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2014/02/27

夢二題

 昨日は仕事を早めに切り上げて、夜の九時過ぎには帰宅。
 日中は暖かく、車の暖房も最低限にしていたのだが、それでも日差しを浴びると車内は暖房が効き過ぎるんじゃないかと思われるほになる。
 日陰に入ると、さほどでもなくなる。

Sscn6793

→ 哲人の風情

 九時過ぎだったかに帰宅しても、ストーブの前は素通りで、着替えを終え、仕事の道具類を片づけ、夜食の準備などして、食卓に着いて、ふとストーブに目が向いた。
 やはり、スイッチをオンにするか、である。
 前日までとは大違いだ。

 スイッチを入れると、いきなり12度。それまでは、夜半前だと数℃。早朝だと、それこそ4℃だったりする。吐く息も白い。
 一気に季節は春に向かうのか。
 しかし、富山は雪国である。たまたま今年は降雪が極端に、それこそ異常なほどに少なかったとはいえ、まだ二月なのだ。まだまだ油断はできない。
 三月どころか四月にだって、季節はずれの雪がドカッと降ることがあるのだと、覚悟はしておかないと。
 気が抜けたところにドッと降ると、気持ちがめげるのだ。
 
 というわけで、通常なら帰宅は夜半を回って、丑三つ時前後なのが、夜の九時過ぎということで、夜が長い。
 録画しておいたテレビ番組を観つつ、夜食を摂り、ネットを軽くサーフィンし…と、ダラダラ凄し。夜半前後に就寝。
 
 そこまでは別にどうってことはなかったが、早朝にかけて、二度、夢で目覚めた。
 一度目は四時半過ぎ。二度目は六時半過ぎ。
 どちらも、かなり淋しい夢だった。なので、ほとんど忘れた夢の断片だけでもメモって、気を紛らそうとしている。
 
 一つ目の夢は、何処かの四畳半の部屋。学生時代の仲間内のアパートなのか、それともやはりオレの部屋だったか。
 四角い部屋は、窓が一つあるのが見える。あとは壁か。出入り口は見えない。オレは部屋の隅で固まっている。
 集まっているのは、学生時代の四人組である。なぜかオレなんかより、遥かに優秀な連中ばかりである。それぞれの高校のトップクラス。オレは平均付近をうろうろしている平凡な奴。なのにオレの友達になってくれた三人は、オレには圧倒的な知能に内心委縮するばかりだったっけ。
 そんなオレとの四人。
 当時、中国で糾弾されている幹部を中国当局が四人組と呼ぶ、その呼称をオレたちも集まるのはいつも四人であることにひっかけ、オレは勝手に内心で四人組と呼んでいた。みんなにはそんな呼称など堅苦しくて黙っている。
 そう、オレは部屋の片隅で固まっていた。
 その日はみんなオレのために集まってくれていたのだ。そう、今日はオレの誕生日。
 祝ってほしい、でも、祝ってほしくない、何もめでたいことなどないのだし。オレは勝手にだんまりの蟻地獄に嵌りこんで、どこまでも暗くなっていく。
 オレの態度が他の三人に伝わっていく。
 誕生日なのを他の三人は分かっていて、わざわざ集まってくれた、でも、肝心の当人であるオレが誕生日だってことをまるで口にしない。なので、祝っていいのかどうか、判断が付きかねているのだ。でも、祝いたい気持ちはいっぱい溢れている。
 オレ次第なのだ。でも、なぜかオレは頑なに黙り込んでいるばかり。
 部屋の空気も凍て付いていくばかり。

 覚えているのはこれだけである。何のドラマ性もない。脈絡もない(あったかもしれないが、忘れた)。
 ただ、目覚めた瞬間、どうしようもなく淋しかったのは確かである。

Sscn6791

 二つ目も、目覚めた瞬間、夢の大半を忘れた。
 何処かの広い空間。何かのイベントがあり、そのための衣装や道具類を作っていた部屋(サンバカーニバルのための待機の部屋?)。
 イベントは終わったようだ。早々に帰ろうとするオレに、聞こえよがしに誰かが片づけもあるから手伝わないと、などと言う。
 もしかしたらオレのためのイベント(誕生日会)だったのかもしれない。でも、オレのせいでイベントは低調なものに終わった、そんな息苦しい雰囲気が濃厚に漂っている。なのに、オレがさっさと帰ろうとするものだから…。
 手伝うふりをしながら、誰の目も離れた瞬間に、自分の荷物を集め、慌ただしくその広い部屋を後にした。
 あれっ、あの大事な水色のあれは、バッグの中に仕舞いこんだっけ?
 でも、急いでいるので、中を確かめる余裕などない。
 なかったら、町へ出て買いに行けばいい。
 そとは明るいように見えたのだが、土砂降りの雨だった。目を開けるのも辛いくらい。傘など持っていない。そんなことより、とにかく、その水色の何か(マフラー?)を買いにいかないといけない。
 それこそバケツをひっくり返したような雨の中、繁華街を目指して駆けだした。
 真昼間で、明るい。日も差している。なのに、豪雨。頭に新聞か何かを被って、何処かを目指して突っ走った。
 水色の何かを早く手に入れないと、という焦燥感。
 
