« 由緒ある八田橋が危ない | トップページ | 立山砂防工事…工期は無期限 »

2013/08/29

プルーストの絵を見るのは

 最高気温が30度に達しない日が続いている。朝夕は涼しさも感じて、湿度の低さと相俟って、とても過ごしやすい。
 あの猛暑の日々は何処へ行ったのか。別に懐かしんでいるわけではないが、ほんの数℃の気温の変化に大きく左右される人間(のみならず生き物)たちを置き去りに、季節はドンドン移り変わっていく。

Sscn5127

→ 過日、仕事で金沢へ行ってきた。その帰り、小矢部SAで小憩。数年ぶりでソフトクリームを食べた。SAの片隅には、松尾芭蕉の歌碑が。

 天気がよかったし、明日以降は雨が予想されていることもあり、庭木などの剪定や草むしりに汗を流した(追記:夕方のニュースで知ったのだが、富山は刺し高気温が34度だったとか。作業に没頭していて、暑さの程度が分からないでいた。最近にしては、妙に疲れるなと思ってはいたのだが…)。
 作業の終りには、畑へ。
 あれほどの収穫を齎してくれた畑も、そろそろ峠を越えつつある。

 中一日をさぼって、中三日で収穫すると、笊に山盛り2籠だったものが、中三日でも、笊一山となってきた。
 中三日だとキュウリなど、ダイコンほどに育っていたのが、今は、ちょうどいいほどの大きさのを収穫できる。
 ナスに至っては、数個、ようやくである。

4003751132

← プルースト【作】 『失われた時を求めて〈4〉花咲く乙女たちのかげに〈2〉』(吉川 一義【訳】 岩波文庫) 表紙カバーには、「バルベック滞在の章の草稿帳にプルーストが描いた乙女」の図版が使われている。

 一方、ゴーヤのほうはまだまだ元気いっぱいで、キュウリに匹敵するほどの収穫があった。
 貰うほうも迷惑だろうから、手元に半分、残した。今夜、ゴーヤチャンプルにするかどうか、迷っている。豚肉も玉子もミックス野菜も用意してあるのだが。
 
 ベッドに体を預けつつ、それまで鬱陶しかったのが、思わずタオルケットを膝やお腹の辺りに宛がいながら、昨日の未明、『失われた時を求めて〈4〉花咲く乙女たちのかげに〈2〉』を読了した。600頁以上の分厚い本。

Sscn5125

→ 義仲の寝覚めの山か月悲し  芭蕉  (必ずしも名句とは思えないが、芭蕉の義仲への思い入れが伝わってくる。) 

 プルーストの絶妙の比喩と分析と観察の世界を飽くことなく愉しんでいる。
 今日からは、第五巻目。既刊の最後の巻となる。
 あとは、年に二度、刊行されるのを首を長くしながら待つしかない。
 そんな状態を数年、続けることになる。気を長くして!

4003751140

← プルースト【作】『失われた時を求めて〈5〉ゲルマントのほう〈1〉』( 吉川 一義【訳】 岩波文庫) 表紙カバーには、「プルーストの描いた、尾羽を広げるクジャク」の図。本書の説明には、「草稿帳の1冊「カイエ12」のなかに、べつの加筆断章の挿入箇所を示すために描かれたデッサン(以下、略す)」などと書いてある。

 ところで、吉川 一義版の翻訳『失われた時を求めて』には各巻に挿入図版(写真)が豊富で、小生のようなミーハーには嬉しい。
 各巻の表紙カバーには、プルーストの描いた絵が用いられているのも、この翻訳の特徴の一つ。
 第四巻には、「バルベック滞在の章の草稿帳にプルーストが描いた乙女」の図版が使われている。上手いのかどうか分からないが、タッチが個性的。
 第五巻にも、表紙カバーにはプルーストの描いた絵が用いられていて、「尾羽を広げるクジャク」の図が載っている。
 
Sscn5123

→ 小矢部SAの一角から平野を一望する。小矢部市には、有名な倶利伽羅峠がある。

 小生、どんな本を読む時でも、かならず広告チラシなどを使ったカバーを掛けて読む癖(習慣)がある。本を手の脂で汚さないためである。
 なので、各巻の表紙カバーの絵をじっくり眺められるのは、読み始める直前か、読了直後なのである。

|

« 由緒ある八田橋が危ない | トップページ | 立山砂防工事…工期は無期限 »

写真日記」カテゴリの記事

コメント

プルーストにハマっておられるようですね。
本に必ずカバーですか、僕は線引いたりするから本も売れない。
売れないというのは、もちろん買い取って貰えないという意味ですが。
今日は暑かったけど、確かに過ごしやすくなりました。
身体が何より軽い。
弥一さんの嫌いな富山県立近代美術館、移転するんでしょ。
東京都でも、たばこと塩の博物館、ていぱーくなど、下町へ移転ですね。

投稿: oki | 2013/08/29 20:35

okiさん

プルーストの『失われた時を求めて』を読んでいます。
現在、5巻出ていて、全体は14巻。
年に2巻の予定で刊行されますので、あと4年以上、読み続ける!

図書館から借り出した本でも、必ずカバーを付けます。汚したくないし、汚されたくない。
本を後生大事にする、貧乏人の性(さが)ですね。

富山県立近代美術館は、責任者らが政治的圧力にあっさり負ける根性なしなので、がっかりしたんです。保守政治家の脅しに屈しちゃいけない。
この美術館、駅の北側にある環水公園に移築しようと、知事が提案していました。

投稿: やいっち | 2013/08/29 21:38

この前本屋でペットボトル飲んでる女が。
何考えているのか、もし本を濡らしたらその本は売れない。
損害賠償ものですよ。
コンビニの冷凍庫に入ってTwitterに投稿する馬鹿。
刑事責任を負うべきだ。
富山の美術館も館長とか変れば、美術館にも変化出て来るかと思うのです。

投稿: oki | 2013/08/29 22:11

okiさん

碌でもない、浅はかな若者が増えているようですね。
下手すると、これからは、何処かの特定の企業(イメージ)を潰すか、業績にダメージを与えるため、意図的に、こんな蛮行を成すケースも発生するかも。
経費は最小で、最大のダメージ。怖いねー。


都会のあるお洒落な書店には、本を読む一角があって、コーヒーなど飲みながら、試し読み(?)できるとか。

アイデアとしては、面白いようですが、本を汚しそうに思えて、自分では気が進みません。
コーヒーかジュースの飛沫が新刊のはずの本の隅っこに、ポツンと、なんてシャレになりませんよね。

富山県立近代美術館は、「富山市出身の美術評論家・作家である瀧口修造が、ジョアン・ミロやマルセル・デュシャン等との交友関係があったためといわれている」由緒ある美術館。

今の館長は、黒部市(宇奈月町)生まれの雪山行二です:
http://www.8636.jp/bulletin/bulletin_vol6705.html

過去の総括を行ってほしいね。

投稿: やいっち | 2013/08/31 14:16

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: プルーストの絵を見るのは:

« 由緒ある八田橋が危ない | トップページ | 立山砂防工事…工期は無期限 »