サルだって反省するのに
現タカ派政権は、そのタカ派ぶりを全国戦没者追悼式でも、露骨に示した。
アジア諸国に対する損害や反省などに言及しなかったし、「不戦の誓い」にも触れなかった。
反省がないどころか、多国籍軍への参加を志向するなど、戦える国たらんと画策までしている。
念のため、別頁に首相の式辞の全文を示しておく。
タカ派の論理は、苛め問題での、いじめる側の論理と似ている気がする。
いじめっ子は、苛めたことなど忘れ果て、あれは遊びだ(自己防衛)だった、いじめる側だって人間なんだから、あんまりいじめる側のことをあれこれ人に(苛められた側やその関係者からは特に)言われたくない。
てめえら、苛められたことなど、いつまでグズグズ言うんじゃない、そもそも証拠だってないじゃないか!
そして、いじめっ子たちは寄り添い集まって、自分らを正当化し続ける。世界の軽蔑する目、呆れ果てる目に目を塞ぎながら。
サルだって反省する…なんてCMが昔あった気がするけど、現首相を始めタカ派の連中の辞書には「反省」の文字はないようだ。
朝日新聞やNHKのみならず、ウォール・ストリート・ジャーナル日本版も、首相の加害責任を認めない姿勢に脚光を浴びせていた:
「「アジアへの反省」触れず=戦没者追悼式で首相式辞—終戦記念日 - WSJ.com」にもあるように、「戦争の犠牲となった約310万人の冥福を祈り、改めて平和を誓った。安倍首相は式辞で、近年の歴代首相が表明していたアジア諸国に対する損害や反省などに言及しなかった」。
さらに、「式典は正午前に開始。式辞で安倍首相は、2007年に自身も使った「アジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与え、深い反省と哀悼の意を表する」という表現を用いなかった。近年の首相が使っていた「不戦の誓い」にも触れなかった」。
平成25年8月15日
全国戦没者追悼式式辞天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、戦没者の御遺族、各界代表多数の御列席を得て、全国戦没者追悼式を、ここに挙行致します。
祖国を思い、家族を案じつつ、戦場に倒れられた御霊、戦禍に遭われ、あるいは戦後、遠い異郷に亡くなられた御霊の御前に、政府を代表し、式辞を申し述べます。
いとしい我が子や妻を思い、残していく父、母に幸多かれ、ふるさとの山河よ、緑なせと念じつつ、貴い命を捧げられた、あなた方の犠牲の上に、いま、私たちが享受する平和と、繁栄があります。そのことを、片時たりとも忘れません。
御霊を悼んで平安を祈り、感謝を捧げるに、言葉は無力なれば、いまは来し方を思い、しばし瞑目し、静かに頭を垂れたいと思います。
戦後わが国は、自由、民主主義を尊び、ひたすらに平和の道を邁進してまいりました。
今日よりも明日、世界をより良い場に変えるため、戦後間もない頃から、各国・各地域に、支援の手を差し伸べてまいりました。
内にあっては、経済社会の変化、天変地異がもたらした危機を、幾たびか、互いに助け合い、乗り越えて、今日に至りました。
私たちは、歴史に対して謙虚に向き合い、学ぶべき教訓を深く胸に刻みつつ、希望に満ちた、国の未来を切り拓いてまいります。世界の恒久平和に、能うる限り貢献し、万人が、心豊かに暮らせる世を実現するよう、全力を尽くしてまいります。
終わりにいま一度、戦没者の御霊に平安を、ご遺族の皆様には、ご健勝をお祈りし、式辞といたします。
平成二十五年八月十五日
内閣総理大臣 安倍晋三
(以上、「平成25年8月15日 全国戦没者追悼式式辞 平成25年 総理の演説・記者会見など 記者会見 首相官邸ホームページ」より
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