制服のボタン騒動顛末
先週末の営業の日のことだった。
朝、いざ仕事場へと、営業所で車に乗り込んだ。
なんだか、胸元…お腹の辺りが心許ない。
← 「クローバー ニューデスクスレダー」 (画像は、「【楽天市場】クローバー ニューデスクスレダー 楽天プロダクト」より)
ふと見ると、制服の胸のボタンが取れている。制服が前で開いたまま。
幸か不幸か、その日は寒く、朝方、雨も降っていたので、雨用のジャンパーを羽織っていた。
普段は、ジャンパーは雨や雪でもジッパーは(洗車の際を除いては)閉めたことがないのだが、その日はジッパーをしっかり。
制服も、リラックスしている際には、ボタンも留めなくていいのだが、営業中はそうもいかない。何だか、瓶の蓋が閉まらないような心許なさが終日、あった。
ネットで、制服のボタンが取れた、何処で取れたか分からず、ボタンも紛失、なんて呟いたら、ネット上で、昔、制服のボタン(第二ボタン)を(高校の)卒業時に、女生徒が好きな男子生徒に求める、なんて流行があった、なんて話で盛り上がった。
実際、斉藤由貴の歌唱で「制服の胸のボタンを 下級生たちにねだられ頭かきながら逃げるのね ほんとは嬉しいくせして♪」なんて歌「卒業」も流行ったものである。
それはそれとして、制服のボタンが取れっ放しでは営業に差し支える、困ると、ふと、そういえば今では着なくなっている背広がある。その中に、似たような色合いのボタンが見つかるかもと物色してみたら、ほぼ似たような感じのボタンが見つかった。
どうせ当分は背広を着る機会もないだろう(実際、6年前の帰郷直後に面接で着たのが最後)と、ボタンを一個、取り外し、制服に取り付けることに。
ところが、である。それから悪戦苦闘が始まった。
取り付けるも何も、その前に、針に糸が通らないのである。針は数種類あるので(もう、数十年昔、入手した年代ものの針セット)、その中から針穴の一番大きなものを選んで、黒い糸を通そうと試みた。
老眼鏡の力もあって、針の穴に糸の先が当たっているのは確認できる。
が、針の穴を通そうとすると、糸の先端がばらけてしまう。鋏で先端を何度も切って、できるだけ鋭利になるようにセットする。あるいは糸の先を舐めて指でくるくる巻いて、少しでも尖らせようとする。
でも、ダメで、糸を通そうとし始めてから30分以上を経過して、やっと通った。
年々…というか、そんな作業を試みるたび、手間取る度合いが強まっているような気がする。
制服にボタンを取り付ける作業自体は、あっさり終わった。ちゃんとしたボタン付けの手順に従っているわけじゃなく、ただ糸を何重にも巻いて落ちないようにしただけ。誰も近場で観察する奴もいないだろうし。
ネットで、針に糸を通すのに時間が掛かった、なんて愚痴を書いたら、やはりネットで、「糸通しがワンタッチでできる、糸通しの苦手な人に便利な針」のソーイングセットがコンビニでも売っているという情報を頂いた。
おお、そんなものが売っているのか! 感激である。同時に、そうか、同じようなことで難儀している人が世の中に多いんだなと納得したものである。
目の不自由な人、指先の器用さが覚束なくなった人、などなど。
小生に知恵や先見の明、があれば、そんなソーイングセット(スレッダー)を発明して一財産をこしらえるところだが(実際、そんな苦労は何十年も前から経験してきたことだし、親だって苦労していたのを目の当たりにしてきたのだ)、そんな機敏な資質が吾輩にあるはずもなく。
→ 斉藤由貴「卒業」 (作詞:松本隆 作曲:筒美京平) (画像は、「Amazon.co.jp: 通販」より)
ところで、そういった情報が即座に得られるというのは、ネットの強味であり、ありがたいが、珍しくもないことだろう。
驚いたのは、その翌日の朝刊だった。
吾輩が針の穴に糸を通すのに苦労していたなんて愚痴ったその翌日の朝刊(3月9日、朝日新聞朝刊)に、「そばに置きたい」というコラムがあり、そのテーマがまさに「糸通し ボタンを押すだけ」だったのである。
あまりの偶然、グッドタイミングで、思わず目を疑ってしまった:
「(そばに置きたい)糸通し、ボタン押すだけ:朝日新聞デジタル」
まあ、そんな他愛もないことに一喜一憂する吾輩であった。
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コメント
ボタンの穴に糸を通す、うちの母も難儀していたっけ。
ふと、思い出すなあ。
我が中学校は、国立ということで、男子も中学一年生と三年生に当時から家庭科があったのです、実験校だったのですね。
親からは不評で、なぜ男の子が家庭科やるのかと文句もきたと言いますが、今では家庭科男子も必修ですからね。
家庭科やった割には自炊も出来ない僕ですが。
明日、東日本大震災、三年、あっという間ですね。
投稿: oki | 2014/03/10 22:50
okiさん
震災から3年。マスコミなどでは、関連の番組が目白押しですが、今日、そして明日と減っていって、もう、一気に忘れ去られる。必定。
だって、かの戦争の悲惨さえ、一般においては忘れ去られ消し去られつつある。
今の自公というタカ派政権は、戦争を忘れた、あるいは知らない世代が圧倒的だという現実をいいことに、歴史を作り替えようとしている。
従軍慰安婦だって、実際の被害者はほとんどが亡くなったか、そもそも、名乗りだすはずもない。
名乗り出たら、右翼やタカ派の連中に袋叩きの目に遭いますから。
家庭科。昔は男は外、女は内ってのが当たり前の世の中でしたから、男は家事ができなくても許されていた。
でも、今はそんな言い訳が通用する時代じゃない。
男だからとか女だからじゃなく、得意だから好きだから必要だから家事をやる、切らない人は女だろうとしない。
それだけのこと。
小生も、好き嫌いなど言ってられない。家事も畑も庭仕事もやる。裁縫だって。
やるしかないわけですね。
投稿: やいっち | 2014/03/12 21:57