電気炬燵は富山が発祥の地
昨日、ラジオから流れてくる話をそれとなく聞いていたら、富山はコタツの発祥の地、という文言が飛び込んできた。
以前、炬燵について調べたことがあるが(「電気炬燵と歩めなかった半世紀?」や「コタツムリ今昔」、さらに「炬燵について」など)、そんな話は聞いたことがない。何かの間違いではないか…と思いつつ、仕事中故、聞き流すしかなかった。
← 歌川国芳『炬燵に美人』 (画像は、「Cat-City Museum:猫と浮世絵」より)
そのあと、富山は40位とか聞きかじったが、仕事が入ったこともあり、何のことか分からず仕舞い。
早速、というわけでもないが、せっかくなので調べてみた。
富山はコタツの発祥の地というのは、どうやら(当然ながら?)小生の聞き違いだった。
但し、富山は電気コタツの発祥の地、というのは信ぴょう性があるらしい。
「炬燵 - Wikipedia」によると、「戦後、高度成長時代になって赤外線を熱源とした電気炬燵が横山良一(当時北陸電力社員、のちに北日本放送社長)の手により1956年に登場し、主流になっている」とか。
この文言からだけでは、この方が富山の方なのかどうか、定かではない。北陸電力も北日本放送も、確かに富山の会社ではあるが。
余談だが、「当初発売されていた電気炬燵は熱源部分が白かった。しかし、当時多くの人が「これで本当に温まるのか?」と疑問視してなかなか購入しようとはせず、売り上げが伸びなかった。そこで企業は熱源部分を赤くして温かさがきちんと伝わる様に見せたものを1960年頃に発売したところ売り上げが伸びた」ってのは、有名な逸話。
人間、見かけに騙されるってことなのか。
→ 鈴木春信『?』 (画像は、「江戸川柳による歳時記(冬の部)-嘯風弄月(しょうふうろうげつ)」より)
と、改めて、電気コタツと富山の関係について調べてみたら…なんと、小生、旧稿である「電気炬燵と歩めなかった半世紀?」(2008/01/12)の中で、その件について確認していたのだった!
先に進む前に、富山は40位とは何のことかというと、「都道府県別荷物量ランキング・こたつ編 」によると、コタツ保有率ランキングで、富山は40位なのだとか。
ちなみに、北海道は46位である。その理由については容易に想像がつくところだろうが、上掲サイトに説明がある。
言うまでもないが、沖縄県は保有率最下位である。これは納得だろう。
← 歌川国政『娘に猫』 (画像は、「Cat-City Museum:猫と浮世絵」 あるいはpdf形式だが、「炬燵の娘と猫」)
「番組HOT情報|KNB WEB 未来創造堂 2月16日(金)よる11:00-11:30「電気コタツ誕生物語」」が情報源である。
「電気コタツ誕生秘話」で、「昭和30年代、電気コタツを発明・開発したのは、KNB先々代社長・横山良一だった」としたうえで、以下のように説明されている:
昭和30年代、高度成長期を目前に、電気コタツは企業の開発室の中ではなく、北陸の発明王こと横山良一の自宅で開発された・・・。昭和31年 富山市
冬の団欒にはコタツが一番。孫の哲夫(鈴木励和)がコタツに頭を突っ込むのを“火の神様が怒る”としかる四郎右衛門(石田太郎)。当時のコタツは練炭などをいれた火鉢を中に置いた“置きゴタツ”や、床を掘り足元に炭を置いた“掘りゴタツ”など。コタツの中を炭の炎が照らし、ぬくもりを感じさせた。しかし、冬が来るたびに一酸化炭素中毒などが多発。事故による死者が毎年100人を下らなかった。“合理化”が口癖の良一(国広富之)は「炬燵だって電化すれば死亡事故なんておきない」と主張。良一は「魚自動両面焼き機」や「ジェット水流式自動風呂沸かし機」など、自宅で使うためのちょっと便利な数々の機器を考案していた。日本の進むべき道は“電化” “合理化” “自動化”だと信じる良一は、安全で合理的なコタツを目指し開発に取り掛かかる―。
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