 あまりに細切れで、夢の脈絡や全貌どころか、断片さえ、拾い集めるのに苦労。
 だけど、淋しいという感覚、気分だけが濃厚に残ったことは事実である。

 そう、昨日26日は吾輩の誕生日だったのである。
 もう、これで20年以上、誰からも祝ってもらったことがない。独りぼっちで誕生日を過ごす。
 今年は還暦。今さら誕生日がどうだとかなんて、どうでもいいようなことだけど、この年になって独りぼっちってことじゃなく、ずっと独りぼっちってことに一抹どころじゃない淋しさを覚える。
 心をほんの少しでも分かち持つ相手をただの一人も持っていない人間って、さて。

 春の到来を思わせる陽気そして哲人の風情が漂うシラサギだけが誕生日祝いだったのかなー。

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コメント

お誕生日おめでとうございます!
還暦、お祝い申し上げます。
元気で今年もお誕生日を迎えられたのが、なにより、おめでたいことだと思います。
ブログを3つも運営されて、すごいなと思っております。
寒いと気持ちも冷えてしまいますので、暖かくしてお過ごしくださいね。

投稿: ふうちゃん組 | 2014/02/27 21:49

今晩は (◎´∀`)ノお誕生日おめでとうございます。心からお祝い申し上げます

投稿: 赤津姫 | 2014/02/27 22:05

ふうちゃん組さん

コメント、メッセージ、ありがとうございます。
馬齢を重ねてとうとう還暦です。
自分がこんな年になるなんて、昔は夢にも思わなかった。
還暦ともなると、知恵も経験も豊富なお年寄りと思っていたのに、少なくとも自分は、精神年齢もガキのままです。
でも、社会的には60歳。責任は重いはず。
とにかく、第二の人生をちゃんと生きたい。

投稿: やいっち | 2014/02/27 22:05

赤津姫さん

メッセージ、ありがとう!
誕生日に寄せる想いについては、翌日の日記に書きますので、気が向いたら読んでみてくださいね。

投稿: やいっち | 2014/02/27 22:11

やいっちさん!!

お誕生日おめでとうございます。
そして大変ご無沙汰しております。
(ほぼ毎日ブログは拝見しておりますが・・)

これからも素敵で知的なおじさまでいてくださいませ。笑

投稿: のえるん | 2014/02/27 22:20

お誕生日おめでとうございました!
現実の世界では祝ってくれる方がいらっしゃらないのは、僕も同じです。
弥一さんは、還暦ですか、僕は46です。かなり離れているんだなあ。
ところで、東京都では、アンネの日記、図書館の所蔵が、多数破られて、今度は、池袋ジュンク堂、本屋のアンネまで破られるという事件が起こっています。
誰が何の目的でやっているのかわからないから、不気味。

投稿: oki | 2014/02/28 00:31

のえるんさん

メッセージ、ありがとう!
嬉しいです。

たまには、コメントをくださいね。もらえると嬉しいのです。
これからも、ボチボチ、頑張っていきます。

投稿: やいっち | 2014/03/01 21:39

oki さん

メッセージ、ありがとう。こんな小生ですが、気が付けばあっという間に還暦です。

アンネの日記だけじゃなく、杉原関連の本などユダヤ人に関連する書籍が被害を受けている。
日記だけならアンネの日記に焦点を合わせないといけないけど、ユダヤ関連となると、思想(という名に値するかどうか分からないけど)的な問題も関係するかも。
犯行は被害の大きさを考えると、単独じゃなく、集団でしょうね。
犯行は外人じゃなく、日本の中のネオナチグループが考えられるけど。
これだけ犯行が頻発連続しているのに、掴まらないってのも、変。

投稿: やいっち | 2014/03/01 21:46

 夢二と有ったので竹久夢二かな? と想って紛れ込みました。 誕生会は小学校位までが楽しく後は稼ぎ時を過ぎ馬齢を重ねて行きますがノンレム以外の浅い時に夢を見るが、、 -私は殆ど忘れていますがー個人差大ですね、、

投稿: 平名 | 2014/03/04 13:29

平名さん

紛らわしいタイトルで失礼しました。
ちょっとそこまでは想像が及ばなかった。本ブログでも、昔、夢二を採り上げたことがあるのですが。

夢は目覚めた瞬間、ほとんど全部、忘れちゃいますね。
覚えているのは、最後のほんの幾つかの場面、断片だけ。

それらを拾い集めて、一応のストーリーらしいものを書き連ねる。
思い出す試み自体が結構、面白いんです。

投稿: やいっち | 2014/03/05 03:45

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