木蓮は一億年の夢と咲く
我が家の近所の家の庭には、白木蓮の木が一本ある。四月早々だったか大ぶりの真っ白な花が開花。
花びらが散るごとに路上に舞う。時には我が家の庭にも舞い込んでくる。
開花が済むと、葉っぱが芽吹いてくる。
「開花しているときの風景は、白い小鳥がいっぱい木に止まっているように見える」(「季節の花 300」より)のは誰しものようで、小生も以下のような句を詠んだことがある:
白木蓮小鳥の憩う宵ならん
我が家の庭にも木蓮の木が一本ある。白木蓮にやや遅れて、先週末だったか蕾が。それが今週末にかけて一気に開花した。
庭と言っても、裏庭なので、人目にはつかない。花が見事に咲いても、気づく人はいないかもしれない。
せっかくなので、木蓮について調べてみた。「モクレン - Wikipedia」によると、我が家の木蓮は、「花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)の別名」なのかもしれない。
「中国南西部(雲南省、四川省)が原産地」だという。
ところで、「木蓮」について調べていて、その記述に驚いたことがある。
「香水の材料としても使われる」とか、「欧米では椿(つばき)類、躑躅(つつじ)類とともに3大花木とされている」というのはともかく、「季節の花 300」によると、「木蓮は、地球上で最古の花木といわれており、1億年以上も前(!)からすでに今のような姿であったらしい」とあること。
ネットを検索してみると、これを真に受けての引用や驚きのコメントが多々見受けられる。
小生としては、根拠が欲しい、確かめたい。
すると、下記のサイトが浮上してきた:
「Special Story:花をつけないシダ植物で花の起源を探る-BRH - JT生命誌研究館」
「被子植物の存在が明らかに確認できるのは、白亜紀(約1億4000万~6500万年前)の初頭であ」るとか。
その上で「被子植物のもっとも特徴的な形態である花は、いつどのようにして形作られたのだろうか。これに答えるべく、世界中で花(あるいは果実)の化石が探し求められている」という。
花の化石! 幹や枝葉はともかく、花の化石なんて発想は小生にはなかった。
「花は化石になりにくいが、それでも1980年以降さまざまな化石が見つかり、原始的な花はいかなるものか、どのようにして多様化してきたかなどがわかりはじめている」というのだ。
← 裏庭の紫木蓮。庭仕事に汗を流した小生の眼福である。
約1億2000万年前から「約1億年前までの間に、モクレン目の花や、DNA解析からもっとも原始的な現生植物として注目されているマツモ科(モクレン亜綱のスイレン目に属する)の果実など、かなり多くの化石が出現するので、被子植物の進化は白亜紀初めに急速に起こったと考えられる」とか。
同上の頁には、「北海道産白亜紀後期(8000万年前)のモクレン目の化石」の画像が載っていたりして、興味津々である。
動物もだが、植物も生きた化石があるわけで、その一つを我が家の庭で垣間見ているなんて、感激だし、想像が膨らむばかりである。
ということで、一昨日、「木蓮は一億年の花と咲く」なる句を詠んだわけである。
ここでは、ちょっとだけ手を加えて:
木蓮は一億年の夢と咲く
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