耕すのは大変
富山は今日も快晴だった。やや風があったが、それがまた気持ちいい。
こんなに晴れ続きというのは、ちょっと富山らしくない。特に今年は冬の間も、晴れ渡って、立山連峰の雄姿がくっきりという日が多かった。
← 高橋松亭 『市野倉(いちのくら)』 「(1922.2 Size (H x W) cm:24.0 x 36.4 Image Source: Robert Muller) 小生は市野倉に住していた。子母沢寛が住んでいた子母沢とは隣り合っている。(画像は、「Shôtei.com Shôtei Gallery」より。高橋松亭のことなら画像も含め、ここ!)
冬の北陸(富山)というと、鉛色の空、曇天続きというのが当たり前のはずなのだ。
晴れて嬉しくないわけはないが、例年と違う気候というのが気にかかるのである。
今日も、畑や庭仕事に精を出した。前日の営業が意外なほどに忙しく、帰宅が未明の三時半過ぎ。ビスケットだけ齧って、一時間以内には寝床に潜り込んだ。
いつもなら、遅くとも三時までに帰宅し、ちょっと前まではソバかウドン、今は自制して、オレンジかトマトを齧るのだが、ビスケットとお茶を喫するだけで就寝する、それほどくたくた。密度の濃い仕事だったのである。
週末の金曜日の夜だし、歓迎会やらいろいろあったのだろう。夜半ごろには、繁華街にも駅にも空車のタクシーが見当たらないほどになっていた。無線でタクシーを呼んでも、数十分待ちの状態が、夜半を跨いで数時間、続いた。
消費税率が上がった今月は、日中は仕事は怖いほど暇である。昨日の金曜日も日中は暇で、夜だけ、そうほんの一時だけ忙しかった。夢のような夜だった、で思い返されるのかも。
日中の待機時間を使って、子母沢寛著の『勝海舟 第一巻・黒船渡来』をせっせと読んでいた。
仕事の合間を縫っての読書で140頁余りも読めてしまった。大衆小説とはいえ、これほど読めるってのは、嬉しい悲鳴とも言えないだろう。
お蔭で頁も残り少なくなったので、あとは自宅で読み通した。第一巻を予想より早いペースで読了と相成った。
黒田官兵衛が大河ドラマで放送されているが、名参謀ということで、勝海舟にも改めて関心が呼び起された。
子母沢寛の手になる、勝海舟の伝記風な小説で、ある種の英雄譚であり、読んでいて面白い。
一巻が600頁以上。それが全六巻ということで、大衆小説とはいえ、仕事の合間に読むにしても、かなりの日数を要しそう。
子母沢寛には、『父子鷹』という有名な小説があり、こちらは大部とはいえ、一冊本であり、こちらを読むという選択肢もあって、どちらにするか幾許の迷いもあったが、やはり、勝海舟にじっくり付き合うという楽しみを堪能しようと思った、その選択は間違っていなかった。
時代と寝るようなつもりで、読み続けていきたい。混迷の時代、危機の時代。今も日本は将来を左右する危機の時代の渦中にあるのだ。
そうそう、本書は、大河ドラマ『勝海舟』原作なのである。大河ドラマは幾つか見たが、このドラマは好きだった。
余談だが、「筆名は居住地の東京市大森区新井宿(現在の東京都大田区中央四丁目)子母沢より」というのを、今日初めて知った。
小生は6年前の早春まで、新井宿に暮らしていたのだ。知らなかった。近所に子母沢寛が住んでいた! 知っていたら、散歩がてら、辺りを歩いて回ったものを。惜しいことをした。
ちなみに、この子母沢には、旅情詩人と呼ばれた版画絵師・川瀬巴水も居住していた。
← 子母沢寛/著『勝海舟 第一巻・黒船渡来』(新潮文庫) 「時は幕末・維新の動乱期、近代日本の運命を背負った勝海舟の半生を、同時代に輩出した幾多の英傑たちとともに描く大河小説」で、全六巻。 (画像は、「子母沢寛『勝海舟 第一巻・黒船渡来』|新潮社」より)
今日は快晴微風ということで(但し、帰宅が遅かったので、時間が窮屈になった)、庭仕事やら畑仕事に精を出した。
昨年の晩秋までに刈り込んだ枝葉が庭のあちこちに積み上げられたままだったのを少し、整理し、袋詰め。
自宅の庭先を燃えるゴミ置き場として提供している。燃えるゴミや刈り込んだ枝葉や包装の箱などを回収の日の朝に出す。
そこにカラスなどに食い散らされないようにネットを張るのが持ち回りの当番の務めとなっている。
ネットは当番の方が、当日早朝に張る。当然、ゴミの回収が終わったなら、やはり当番の方がネットを片づけ袋に詰めて、次の当番へ引き渡す。
小生もその当番の一人だが、仕事柄、早朝やら夜半過ぎ…というより未明にネットを張ったり回収したりする。
真っ暗な中、立木などに結びつけたネットを外して折り畳み、袋に詰めて、次の方へ、という作業は結構、面倒。
なので、どうせ我が家の庭先をゴミ置き場にしているのだから、ネットは庭先に張ったままにしておくことにした。
見栄えなど、今さら乱雑気味の我が家の庭の印象が悪くなることもない。
ただ、ネットを張ったままだと、我が家の庭先をゴミ置き場として提供するわ、ゴミを回収した後の片づけ(掃除)も吾輩が担うことになり、踏んだり蹴ったりである。
なので、ゴミ置き場は提供するし、ネット張りの手間も失くする代わり、ゴミ回収後のゴミ置き場のちょっとした掃除だけは、当番制のままに行ってほしいと思っている。そうでないと不公平である。
→ 子母沢寛が住んでいた新井宿(あらいじゅく)。高橋松亭の手になる版画である。「Shôtei.com Shôtei Gallery 」より。
さて今日のメインの仕事は、畑仕事。表の畑を鍬やシャベルでせっせと耕した。
ドクダミの巣窟となり果てている畑だが、冬の間はブルーシートを張って、ドクダミなど雑草の成長を少しでも遅らせていた。さらに、シャベルで土を掘り起こし耕すことで、ドクダミの根っこを可能な限り断ち切ろうと試みた。
ドクダミの繁殖力に比べたら、儚い抵抗に過ぎないが、何もしないで生るがままに放置するよりはましのはずである。
しかし、今日は表の畑の四分の一を耕すだけで、精根尽き果ててしまった。人力で耕すというのは、特に我が家の荒れ果てた畑だと石ころやら何やらが土の中に混じっていることもあって、なかなかに大変な作業なのである。
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