最新のドライブレコーダー導入へ
今月になって、我が社の車には、新しい料金メーターやカードリーダーが装着され、今また、ドライブレコーダーなどが搭載されつつある。
新しい料金メーターは、自動日報システムと連動しており、料金メーターを実車にすると、乗った地点が自動的に記録され、清算支払ボタンを押すと、到着地も記録される。当然ながら、料金も液晶メーターに表示されるし日報にデータとして記録されていく。
→ ドライブレコーダー (画像は、「DREC3500mkII - DREC3500|ドライブレコーダー|ECLIPSE」より)
なぜか、男女それぞれの人数も記録する(こちらは運転手が入力する)。なんのためにカウントするのか、記録するのか、説明はないが。
客の都合であちこち寄り道した場合(相乗りの客とかコンビニとか)、経由地ボタンを押すと、経由した地名や時間も記録される。
割引、チケット、カードの利用も細かく記録されていく。
データは全てデータカードに記録され、営業所の窓口にある専用の機械にデータを読み取らせ、日報が自動的に印字されるわけである。
冒頭でカードリーダーというのは、このカードをリード(読み込む)機械である。
今まではカードのデータを運転手がカード用チケットに手書きしていた。
なので、仮に偽物(使用不可)のカードでも、センターとの交信がなされないので、そのまま信用してカード利用してもらうしかなかった。
富山だと、せいぜい数千円だから、仮に被害があっても大事にはならないが、たまに、新潟や名古屋、高山、金沢、京都といったお客さんもあるわけで、そうすると数万円という金額になり、使用可のカードかどうかの認識が重要なのである。
富山では、カードを使えるタクシー会社は少ないので、わが社はそれが数少ないウリ、なのである。
新料金メーターやカードリーダーについてもいろいろメモりたいことがあるが、今日は、今まさに導入されつつあるドライブレコーダーについて、メモっておく。
まずは、ドライブレコーダーの歴史から(ちなみに、「ドライブレコーダー」は和製英語だとか。正式には、「イベントデータレコーダー - Wikipedia」のようである)。
「イベントデータレコーダー - Wikipedia」によると、「タクシーや運輸業などでは、事故の瞬間に何が起きたのかを事後に客観的に把握できる形で記録する装置は、日本において21世紀初頭頃まではせいぜいタコグラフしかなかったが、2003年頃に映像記録型ドライブレコーダーが実用化されたことで状況が変化した」という。
おお、タコグラフ! 懐かしい!
小生自身は、東京でタクシードライバーだった頃、その最後の数年だけ、ドライブレコーダーを経験したことがある。
それは、フロント面の頭の部分に搭載し、ビデオに映すのは、前方だけである。
ビデオはずっと記録され続けるが、メモリーの都合もあり、一定時間を超えると、ドンドン、上書きされていく。
当然ながら、ビデオのメモリーに最終的に残るのは、最後の一定の時間分だけである。
ただ、事故が発生すると、事故の衝撃でスイッチが機能し、衝撃の前後10秒ほどが記録保存される。
確か、一日で数回(十回ほど?)の記録がその後、運転が続行され上書きされても、残っている。
なので、ドライブレコーダーは日々回収され、配車室などで解析される(こともある)。
実際には、事故があれば、その時点で、営業はストップし、レコーダー(メモリーカード)も機械から抜き取る。
あとで、事故の報告の際、そのビデオ映像で責任の有無や過失の度合いなどの判断材料になるわけである。
東京でのドライバー時代、月に一度の会社側主催の集会で、自己映像の放映も見る機会が与えられる。
事故の生々しい映像を見るわけで、下手な映画など問題にならないほどの迫力である。
とにかく、生々しいのだ。どうしてこんな不注意な、無謀な連中が世の中にいるのだろうと、衝撃を受けるほど、無頓着な走行(自転車であれ、歩行者や車であれ)がありえるのかと、驚くほどである。
さて、「導入したタクシー会社や運送会社では、導入以前よりも事故率低下の傾向が挙げられている。これは、事故を起こさずとも、規定の設定の加速度が車体にかかるケース(急発進・急ブレーキ・急ハンドル)においても、事故の際と同様に映像と音が記録されることによって、運転手が客観的に自分の運転の危険性を認識することができることに対する乗務員の心理作用が影響し、不適切な運転動作の抑止効果があるとの説がある」という。
