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2013/10/24

ドノソとデザイナーベビーと(前編)

 組合の定期大会に向けての準備作業をしつつ、時間を割いてはホセ・ドノソ著『夜のみだらな鳥』(鼓直訳 集英社)を読み続けている。いよいよ面白さの絶頂へ。というより、ドノソの文章や世界に馴染んできたようだ。
 こんな世界に浸るのは問題があるのかもしれないが。

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← ホセ・ドノソ[著]『境界なき土地』(寺尾 隆吉【訳】 水声社) 「大農園主ドン・アレホに支配され、文明から取り残され消えゆく小村を舞台に、性的「異常者」たちの繰り広げる奇行を猟奇的に描き出す唯一無二の“グロテスク・リアリズム”。バルガス・ジョサに「最も完成度の高い作品」といわしめたチリの知られざる傑作」だとか。小生は未読。『夜のみだらな鳥』を読み終えたら、次はこれだ!(画像や文章は、「境界なき土地 - ドノソ,ホセ【著】 紀伊國屋書店ウェブストア」より)

 小生は他人事ならず、ドノソの世界には(そして『百年の孤独』のマルケス世界にも)強い関心を持って向かわざるを得ない。

 ドノソの『夜のみだらな鳥』は、筒井康隆の評言を借りれば、「名門の富豪ドン・ヘロニモは生まれてきた恐るべき畸形(きけい)のわが子のため、広大な土地に息子《ボーイ》を閉じ込め、国中の重度の畸形を集めて高給で雇い、いわば畸形の楽園を作る。神父も医者もすべて一級、二級の畸形である。隔絶された楽園の周囲には、雇ってほしいための大勢の畸形がさらに集ってきて村落を作る。単にひとつだけの畸形しか備えていない三級、四級の畸形たちだ。物語のほとんどはこの畸形の園と、やはりドン・ヘロニモが所有していて放置したままの広大な修道院のふたつに終始する」のである(「asahi.com(朝日新聞社):夜のみだらな鳥 [著]ドノソ - 漂流 本から本へ - BOOK」より)。

 つい先日、「両親の唾液などに含まれるわずかな遺伝子情報を解析し、生まれてくる子供の目の色や背の高さ、がんなどの病気になるリスクを予測する手法の特許が19日までに米国で認められた」といったニュースが流され、テレビなどマスコミで話題になった(「子供の遺伝子予測、米企業に特許 「デザイナーベビー」と批判 - MSN産経ニュース」より)。
 まさに予測を利用して提供者などから精子や卵子を選ぶと、望ましい特徴を持つ子どもを生む「デザイナーベビー」につながりかねない。

Hubbleshots

→ ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた宇宙: 左上:おたまじゃくし銀河 Arp188、右上:コーン星雲 NGC2264、左下:オメガ星雲 M17 での恒星の誕生、右下:融合銀河 NGC4676 (画像は、「ハッブル宇宙望遠鏡 - Wikipedia」より)

 その前に、「出生前診断」が世情を賑わしていたが、こちらはすでに実際に行われつつあると仄聞する。
 これは、「胎児の異常の有無の判定を目的として、妊娠中に実施する一群の検査のこと」であり、「医「学の発達とともに、検査の精度が高まり検査実施時期が早まったことで、比較的高い確率で出産前に胎児の異常を発見することが可能になった」一方で、「出生前診断の結果に基づく人工妊娠中絶には、優生学的な生命の選別に当たるなどの生命倫理学的な問題があるとの意見がある」のも事実である(「出生前診断 - Wikipedia」参照)。

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