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2013/09/30

鳥類学者 想像の翼を羽ばたかせる

 川上和人著の『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』(技術評論社)を読了した。
 面白かった。
 鳥類学者が恐竜について語るのは、越権行為。

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→ イラストレーター えるしま さく さんの手になるイラスト。 本書の末尾のイラスト。ユーモラスなイラストが多い中、最後のこのイラストだけ、危機迫る(?)。筆者は自分がヒーローになって、助けに行かんとするのだろうか!  (画像は、「鳥類学者恐竜本のイラストレーター えるしま さく さん inspi」より)

 だけど、鳥類は恐竜から派生(進化)した飛翔類の一つだし、恐竜の真っ当な(?)子孫なのだから、現に化石以外に恐竜の有様や生態を知る手掛かりがほとんどない以上、ある意味、鳥類から恐竜を考えるのは、それなりに筋が通っているのでは、と、筆者は<開き直って>いる。

 専門家の世界では縄張りを厳守し、越権行為をするのは仁義に反するのだろうが、筆者は敢えて<無謀にも>、しかも大胆に(鳥類学者だからなのか)想像の翼を羽ばたかせている。

 羽毛や羽根のある恐竜の化石が中国などで、次々と発見され、近年の恐竜学そして鳥類学も大変貌を遂げたし、さらに遂げつつある。

 鳥類が恐竜の一部から派生した生き物であることは、「CNN.co.jp 中国で新種の恐竜化石発見、「始祖鳥」より原始的」など、中国などでの相次ぐ画期的な発見もあって、ほぼ定説化しつつあると云っていいようだ。
 ガキの頃、興味津々で眺めた恐竜図鑑とは、この頃の恐竜図鑑は、まるで一変しているという(小生は、生憎、見る機会を得ていない)。

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← 川上和人著『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』(技術評論社)

 羽毛や羽根もだが、恐竜の図体の色合いからして、かなりカラフルになっているとか。
 骨格などはともかく、何故、色まで推測が可能なのか。
 その秘密も、本書で触れられている。筆者に拠れば、カラフルさ加減には、いささか行き過ぎの感があるという。

 保護色的にもっと地味なカラーリングもあったろうし、逆に、仲間に(保護者である親に)見つけられやすいように、地味なカラーの図に白っぽい首元といった、我々の周辺でも見かける野鳥のカラーリングだって大いにありえる。

 図体が数十トンもある草食恐竜は、恐らくはゲップも途方もない量を発しただろう。現代でも羊や牛や豚などの出すゲップ、つまり二酸化炭素の量が膨大であるように(疑問なのは、一つの年限に何頭の恐竜が跋扈していたのか、である)。
 否、超巨大生物体である草食恐竜の出す二酸化炭素は、現代の草食動物が出す二酸化炭素の比じゃないほどなのだという。

 草食恐竜の出すゲップがゆえに、温暖化が加速された可能性もあるとか。
 とにかく、筆者の想像の翼は何処までも羽ばたいていく。空を舞う鳥のように!

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← 本書のある頁の見開き。 写真もだが、「えるしま さく」さんの手になるイラストが楽しい。(画像は、「新刊情報|鳥類学者 無謀にも恐竜を語る|STUDIO PORCUPINE」より)

 なお、本書には写真なども載っていて参考になるが、イラストを眺めるのも実に楽しい。
 イラストを担当されているのは、「えるしま さく」である。
召喚獣猫の手」なるブログがある。

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