中秋の月の優しさ
光の当たる領域は、明るくて、地面が白っぽい。建物や庇などの陰など、光の当たらないような一角などは、暗く沈んでいる。
夜なのに、溢れ返る光に、光の洪水、などと驚いたり感激したり。
月の光の如何にありがたいことか、月夜の晩と、そうでない夜との差の大きさを痛感させられる。
今の我々は、月の光といっても、太陽の光の反射に過ぎず…と、理屈やメカニズムが分かっていて、昔の人ほどは月光の有難みを感じられないのだろう。
それでもやはり、自然の驚異を感じずには居られない。
← 月影からやや西方向に何やら奇妙な物体が見えてきた。夜の9時過ぎという時間的にもだが、定期便の旅客機が飛ぶ通常のコースとは違っている。
南南西の空にポッカリ、満月が浮かんでいる。屋根瓦の照り返しが眩しい。我が家の古い屋根さえ、神々しく見えてしまう。まだまだ頑張るぞ! と意気地を誇らしげに伝えているようでもある。夜目のせいなんかじゃないぞ! って、訴えているようでもある。
煌々と照り輝く月。理屈はどうあれ、月そのものが光り輝いているとしか思えない。だって、太陽なんて、影も形もないのだし!
月面に描かれる陰の綾なす模様は、それこそ、青空にモクモクと湧き立つ白い雲に動物や食べ物や人の顔や姿を読み取ってしまうように、人の想像を掻き立ててやまない。現代人であっても。
秋口の月は、これからいよいよ向かっていく冬の月とはまるで違う。何も気温や風景などのせいばかりじゃなく。
以前、私は以下のように書いたことがある(「真冬の満月と霄壤の差と」):
昨夜の月はほぼ天頂にあった。そして小生はまさに天底にある。首が痛くなるほどに見上げないと月を真正面に眺めることができない。それほどに高く月は照っていたのだ。天頂にあってこの自分を見上げさせている月は、小生に影さえも与えてくれない。真冬の夜の満月は何か恐ろしいものを感じる。まして昨日は、日中、冷たい風が吹いていたし、冬ということもあって湿度も極端に低い。冴え冴えとした月を実感する条件が揃っていたのだ。
満月が煌煌と照っていたにもかかわらず、星々も東京の空とは思えないほどに煌いていた。

→ まさか、ボイジャー1号? そんなはずはない。UFOってことはなさそうだし、飛行機ということにしておこう。
そうした、真冬にこそ特有の天頂の満月とは違って、彼岸の入り頃の月は優しい。私にも影を与えてくれる。私もこの世にあって生きていて、ちゃんと光と影の織り成す世界で息衝いていることをそっと伝えてくれる。
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コメント
煌々と輝いていますね!
こちらの月より明るい気がします。
空気が澄んでいるのかしら。
月を撮るのは難しいとわかりました。
すご~くキレイに撮った方もいますが…。
奇妙な物体は何でしょう。
UFOだったらいいのにな(笑)
投稿: 砂希 | 2013/09/23 17:47
おはようございます。(◎´∀`)ノ



何時も有難う御座います。m(_ _)m
お元気のご様子。大変嬉しく存じます。
投稿: 赤津姫 | 2013/09/24 06:56
砂希さん
小生、いつかは月影を綺麗に撮ってみたいと思っています。未だに実現しない。
模様を含め、綺麗に撮るには、やはりそれなりの準備と技術が必要のようで、小生にはそんな腕前はありません。
でも、いつかは!
不可思議な物体、まあ、ご想像の通りでしょうね。
でも、二十年ほど前、夏休みに帰省した折、屋根裏部屋から、ホントに不可思議な光の集団を見かけました。
数個の光が編隊を組んで、夜空を飛び回っていた。
未だに正体不明なのです。
投稿: やいっち | 2013/09/24 20:39
赤津姫さん
来訪、コメント、ありがとう。
元気というか、年相応に頑張っています。
不必要にテンションを上げず、かといって、過度に落ち込まず、淡々と、という具合です。
赤津姫さんは、お元気ですか?
投稿: やいっち | 2013/09/24 20:41
やいっち様有難うございます(◎´∀`)ノ。年々年を感じざるを得ませんが、御蔭さまで元気にすごさせて戴いて下ります。



投稿: 赤津姫 | 2013/09/25 10:17
赤津姫さん
爽やかな秋の日々もそろそろ終わりのようです。
こういう日に、旅に行けたらなーって、思いませんか?
さて、小生には、一連の「エッセイ祈り」作品があります:
http://homepage2.nifty.com/kunimi-yaichi/introduction/rensaku-pray-menu.htm
拙い文章ですけど、いつか読んでもらえたらと思います。
投稿: やいっち | 2013/09/28 21:38