「からたちの小径」の周辺
早いもので、島倉千代子さんが亡くなられてもう一か月が過ぎようとしている。
亡くなられた頃、本ブログでも採り上げたが、どうしても気になるので、ここで小さく扱ってみたい。
← 「枸橘 (からたち)の花」 「「唐橘(からたちばな)」の略。中国や朝鮮から渡来した橘の意。ただし、「百両」で知られる唐橘とは全く別のもの」だとか。 (以下、画像や転記文は共に、「季節の花300」より)
知られているように、生涯最後のレコーディング曲である「からたちの小径」(作詞・喜多條忠 作曲・南こうせい)が12月18日に、日本コロムビアより発売予定である。デビュー曲である「この世の花」も収録されるとか。
「からたち」というと、言うまでもなく、島倉さんには「からたち日記」(作詩:西沢 爽 作曲:遠藤 実 昭和33年)という大ヒット曲がある。一節だけ示しておきたい:
こころで好きと 叫んでも
口ではいえず ただあの人と
小さな傘を かたむけた
ああ あの日は雨 雨の
小径に 白い仄(ほの)かな
からたち からたち からたちの花
デビュー曲である「この世の花」に始まって、彼女の人生を象徴するような「からたち日記」を経て、最後の曲となった「からたちの小径」と、花尽くしで通した人生だった。
彼女の声も、花びらの風に震えるような綺麗なバイブレーションが印象的だった。
思えば、「からたちの花」(北原白秋:作詞 山田耕筰:作曲)という、そのまんまという動揺も有名である。小学生の頃、音楽の時間に唄った記憶が幽かにあるが、それより、その後、何かの折にテレビやラジオから流れることがある。
子供の頃より、大人になってからしみじみとした感を覚えるようになった。
→ 「枸橘 (からたち)の実」 「枸橘 (からたち)」の別名「枳殻(きこく)」という。そういえば、「枳殻邸」(きこくてい)なんてあったっけ。
これも一節だけ、歌詞を示しておきたい:
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。からたちのとげはいたいよ。
靑い靑い針のとげだよ。
恥ずかしながら、これらの歌が大好きといいつつ、肝心の「からたち」なる花の正体が分からない。
ということで、なんとか「からたち」の正体を知りたくて、その花や実を観たい一心で本稿を書いた。
我が富山でも、近所で見ることは可能なのだろうか。
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