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2013/12/31

空っぽな心をいかんせん

 岡本 綺堂著の『 岡本綺堂随筆集』を本日、読了。
 綺堂は、明治5年に東京・芝高輪に生まれた。

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← W・B・イエイツ 著『ケルトの薄明』 (井村 君江 翻訳 ちくま文庫) 「自然界に満ち満ちた目に見えない生き物、この世ならぬものたちと丁寧につきあってきたアイルランドの人たち。イエイツが実際に見たり聞いたりした話の数々は、無限なものへの憧れ、ケルトの哀しみにあふれて、不思議な輝きを放ち続ける」といった本。ネットで、「ウィリアム・バトラー・イエーツ William Butler Yeats 芥川龍之介訳 「ケルトの薄明」より THE CELTIC TWILIGHT」を読むことができる。来年早々から車中で本書を読み始めるつもり。 (画像や転記文は、「筑摩書房 ケルトの薄明 - W・B・イエイツ 著, 井村 君江 著」より)

 小生は高輪に9年ほど住み暮らした。その縁もあって、白金台の明治学院の先生をしていた島崎藤村に傾倒したが、綺堂は小説を読んで、解説などを観て初めて知った。こういった背景を知っていたら、せっかく高輪や白金、芝、三田界隈に住んでいたんだから、もっと自覚的に地元探訪したものを。惜しいことをした。

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2013/12/30

ドアを開けて入っておいで

 何、云ってるんだ。あれは合意の上のことじゃないか。無理矢理だって? ドアを開けたのは君だろ。それを今更、どうこう云ったってさ、世間じゃ通らないぜ。な、物分かりのいい子になりなよ。会話のドアは常に開いてるからさ、また、ドアを開けて入っておいで。 (ツイッター用小説)

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2013/12/29

黄色いライン

 フロントウインドーを叩いていた雨が不意にシャーベット状になり、ついには雪に変わった。
 ヘッドライトに浮かぶ無数の白い牡丹の花びらたち。
 高い空から風に乗り風に運ばれて長い旅をしてきた。

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 多くは屋根や田圃や道路に落ちては、他の仲間たちと合流する。
 でも、中にはこのようにウインドーに衝突して砕け散り、一瞬、粉雪かと思わせ、見ると濁ったような飛沫となってウインドーを涙のように流れていく。

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2013/12/28

つぶやいてます

毛布を一枚、買ってきた。さすがに毛布一枚では寒すぎるので、追加です。

近所の方がわざわざ仏壇に供えてと仏花を持ってきてくれた。お袋は花が好きだったから と。親のことを覚えていてくれる。ありがたいことだ。仏壇に供えてお祈り。お礼に庭の ミカンを少々あげた。

新聞の書評欄。いろんな識者が今年の3冊をあげていた。合計すると数十冊。小生、その うちの一冊も読んでいない。吾輩、ちょっと古典に走り過ぎなのかな。


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2013/12/27

慰撫の夢

 一粒の音が中空に漂っている。鳴ることを忘れ光ることを夢見ている。
 音は奔騰する光の海に迷い込んでしまったのだ。

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 身を捩って己の本性を本能を抉りだそうとしている。河から上がった野犬が体を震わせて水飛沫を飛び散らかすように、音の奴も足掻いているのだろう。

 紺碧の宇宙を何処へ行こうというのか。何処から来たのか分からないというのに。
 そうか、何処かへ向かっているのではなく、その場に止まることが許されないのか。

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2013/12/25

孤独は何処に

 真冬の夕方、街道沿いの道を歩いた。年末の慌ただしい頃合いで、仕事なのか家路を急ぐのか、車のヘッドライトの放列が延々と続いている。

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← コンピュータの中に入りこんでいた「虫」の、おそらく最初の写真。 (画像は、「バグ - Wikipedia」より)

 その脇を足早に歩く。急いでいるから、というより、寒くてその気もなくても歩みがせっかちになる。
 手は懐に、ゆったりのんびりというわけにはいかない。ジャケットのジッパーを止めればいいのに、それも面倒で、次第に外気の冷たさにお腹が冷えてくる。

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2013/12/23

なぜミカンの実は黄色くなった?

 裏庭のミカンの樹からミカンの実を幾つか収穫。
 店で買うよミカンほどには甘くないけど、しつこくない甘さが逆に新鮮だったりする。

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→ ジョン・コリア作『ゴダイヴァ夫人 Lady Godiva 』(1898年頃) Herbert Art Gallery and Museum蔵 (画像は、「ジョン・コリア (画家) - Wikipedia」より)誰かの絵を連想する?

