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2013/11/21

「世界で最も美しい湾クラブ」加盟目指す

 本年9月、車中で「県、世界で最も美しい湾クラブの加盟目指す」(KNBニュース|北日本放送|KNB WEB)といったニュースを聞いた。

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← 「富山湾と立山連峰」 (画像は、「雨晴海岸 - Wikipedia」より)

県は、富山湾の国際ブランド化を進めるためフランスに本部がある「世界で最も美しい湾クラブ」への加盟を目指して県庁内にプロジェクトチームを立ち上げ」たというのだ。

「フランスに本部を置く「世界で最も美しい湾クラブ」はユネスコが後援するNGOで、フランスのモンサンミッシェル湾やベトナムのハロン湾など、加盟する世界41の湾が観光振興や資源の保全で連携してい」るという。

「県は今年12月にカンボジアで開かれるクラブ総会で海越しの富山湾や蜃気楼などの魅力をアピールして加盟を申請し、来年秋に韓国で開かれる総会での正式決定を目指」すのだとか。
「加盟が決まれば日本では初めてとな」る!

 富山県人ではあるが、正直、最初はやや(ではなく相当に)意外なニュースとして受け止めた。
 富山湾には美しい風景を愛でることのできるスポットがあることは、異論などあるはずもない。
 けれど、「世界で最も美しい湾」というからには、幾つかのスポットではなく、富山湾全体ということになる。
 
 富山湾には(知る限り)遠浅の浜辺はない。
 小生がガキの頃、富山の海辺で感じたのは、たとえ海水浴のエリアであっても、波打ち際からほんの数メートルも海へ足を踏み入れると、体が沈み、首から上が辛うじて海面で波に嬲られるというもの。

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→ 雨晴海岸と立山連峰 (画像は、「雨晴観光協会」より)

 十年ほど前の夏近く、伊豆半島の熱海の波打ち際で仲間と戯れた時、遠浅の海に感激したものだった。
 大袈裟にいえば、ほとんどカルチャーショックのようなものだった。
 海というと、富山の海の体験しかないので、しかも、一気に深い海の底へ沈み込むという恐怖感ばかりが体に脳裏に刻み込まれてしまって、以来、海水浴へ行っても、浜辺で寄せては返す波を飽かず眺めるだけにとどまるようになってしまった。

 小生にとって海とはそういう怖い、得体の知れない世界の象徴だった。
 だからといって、海が嫌いというわけではないのだが、あくまで心の中で好きとか、凄いとか、豊かとか、生命の母とか、要するに敬して近寄らずで通してきたわけである。
 しかも、ガキの頃の富山の砂浜は、海水浴シーズンを別にすると、浜辺はゴミでいっぱいだし、海だって、濁っていて、透明度を云々する気にもなれないのだった。

 まあ、50年も昔の富山の海のことだ。
 季節が冬だと、鉛色の空が海を一層、沈鬱な世界に落とし込む。
 冷たい風が吹き荒れる寒々しい富山の海の冬ざれた雪の光景は、富山の原風景の一つでもある。

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← 富山県滑川市の港近くにて撮影。海の水の透明なことに感激!

 原体験の記憶の時が古すぎることもあるが、そもそも視野が狭いのかもしれない。
 三千メートル級の立山連峰が千メートルもの富山湾の深みへと、四千メートルの落差がある、その壮大さ。
 幾つもの一級河川などが齎す豊かな川の水と海の水とが織りなす汽水の幸。
 魚津の蜃気楼や埋没林などに加え、海王丸パークや新湊大橋などの新しい見どころ。

 立山での自転車ロードレースや、新湊大橋や親水公園などを巡るマラソン大会など、富山の景観をアピールするイベントも次々と計画されている。

「海越しの富山湾や蜃気楼などの魅力をアピールして加盟を申請し、来年秋に韓国で開かれる総会での正式決定を目指」すという。
 日本から宮城県の松島湾が加盟をめざしているが、さて結果はどうなるのか。

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