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2013/09/07

富山市の水道水の源は有峰湖

 過日、「広報 とやま 9.5」の中の、富山市長・森雅志氏の手になる「ほっと・エッセイ 水道水が最高金賞」なるコラムエッセイを読んでいたら、「富山市の水道水の源は有峰湖である」という文章に出会った。

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→ 「有峰ダム」(右岸所在地:富山県富山市有峰)  (画像は、「有峰ダム - Wikipedia」より)

 コラムでは、富山の水はどうしてこんなに美味しいのか、という発言を端緒の一つにしている。
 富山の水道水が、モンドセレクションの最高金賞を受賞したことは、既に本ブログでも触れている
 このコラムエッセイの全文を紹介したいが、そうもいかない。

 一部だけ、転記させてもらう:

 富山市の水道水の源は有峰湖である。この有峰湖から発電所導水管を使って通水され、やがて常西用水として分流された水を原水としている。有峰湖から27kmの距離を高速で流れてきた水を取水して、それを浄水したうえで水道として供給しているのである。
 まず、有峰湖の周囲の山々に注目したい。この原生林はもっぱら広葉樹林なのである。この豊かな広葉樹林対に降った雨や雪が時間をかけて有峰湖に溜まることでミネラル分が豊富な水となるのである。美味しい水道水の原点がここにある。

 さらに、「水が長い距離を速いスピードで流れ落ちてきた果てに取水されているのだから、(中略)清冽な水を得ることができる」と続くが、以下は、惜しいが割愛させていただく。

 本稿では、有峰湖(ダム)を巡って、若干のことをメモしておく。

 富山では「水の賜物」という言葉をよく耳にする。
 これは、立山(連峰)の賜物という表現の援用のようだ。
 というのも、降水量自体が日本の中で際立って多いわけではないからだ。

「富山県は3,000m級の北アルプス・立山連峰をはじめ三方を山々に囲まれ、日本海を抱くように平野が広がっています。総面積約43万haが半径約50kmにコンパクトにまとまった地形です。天然の巨大なダムである山々を水源とする豊かできれいな水は、農業をはじめさまざまな産業や発電に利用されてい」る(「とやまの農業農村整備 - 水土里ネット富山」より)。

 一方、「山から海へ急傾斜する県土を流れる河川は、滝にたとえられるほど急流で、雨量が多いにもかかわらず、雨水はすぐに海へ流れ出てしまいます。このため私たちの先祖は二千年以上にわたり、水を貯え、水路を築いて水を引き、水田を拓き整備することで大自然から恵みを得てき」たのだった(同上)。

 こうした先人らの努力の賜物でもあるわけだ。
 それもこれも、「富山県が豊かな水の恵みを受け、緑豊かな自然に囲まれ、住みよい生活を送っていけるのは、立山をはじめとする山々にたくさん雪が降るからであり、先人たちがその融け出す水を利用して様々な取組みを行い「水の王国とやま」を築いてきた努力の賜物」なのである(「雪の文化|とやま雪の文化|富山県」より)。
「いわば、雪があったからこそ、今日の豊かな富山県が築き上げられたと言っても言い過ぎでは」ないのだ(同上)。
 まさしく、富山の文化は、雪の賜物であり、立山の賜物なのである。

 富山(県)の水文化については、「水の王国とやま」を見てもらうとして、では、富山市(の水の文化)はどうだろうか。

 富山市も、大きくは、立山連峰に降り積もる雪の恩恵を受けていることは、言うまでもない。
 が、より狭く恩恵の源を辿ると、有峰湖(ダム)に行き着く。
 有峰ダム(人造湖)であり、有峰湖という名称となっている。黒部湖(黒部ダム)と同じ原理である。

 一般的には、映画「黒部の太陽」の影響もあって、黒部ダムのほうが有名だが、有峰湖(ダム)の「総貯水容量は2億2,200万立方メートルで、山を隔てて東に隣接する黒部湖(黒部ダム)よりも10パーセントほど大きい」(「有峰ダム - Wikipedia」参照)のだ。

「富山県東部を流域とする常願寺川水系は、北アルプス・立山連峰に端を発し、北方に流れ富山湾に注ぐ一級水系である。明治時代、オランダ人技師のヨハニス・デ・レーケに「これは川ではない、滝である」とまで言わしめたほど、その上流は急流で、また豪雪地帯とあって水量も豊富にあることから、洪水時には大きな被害をもたらす暴れ川としての側面を持つ一方、水力発電には適した地形であった」(「有峰ダム - Wikipedia」参照)。
「常願寺川の支流のひとつに、立山連峰・薬師岳(標高2,926メートル)のふもとを険しいV字谷を形成しながら流れる和田川がある。最上流部では盆地を形成し、古くは戦いに敗れた落人が隠れ住んだ場所ともいわれる」(同上)。
 かの盆地の地名が(当初は違う地名だったが、改名されて)有峰であり、この盆地の入口付近にダムだ作られたわけである。

 有峰湖(ダム)の建設の歴史にも紆余曲折やドラマがあり、ざっとでも触れておきたいが、「有峰ダム - Wikipedia」を参照願うことにする。

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← 有峰ダムとその周辺を下流側より望む。周辺を有峰林道が走る。 (画像は、「有峰ダム - Wikipedia」より)

 小生は、この有峰湖(ダム)を、1965年頃に、小学校(6年か)の林間学校のため宿泊している。
 有峰ダムは、「1960年(昭和35年)に完成を迎え」ているから、完成してほんの数年後に訪れていたわけだ。
 当時、恐らくは先生にレクチャーされていたものと思うが、小生の認識には欠片も刻まれていない。
 中学の修学旅行で京都や奈良へ行ったが、思いっきり漫然と旅行していたのと同じようなものか。
 実を云うと、その後、初デートの行く先が有峰湖だったし(1970年)、ご丁寧にも72年にも有峰湖の青年の家で宿泊している。
 が、勉強が嫌いで苦手な小生は、随所にあっただろう、有峰湖を説明する看板も目に入らなかったようである。

 この有峰ダムは、完成後も追加の工事がなされ、なんと「2010年(平成22年)9月には有峰ダム直下において有峰ダム発電所の建設が進められ、2011年(平成23年)11月16日に運転を開始した」(「有峰ダム - Wikipedia」参照)ということで、ほんの3年前にも、建設工事がなされていたわけである。

 
関連拙稿:
富山市の水道水、モンドセレクションで最高金賞を受賞
有峰慕情

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