住職とよもやま話
富山は今日も冷たい雨が降り続く。外仕事もできない。外出も自転車が使えないので(車で使うほどの距離じゃないし)、機動性が奪われる。
← ラス・カサス【著】『インディアスの破壊についての簡潔な報告 (改版)』(染田 秀藤【訳】 岩波文庫) 「キリスト教化と文明化の名の下に新世界へ乗り込んだスペイン人征服者によるインディオの殺戮と搾取―。残虐非道が日常化した植民地の実態を暴露し、西欧による地理上の諸発見の内実を告発した植民地問題の古典。十全な解説を付した改訳決定版」だって。
久しぶりに近所のクリーニング店へ傘を差し、徒歩で向かった。
歩いて…これはこれで楽しいものだが。
昨日は父の月命日。仕事だったため、今日、住職に来てもらって年内最後のお勤め。
お布施も普段の月より弾む。自分には痛い出費だが、今となっては、父や母と向き合うのは、こうした機会しかない。
追憶というわけではないが、しばしば父母の面影やら思い出が浮かんでしまう。夢に見ることも。生々しい場面で、目覚めた瞬間の胸の痛みや動悸はただならぬものがある。
住職は地元の知識人。読書量も半端じゃない。書庫を観たことがあるが、蔵書の量も相当なもの。
宗教的な関心もだが、政治にも関心が強くある。折々、小生に対し薫陶を試みるようだが、小生はのらりくらりである。
今日は、小生が組合の役員をやっていることを端緒に、今の時代だからこそ、組合の意義は大きいとか、今の政治動向などを語り合う。規制緩和とか、経営側に都合のいい動きが顕著だし、極端なタカ派傾向が強まっているこを考えると、野党勢力の新たな結集も必要云々。
4月の主権回復式典で、現首相らタカ派の連中が天皇の退席時に万歳三唱したことは、やんごとなき方の逆鱗に触れたとか。その日は、沖縄にとっての悲劇の日。(先代も含め)天皇の沖縄への思い入れは、並々ならぬものがあるのに。現政権はタカ派色が濃すぎるといった認識でも一致。
そういえば、今日、「悠仁さま、初めて沖縄へ 平和の礎を訪問」(朝日新聞デジタル)といったニュースがあった。
「秋篠宮ご夫妻と長男・悠仁さま(7)は10日午後、私的旅行で沖縄県入りした。悠仁さまが同県を訪問するのは初めて」とか。
「秋篠宮ご夫妻は以前から公私にわたって沖縄を度々訪問。1997年には長女眞子さま(22)、次女佳子さま(18)とともに訪れ、同墓苑に供花している」ということで、ことほどさように、現天皇たちは沖縄への思いが深く強いのである。
住職とのよもやま話の内容はともかく、住職は今は小生にとって、地元で多少なりとも知的な話題を語り合えるただ一人の人なのである。
本日、イアン・スチュアート著の『数学で生命の謎を解く』を読了。やはり面白かった。科学について、あるいは生物や自然について、つい短絡的な発想や思い込みに陥りがちな小生には、バランスの取れた的確な知見がありがたい。
← イアン・スチュアート【著】『数学で生命の謎を解く』(水谷 淳【訳】 SBクリエイティブ) 「数学は、生命の神秘を解明するために、どのように使われてきたか?イアン・スチュアートが最新の研究成果を通して明らかにする21世紀数学の最前線」といった本。本日、読了。
次に何を読むか迷ったが、ラス・カサス著の『インディアスの破壊についての簡潔な報告 (改版)』を選んだ。
「スペイン人征服者によるインディオの殺戮と搾取」の歴史的事実は、小生には、北米などでの(西部開拓という美名のもとの)白人による先住民殲滅の歴史と並んで、南北米大陸への関心の焦点の一つなのである。
小生は、マルケスやドノソへの関心もあって、中南米への関心がある。インカ帝国とかマヤ文明への興味はガキの頃に読み浸った漫画週刊誌の影響が大きい。日本も、秀吉による朝鮮出兵など、半島や大陸で碌でもないことを仕出かしたけど、スペイン人(や北米での白人)らの蛮行はその比じゃない。人間は(あるいは宗教的な思い込みや人種的偏見)は、こんなことを平気でやらかすのだ。宗教は人間の野蛮を解き放ち蛮行を正当化する口実じゃないかと思える。
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コメント
住職というのも、今は葬式仏教と化しているから、何でもお金という感じが。
うちの方の寺は、母の戒名つけるとき、院号が入ると、50万円戴きます、とはっきり言ってきたからなあ。
住職は、自殺すると地獄に落ちる、とはっきり言いましたね。
うちの親戚で、自殺した人いるけど、一応、法事はやるわけですよ、けど、心の中ではこいつは地獄に落ちたと思っている。
心がこもらない読経。
まあ、いろいろ言いたいけど、弥一さんの住職は人格者なのかな?
僕も母の夢とかみるけど、うちの精神科医は、夢という現象には、いかなる意味もない、繰り返される夢にも意味はないという考えの持ち主でしてー。
投稿: oki | 2013/12/13 22:22
okiさん
近所の住職は、カネ本位の方じゃないです。
院号にしても、数万円のお礼でした。
ただ、何にしても、宗教の世界はコストが高い。コスト意識が薄い。
たださえ、檀家が減っていて、仏教も不景気の波をかぶっているのかな。それとも、景気とは無縁の世界。
住職は人格者かどうかは分からないけど、笑顔が素晴らしい人です。それだけで、門徒が安心する、心が寛ぐかも。
小生、このところ、よく夢を観ます。
それとも、目覚めた瞬間も夢を覚えているというべきか。
体調が悪いのか、疲れて心身のバランスが崩れているのか。
投稿: やいっち | 2013/12/14 21:27