郷里でノーマン・ロックウェルと再会す
もう、何年前のことか、すっかり忘れたが、東京在住時代、確か伊勢丹美術館で「ノーマン・ロックウェル展」を観たことがある。
必ずしも小生好みの画家というわけではないが、古き良きアメリカの印象的な場面を決して重々しさを感じさせることなく、軽いタッチで(あるかのように)描いていて、未だにその印象は鮮明だったりする。
← ノーマン・ロックウェル(Norman Rockwell)「結婚許可証」 ノーマン・ロックウェルの最高傑作とも云われる。古き良きアメリカ。この絵については、「ノーマン・ロックウェル作「結婚許可証」(「美の巨人たち」から)|つむじかぜのブログ」を参照のこと。 (画像は、「ノーマン・ロックウェル白人文化【西宮ブログ】」より)
古き良きなどと安易な冠を呈してしまったが、恐らくは大概の方は、彼の絵を見ると、そういった印象を受けるのではなかろうか。
ぜひ、「ノーマン ロックウェル博物館」を一度、覗いてみてもらいたい。
「ノーマン・ロックウェル - Wikipedia」によると、「ノーマン・ロックウェル(Norman Rockwell、1894年2月3日 - 1978年11月8日)は、アメリカの画家、イラストレーター。軽いタッチでアメリカの市民生活を描き、アメリカで幅広い大衆的人気をもつ」とある。
「彼の絵は1916年から1963年にかけて『サタデー・イーブニング・ポスト』紙の表紙を飾ったが、とりわけ1940年代から1950年代のものが人気がある。彼の絵は商業主義的で一部の近代美術批評家からはまじめな画家とは扱われず、イラストレーターと呼ばれることもあるが、アメリカの市民生活の哀歓を巧みに描き、アメリカ人の心を捉えているため、最もアメリカ的な画家のひとりともいえる」とも。
イラストレーターと呼ばれることもある…。
「ユーモラスな作品が多い一方、後期の代表作「The Problem We All Live With ([1])」 では、人種差別的な悪戯書きがなされトマトが投げつけられた壁の前を、連邦保安官に守られながら通学する幼い黒人少女の姿(公民権運動の一環として、白人の学校に通おうとする場面)を描いており、社会性の強い、激しい一面も見せた」、というのは、小生は、昔、鑑賞した時、気づいていたかどうか…
→ ノーマン・ロックウェル(Norman Rockwell)作「The Problem We All Live With」(Collotype; 31 x 44 inches; Edition size:200 S&N) (画像は、「ノーマン・ロックウェル - Wikipedia」より)
あるいは、「ボーイスカウト運動に対して多大な貢献を果たしたことに対して、後に、世界で十数人しか与えられていない功労賞(シルバー・バッファロー章)が贈られている」といった側面も。
実を云うと、小生、彼の絵(の一つ)に、月に何度となく、接近遭遇している。
職業柄、富山市内などをあちこちうろうろするのだが、ある老舗お菓子店の近くの壁面に彼の絵が描かれているのだ。
野晒しになっていて、幾分、磨り減っているようだが、間違いなくノーマン・ロックウェルの、いかにも古き良きアメリカの市民生活の一端を描いている作品。
なぜに、こんな作品がこんな場所でと、初めて<発見>した時は、ちょっとびっくりしたが、その場所を通るたびに、信号待ちなどの際、眺めるのが楽しみになっている。
誰か彼のファン、かれのこの作品のファンが、敢えて壁面に描かせたものなのだろうか。
今日、ふと、一枚の絵を探し求めてネットサーフィンしていたら、ノーマン・ロックウェルの「鏡の中の自分(girl_at_the_mirror)」 なる作品に遭遇した。
題名が面白い。
ロックウェルはどういった理由でこの絵を描いたのだろう。
← ノーマン・ロックウェル作「鏡の中の自分(girl_at_the_mirror)」 (画像は、「鏡の中の自分。。。 メルセ」より) 小生には、鏡を前の化粧を巡るエッセイがある:「初化粧」
ファッション誌を膝に、鏡の前でポーズを取っている? あるいは、ただ鏡の中の自分の姿に見入っている? 少女が女を意識し始めた?
まだ、さすがに化粧は試みていないようだけど、あるいは、誰も見ていなかったら、こっそり口紅など引いてみたかもしれない。
ロックウェルの意図は分からない。少女の、やや背伸びし始めたころの、愛らしい一場面をただ描きたかっただけなのかもしれない。
参照サイト:
「ノーマン ロックウェル博物館」
「ノーマン・ロックウェル - Wikipedia」
「初化粧」
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