事故の未然の抑止効果があるわけだ。
当時のものは、前方をそれもせいぜい、事故の前後十秒ほどを録画するだけだったが、現在導入中のドライブレコーダーは、十時間たっぷり録画できる。十時間経つと、どんどん上書きされていく。
レコーダーの図体は変わらないのに、メモリー容量の増大は隔日の感がある。
しかも、録画は前方だけじゃなく、車内もだし、音声までもが記録される。ボイスレコーダーの役割も果たすわけである。
それもそのはずで、交通事故が発生した場合の責任や過失の度合いの判断材料として使われるよりも(こちらも、結構、重宝する)、車内での乗務員と乗客とのトラブルを未然に回避するためであり、トラブルがあった場合、その経緯を映像と音声データで残すことで、一方的な責任追及を躱すためなのである。
よく耳にするのは、お客さんを乗せた際、客の服や手足をドアで挟んだ、怪我をした、傷がついた、汚れた、といった苦情(難癖)である。そうして脅して、運転手からカネをせびる常習犯がいたりする。
← ドライブレコーダー (画像は、「ドライブレコーダー - Yupiteru」より)
あるいは、乗務員と乗客との、言った言わないのトラブルがしばしばありえる。言葉づかいなどに気を付けるし、目的地を云われた場合、復唱するのは常識だが、これをしないドライバーもいるようである。
あるいは、目的地の勘違い、聞き違いを回避するためにも、復唱は絶対である。
そのほか、いろんなお客さんがいるとしても、どんな場合でもドライバーは相手はお客さんと心得、丁寧な応対を心がけるが、中には横暴なお客さのいる。ストレスを弱い立場の運転手にぶつけるわけである。
客商売の弱みに付け込む、あるいは不況をいいことに、無理な運賃のダンピングを強いる奴もいるわけである。
あるいは、酔っ払っていて、碌に行く先も告げられない、目的地周辺についても、最後の案内をしてくれない、などなど。
運転手として、できるだけのことはしているという証拠、アリバイが必要なのである。
さて、ドライブレコーダーで車外を録画するのはともかくとして、車内を映すことに、一般的に客(社会)は承知(承認、是認、容認、受忍)しているのだろうか。
プライバシーの問題はないのだろうか。
客側を映すという行為自体に問題はないのか、分からないことだらけなのだ。
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コメント
こんばんは。
ご無沙汰しています。
管理社会の標本の様ですね。事故や事件が多いのからでしょうね。私も半年ほど前から車にドライブレコーダーを付けました。車内は写りませんが会話は記録されます。女房に聞かれるとヤバいので気を付けています。管理社会反対です。
投稿: シゲ | 2014/02/22 21:57
シゲさん
そう、まさに管理社会そのものですね。
会社としては防衛(トラブル回避)のため、事故の映像を見せることで、事故を防止するため、なのでしょうが、車内の音声も動きも記録されるって、息が詰まります。
街中の随所に監視カメラ、あるいは隠しカメラがわれわれの行動を監視している、そんな社会になってしまいました。
この傾向は強まることはあっても、後戻りはありえない。
小生は道路(交差点)に録画のための(車のナンバープレートや運転手の顔を映す)監視カメラが案外とすんなり設置されるようになったとき、驚きました。
何時の間にやら、警察のこんな行為を法的に基礎づける法案が成立していたとは。
会社は、事故やトラブル回避(防衛)のため、こうったレコーダーを導入すると表向き、言っているようですが、そのうち、きっと、気に喰わないドライバーを追い出す(退職を迫る)ため、データを用途外使用するんだろうと思っています。
やれ、お前は待機中、エンジンを点けっ放しじゃないか、やれ、お前は営業中に煙草を何本、吸っただろうとか、お前は制帽を被っていないじゃないかとか、いろいろドライバーに難癖をつける証拠となりえる。
何処にカメラやレコーダーがあるか分からず、息の抜けない社会に変貌していきそうですね。
投稿: やいっち | 2014/02/23 04:44