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2014/06/13

ガンマ線バースターの謎へ迫る一歩か

 富山(北陸)は、東京に遅れることわずか一日で入梅となった。
 けれど、予報では降るかもと、何度も告げられていたのだが、ほんのお湿り程度の雨が折々降るだけで、空梅雨なのかなと思っていた。

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← ガンマ線バーストの周辺環境(CG図)。 (画像は、「アルマ望遠鏡で探るガンマ線バーストの発生環境」より)

 畑などは、日に一度は水を遣るが、庭木までには散水は手が回らず、多くの樹木が弱っているのが目に見えて感じられる。とうとう害虫に葉っぱが食い尽くされる椿などの木が現れるなど、困った状況に。
 一昨日、防虫剤をスプレーしたが、百平米以上はありそうな庭の樹木たちには焼け石に水である。

 さて、自宅では、有島武郎著の『或る女』(新潮文庫)を読みだしている。二十歳代前半、本書を初めて読んだ。若かったこともあり、主人公の葉子に好きな人を思い入れて読んでいたり。懐かしい。
 いずれにしろ、男女の交情や、葉子らの心理を描く武郎の筆力にただただ魅入られるばかりである。

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→ X線観測衛星「チャンドラ」が捉えたショート・ガンマ線バーストGRB 050709と、その想像図 (c) X-ray: NASA/CXC/Caltech/D.Fox et al.; Illustration: NASA/D.Berry

 こうした地上世界に這い蹲う本を読んでいる一方、車中では、村上敏夫著の『宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト どこから来るのか、なぜ起こるのか』(講談社ブルーバックス)を読みだしている。
 まさに、宇宙の極小から極大の両極に跨る読書を楽しんでるってこと?

 著者の村上敏夫は、専門はX線ガンマ線宇宙物理学で、「日本におけるガンマ線バーストの観測を開拓してきた」人物。まさにガンマ線バーストのスペシャリスト。
 ガンマ線バーストは、「数十億光年彼方で起こる宇宙最大規模の高エネルギー現象が由来とされ」、「専用の監視衛星などにより1日におよそ1回の頻度で観測されるガンマ線の閃光現象のこと」(「アルマ望遠鏡で探るガンマ線バーストの発生環境」より)。

 ガンマ線バーストの存在そのものは1960年代にすでに知られていた。ただ、つかみどころがなく、その性質が詳しく調べられるようになったのは1990年代後半に入ってからのことだったようだ。
 なんといっても、「1999年1月23日、アメリカ・ニューメキシコ州ロスアラモスの Robotic Optical Transient Search Experiment 1(ROTSE-1)という装置によって、初めて GRB 本体の可視光画像を得ることに成功した」ことが大きい(「ガンマ線バースト - Wikipedia」)。

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← 村上敏夫著『宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト どこから来るのか、なぜ起こるのか』(講談社ブルーバックス) 「ガンマ線バーストは、電磁波の一種であるガンマ線が大量に放出される「宇宙最大の爆発」のこと。数千億の星を集めた銀河よりもずっと明るく輝く想像を超えた大規模な爆発です。最近では恐竜の大絶滅の原因ではないかという説もあ」るとか。「はるか遠方で起きることから、ガンマ線バーストによって宇宙の起源が解明できるのではと言われてい」るとも。過日、落合 栄一郎【著】『放射能と人体―細胞・分子レベルからみた放射線被曝』(講談社ブルーバックス)を読んだこともあり、放射能との絡みもあって、本書を昨日から車中で読みだした。 (画像や情報は、「宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト  講談社」より)

 本書を読んでいる最中、まるで小生が本書に手を出すのを待っていたかのように(! ?)、「アルマ望遠鏡の電波観測により、ガンマ線バーストが起こった数十億光年彼方の銀河から初めて分子ガスが検出された。銀河中の分子ガスと塵の意外な分布も明らかになり、宇宙最大級の爆発現象が由来とされるガンマ線バーストの発生環境を知る大きな手がかりが得られた」といったニュースが昨日、新聞に載っていたではないか(「アルマ望遠鏡で探るガンマ線バーストの発生環境」より)。
 昨日の朝刊を開いて、あまりのタイミングの良さに驚いたものだ。

 このニュースについては、「塵の向こうの巨大爆発:アルマ望遠鏡で探るガンマ線バーストの発生環境 - ニュース&コラム - アルマ望遠鏡 国立天文台」が詳しい。

 小生は宇宙の謎に関わる情報には好奇心の塊なのである。

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