエンス・ファクション 』を読み始めている。副題が、「疑り深い科学者のための宇宙旅行入門」とあって、あくまで科学者の立場で可能性のある未来に実現可能な科学の発展を考える。
 彼は<荒唐無稽な>SFが至って気に喰わないようで、あくまで生真面目に科学の発達の可能性を追求する。

 今日は、彼が示すアイデアについて、そのうち、エネルギー関連のアイデアを幾つか、羅列してみる。

 風力について。よくある風力発電とはけた違いの発想。「高さが数キロメートル、幅が数百メートルの煙突を乾燥した砂漠のような環境に立てるというものだ。煙突の下部から吸い込まれた暖気は、煙突を通って先端部にへ上がるが、その途中で冷やされる。大きな風力タービンが荒れ狂う風からエネルギーを得るが、この外にこの鉛直運動によって雨も発生する」というもの。
 要するに意図的にハリケーン(サイクロン)を撒き起こし、エネルギーを、雨を発生させようという。

 太陽エネルギーについて。これも、もしかしたら初耳ではないかもしれないが、通常の太陽光発電(発電効率が悪いし、太陽電池の寿命にも問題がある)とはわけが違う。
「大きな鏡を使い、太陽光を発電機の上に集め、太陽の熱を従来のやり方に沿ってエネルギーに変える、という」もの。

 これは、やはりノーベル物理学賞を受賞したカルロ・ルビアのアイデアのようだが、新世代原子炉について。ウランやプルトニウムではなく、トリウムなどの重い化学元素の核分裂を利用するもの。このメリットは、廃棄物の放射能は、当初に比べ数百年後には低レベルになるうえ、原子炉も、粒子加速器のスイッチが切れると、稼働を停止するので、爆発も起こらない」とか。

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← ミチオ・カク著『サイエンス・インポッシブル―SF世界は実現可能か』(斉藤 隆央【訳】 日本放送出版協会 (2008/10/25 出版))

 次は既に実現されているケース。財団ゼロ・エミッション研究構想(ギュンター・パウリ)による、コロンビア東部のサバンナの人工林である。
「この機関の生物化学者は、この地域で針葉樹が育たない理由を見つけた。土壌のPH値が四であるため、土壌の酸性度が強いうえ、太陽光も強すぎたのだ。これは、種子が生き延びる可能性のないことを表したが、最初に太陽に対して抵抗力のある低木を植え、これと土壌の下げる菌類とを組み合わせると、問題は解決した」という。

 さらに、本書の第9章では、「凧」力発電と銘打って、この話題に焦点を合わせている。
 これは、トホーフトの友人のウッポ・オッケルスのアイデアだとして、奇矯な(?)アイデアを披露している。
「膨大な数の凧を長い、閉鎖環状ケーブルに、全翼機のように取り付けるというのである。ケーブルの片側では、風が凧を引き上げ、反対側は、その動きで翼がはじかれ、強く引っ張らなくても、凧は下がる。ケーブルが発電機を動かし、このようにして大量の風がエネルギーに変わるのである。」

 余談だが、小生は、樹木型発電を妄想したことがある。基本は樹木の形(タワー)。枝に無数の葉っぱ。葉っぱの一枚一枚が揺れる超薄型で容易に撓む太陽光パネル。さらに、葉っぱ(パネル)も風に揺れると、その揺れをエネルギーに変換する。
 見かけは広葉樹、だけど効率的でゼロエミッションのエネルギー源でもある、なんて。

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