 今年は柿の木の実も豊作だった。
 というより、柿の木はずっと渋柿と思い込んでいたから、豊作だった年も、収穫はせず、取っても畑の隅に実を埋めて、それこそ畑の肥やしにしていた。
 ほんの数個だけ残して、冬の鳥たちの餌に。
 冬の鳥といっても、恐らくはカラスなのだろう。

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2013/12/22

畑から泥人形

 我が家のミカンの木からミカンの実を一個、試食。旨い。甘味も(市販のものほどじゃないけど)結構ある。今まで、酸っぱいと思い込んでいて、食べなかった。カラスの餌にしていた。勿体ない!

 弁解をしておくと、これまでは正月になっても実は緑色のままだった。実際、酸っぱかった。なので、正月の飾り物にしていた。帰郷して六年目で初めて、ミカンらしい色になった。しかも、12月早々に。今年はミカンも柿も絶好調。何故?

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2013/12/21

蒼白の闇

 雨音が聞こえている限り、ちょっと安心してられる。それが、不意に妙に静かになっていることに気付いたりする。恐る恐る外を見ると……雪! 
 立ち上がって窓外の様子を伺うと、今夜は外は静かだけど、雨が上がっただけのことだった。

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 夜、外が雪だとほんの少し嬉しいのは、窓外が明るいこと。部屋の中は、灯りを抑え気味にしているせいか、雪景色が眩しく感じられる。
 時に目に痛いほどに。

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2013/12/20

転がらない石

 時の始原を垣間見る、そんな夢を追っていた。
 心を尽くし、気を引き締めていると、張り詰めた空気をひしひしと感じた。
 無闇に歩き回り、数知れない人々とすれ違った。その一人一人に万感の思いを抱きつつ這い回った。

 心はそのたびに引き千切られるよう痛んだ。ホントに傷んでいたのかもしれない。
 人に期待し過ぎていたのだ。人に未練があったのだ。それは人の世への甘えだったのかもしれない。
 誰もが誰に対しても他人と分かってからは、私と呼ばれていたかつてのそれは石ころとなった。

 石ころだと、ようやく気付いたというべきか。

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2013/12/18

電信柱のチラシ

 ガラスの粉のような雪が曇天の空に煌めいている。
 舞い落ちるべきか否か迷っているのだろう。
 それとも、凍て付いた涙となって天から地を睥睨しようというのか。

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 透明な粉塵の粒子は、幽かに残る光を掻き集めては、その滑らかな身体で四方八方へ撒き散らしている。
 分厚い雲に覆われた空が僅かにでも薄明を恵まれているのは、天の情けなのかもしれない。
 俺は思わず天を仰いで雪の舞うのを眺めた。
 光の粒を今こそ見尽くしたいと思ったのだ。

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2013/12/16

『謎の男トマ』から『謎のトマ』へ

 予報では昨日今日と雪模様のはずだったが、霙っぽい雪が少々降っただけで、今回の寒波は峠を越したようだ。
 今日は、外仕事は何もできない、家に閉じこもって読書三昧と皮算用していたが、意に相違してあれこれ庭仕事。

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← モーリス・ブランショ 著『謎のトマ』(篠沢秀夫 訳 中央公論新社) 「ヌーヴォ・ロマンの先駆けとなった幻の鮮烈デビュー作の初版(1941)を初邦訳」だとか。

 ただ、何もしないつもりでいたので、肝心の仕事は何もできない。ミカンの収穫も、竹垣の補修も。
 ホームセンターへ行って、出来合いの竹垣を買ってきて、間に合わせの竹垣にするつもりでいるのだ。

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2013/12/14

明日はどうなることやら

 このところ、雪模様の日が続く。
 一昨日は真っ白な世界。昨日の日中は、降っても雨だったが、次第に霰や霙、やがて夜になって雪に。

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← Depiction of Spanish atrocities in the New World, as recounted by Bartolomé de las Casas (画像は「Theodor de Bry - Wikipedia, the free encyclopedia」より) ラス・カサスが著した本の翻訳本に添えられた、テオドール・ド・ブリ(Theodor de Bry)による挿画(版画)。ラス・カサス【著】『インディアスの破壊についての簡潔な報告 (改版)』(染田 秀藤【訳】 岩波文庫)にも載っている。金などの財宝に目が眩んだスペイン人による現地人に対する虐殺を縷々描く。拙稿「コンキスタドール」参照のこと。

 今朝、目が覚めてカーテンを開けてみると、白銀の世界。
 冬の世界よ、今年こそは夢で終わって欲しいと、儚い望みを密かに抱いていたが、やはり、無為な思いに過ぎなかった。

