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2013/09/21

ボイジャー1号太陽圏外へ

 昨日、ラジオのニュースに聴き入っていたら、「ボイジャー1号、太陽系脱出 地球を旅立ち35年 」(朝日新聞デジタル:- テック&サイエンス)についての説明がされていて、興味深かった。

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← 「ボイジャー1号」 (画像は、「ボイジャー1号 - Wikipedia」より)

 過日(9月12日(現地時間))、「1977年に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の探査機「ボイジャー1号」が12日、人工物体として初めて太陽系を完全に出たことが確認された。米アイオワ大とNASAの研究者らによる観測データの分析で、陽子などからなる「太陽風」の届く領域を2012年8月に抜け出たと認定された」ことは、テレビでも報じられていて、知っていたが、科学者の評価や意義を強調する熱気に心を動かされた。

 正確には、「NASAは2012年8月25日をもって,ボイジャー1号が太陽圏を離脱したとしてい」る。

 先に進む前に、そもそも太陽系や太陽圏とはを理解しておくべきだろう。
太陽圏 - Wikipedia」によると、「太陽圏(たいようけん)、または太陽系圏(たいようけいけん)、ヘリオスフィア(Heliosphere)は、太陽系の周囲の荷電粒子の泡であり、太陽風の届く範囲の空間である」という。

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→ ボイジャー1号が撮影した木星の大赤斑。 (画像は、「ボイジャー1号 - Wikipedia」より)

 その「太陽風は、粒子(コロナから放出されるイオン化された原子)と場(特に磁場)から構成される。太陽は約27日の周期で自転しているため、太陽風によって運ばれる磁場は、螺旋状になる。太陽の磁場の変化は太陽風によって外向きに伝えられ、地球の磁気圏に対しても磁気嵐を引き起こす」とか。

 ちなみに、太陽圏は、「別名"ソーラーバブル(Solar Bubble)"」とも呼ばれるらしい。

決め手は太陽からのおくりもの ─ボイジャー1号はいかにして太陽圏外と認められたのか:Nの世界 ─NASAアーカイブから垣間見る宇宙|」(gihyo.jp … 技術評論社)なる記事が興味深い。

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← 「ソーラーバブルこと太陽圏を離脱したボイジャー1号はすでに星間空間に向かって新たな旅を開始している。ボイジャー1号より2週間先に打ち上げられたボイジャー2号は現在,ヘリオシーズ(末端衝撃波面からヘリオポーズまでの空間)を航行中で,数年後にはボイジャー1号につづき,ソーラーバブルに人類による2つめの穴をあけることになるはずだ。」 (画像及び情報は、「決め手は太陽からのおくりもの ─ボイジャー1号はいかにして太陽圏外と認められたのか:Nの世界 ─NASAアーカイブから垣間見る宇宙|」(gihyo.jp … 技術評論社)より)

「2012年3月,突発的なコロナ質量放出が観測され」た。「コロナ質量放出(Coronal Mass Ejection, CME)」とは、「太陽の磁気エネルギーが巨大な質量をもったプラズマの塊として宇宙空間に放出される現象で,質量が膨大なだけでなく,そのエネルギーを保ったまま太陽風よりも速く進むという特徴があ」るとか。

「このプラズマの塊がボイジャー1号の推定位置に届くには約1年ほどかかりますが,もしそのときにプラズマ波の振動を確認できれば,ボイジャー1号が太陽圏外に出たと証明することに近づ」くのだという。
 そして、「“まるでバイオリンのビブラートのように,ボイジャー1号のプラズマ波観測装置は振動した”─NASAのリリースには当日の様子がそう記されています。2013年4月9日,NASAの研究チームはプラズマの揺らぎをたしかに観測し」たのだった。

 詳しくは、上掲の記事を読んでもらいたい。

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→ ボイジャー1号が撮影した土星。土星最接近の4日後に530万kmの距離から撮影された。(画像は、「ボイジャー1号 - Wikipedia」より)

坂村健の目旅するボイジャー」( 毎日jp(毎日新聞))なる記事がさすがに面白い。
 記事の中で特に、「ボイジャー1号はコンピューターを全部で6台積んでいるが、それでもメモリーは全部でたった68キロバイト。最近のスマートフォンの数万分の1。計算スピードは数千分の1。そういう貧弱なシステムでここまでの成果を上げられたのは、ボイジャーが遠隔でプログラムの書き換えができたからだ」という点に驚いた。

 さて気になるのは、太陽圏外に突入してのボイジャーの運命である。
 素人のイメージとしては、何もない暗黒の星間を空しく飛び続ける…だろうが、星間空間とはどのような時空なのだろうか。

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← 「ケプラーの超新星 (SN 1604) の超新星残骸。スピッツァー宇宙望遠鏡、ハッブル宇宙望遠鏡およびチャンドラX線天文台による画像の合成画像。」 (画像及び説明は、「超新星 - Wikipedia」より) 星間には、とんでもない放射線の類が行き交っているはずだ。

 研究半ばなのは言うまでもないが、太陽圏内というのは、それはそれで過酷な圏ではるが、実はある意味、太陽バブルで守られている圏だとも云えそう。
 というのも、星間においては、「超新星爆発によって発生した衝撃波によって温められた超高温(およそ1,000,000 K)な相」があり、この衝撃波が(ほとんど一切の抵抗もなく)星間を飛び交っていて、星間の物質を直撃するだろうからだ。
 太陽圏は、大気圏のバリアーのように、太陽圏内の物質や天体などを多少なりとも守っているのかもしれない。

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