木蓮は一億年の花と咲く
前者は、ドストエフスキーやチェーホフ、ガルシン、有島武郎、夏目漱石、太宰治、川端康成、埴谷雄高、小泉八雲などなど。
後者には、マンの『魔の山』、メルヴィルの『白鯨』、ドノソ『夜のみだらな鳥』、島崎藤村の『夜明け前』、フォークナー、島尾敏雄『死の棘』などがあり、中でもマルケスの『百年の孤独』はその典型だ。いずれもこの十数年のうちに、自分の中で再評価され、忘れがたき作家となったのだ。
→ 表の庭の中に咲く花々。丹精込めていない花ほど、毎年、元気に咲いてくれる。
徐々に感銘を深めていったのは、典型はトルストイか。あるいは、ル・クレジオも、小説を何冊も読むようになったのは、近年という意味では、後者組の一人かもしれない。
これらの作家のうち、同時代というのは難があるとしても、多少は生存した年限が重なるのは、日本では埴谷雄高であり、海外ではマルケス(あるいはドノソ)くらいのものか。
マルケスの作品は小説はもちろん、自伝も含め、翻訳されているものは大概、二度は読んでいる。この程度では、愛読者とは呼べないだろうが、遅読の小生には(自分の中で)ファンを自称したくなる。
これからも、間違いなく読み続けていく。
← 子母沢寛/著『勝海舟〈第2巻〉咸臨丸渡米 (改版)』(新潮文庫) 「開国か攘夷か。黒船の威嚇を背景に条約締結を迫る列国を前に、国論は真二つに分断された。折しもオランダから到着した新造艦咸臨丸。この日本初の遣米使節艦艦長として、勝は安政7年、福沢諭吉、中浜万次郎らを率い渡洋の壮途につく」。本日、読了。明日からは第三巻へ。
幸い、「ガルシア・マルケス氏に未刊行小説 「8月に再会を」」(朝日新聞デジタル)といった情報もある。
刊行は遺族の意向次第だということだが、間違いなく、近いうちに翻訳が出るに違いない。
虎は死して皮を残し、作家は死して遺作を残すわけである。
→ 裏庭の「木蓮」がいよいよ開花。日陰だし、表の通りからは見えない。それでも、ちゃんと咲くんだよね。「木蓮は、地球上で最古の花木といわれており、1億年以上も前(!)からすでに今のような姿であったらしい」とか(「季節の花300 木蓮」より)
思えば、「同氏が最後に刊行した小説は今のところ、川端康成の「眠れる美女」に想を得た小説「わが悲しき娼婦(しょうふ)たちの思い出」(2004年)となっている」というのも、不思議な話。
上掲の「8月に再会を」は、「わが悲しき娼婦たちの思い出」以後に書かれたのだろうか。気になるところだ。
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