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2013/12/12

コンキスタドール

 昨日は冷たい雨。夜になって折々霙やアラレが混じるようになった。
 そして、今朝、目覚めて、やけに静かだな、もしかしてと外を観たら、案の定、雪化粧していた。

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 昨日の仕事で疲れたこともあったし(忙しくはなかった。出社が早く、体のリズムが狂ってしまったのだ)、雪模様ということもあって、庭仕事も一切、諦めた。
 垣根(竹垣)が壊れているので、何とかしないといけないのだが、来春まで先延ばしとなるか、それとも、束の間の冬の緩和の時がやってくるのかどうか。

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2013/12/10

住職とよもやま話

 富山は今日も冷たい雨が降り続く。外仕事もできない。外出も自転車が使えないので(車で使うほどの距離じゃないし)、機動性が奪われる。

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← ラス・カサス【著】『インディアスの破壊についての簡潔な報告 (改版)』(染田 秀藤【訳】 岩波文庫) 「キリスト教化と文明化の名の下に新世界へ乗り込んだスペイン人征服者によるインディオの殺戮と搾取―。残虐非道が日常化した植民地の実態を暴露し、西欧による地理上の諸発見の内実を告発した植民地問題の古典。十全な解説を付した改訳決定版」だって。

 久しぶりに近所のクリーニング店へ傘を差し、徒歩で向かった。
 歩いて…これはこれで楽しいものだが。

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2013/12/08

立山を背に畑仕事

 本日は晴天、それも快晴でお出かけ日和。けれど、吾輩は今日も外仕事。
 本日は、多少は庭仕事もやったが、主に畑仕事に汗を流した。

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→ 快晴で立山連峰がくっきり鮮やかに。雲が中腹に漂っているのが遠望できた。吾輩の撮影では焦点がぼけているのが悔しい。

 畑に張った養生シート(防草シート)だが、風が吹くと捲れる。張った当初は、プラスチックの留め具を差し込んだりしたが、これは風に弱い。それで、家じゅうの石ころやら鉢やら角材などをシートの上に載せて重しに。

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2013/12/06

「原発ゼロ」を転換 エネ基本計画案、新増設に含み

特定秘密保護法案」、与党側は、今夜はともかく、国会の会期を二日間、延長してでも、今国会で通す意思でいるようだ。

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← 過日、滑川へ行った際、色合いが小生好みの紺色のマグカップを買ってきた。これはこれでいいのだが、もうワンサイズ大きいのを探したら、色合いが似ているポットを発見。衝動買い。

 これは、「日本の安全保障に関する情報のうち「特に秘匿することが必要であるもの」を「特定秘密」として指定し、取扱者の適正評価の実施や漏洩した場合の罰則などを定めることを目指す法案」だが、重きは後半の「漏洩した場合の罰則」強化にあるように感じられる。

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2013/12/05

竹垣に縄

 今日は日中、せっせと庭木の剪定やら今年植えたばかりの木への添え木設置など行った。
 雪囲いといったちゃんとした作業は行わない代わり、杉や泰山木そして松などの枝葉を可能な限り刈り込み、雪があまり積もらないようにすっきりさせた。
 やりきったとは言えないが、自分にできることはやったかもしれない。

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→ ドウダンツツジと山茶花のツーショット

 脚立の上に登って高枝鋏を使う作業は結構、怖い。足場が必ずしも良くないし、アルミの脚立がふらつく。しかも、両腕を目いっぱい伸ばすし、中腰の姿勢だったりするので、いつかは脚立から落っこちそうな気がする。

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2013/12/04

本当に閲覧注意

 時代は自然志向のはずなのに、美白とか脱毛とかエステとか、人の体については人為的加 工がもてはやされる不思議。

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2013/12/03

「からたちの小径」の周辺

 早いもので、島倉千代子さんが亡くなられてもう一か月が過ぎようとしている。
 亡くなられた頃、本ブログでも採り上げたが、どうしても気になるので、ここで小さく扱ってみたい。

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← 「枸橘 (からたち)の花」  「「唐橘(からたちばな)」の略。中国や朝鮮から渡来した橘の意。ただし、「百両」で知られる唐橘とは全く別のもの」だとか。 (以下、画像や転記文は共に、「季節の花300」より)

 知られているように、生涯最後のレコーディング曲である「からたちの小径」(作詞・喜多條忠 作曲・南こうせい)が12月18日に、日本コロムビアより発売予定である。デビュー曲である「この世の花」も収録されるとか。

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2013/12/01

マタイの法則

「富める者はますます富み、貧しき者は持っている物でさえ取り去られるのである」

―新約聖書マタイ伝13章12節―


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→ 富山市の中心街では、昨日からイルミネーションが始まった。今年は一層、電飾の種類も増えているようだ。

 経済(学)では、これはマタイの法則とか、マタイ効果と呼ぶらしい。

 聖書を奉じる人は、この場合の富とは、心の豊かさを言うのだという。貧しき者とはだから、心の貧しい者という意味なのだと。

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