木造建築の新たな可能性
食事中はテレビを見るのが習い。
夕食は七時頃からで、NHKニュースを観、その流れで「NHK クローズアップ現代」を見た。
← 18日、前日買ってきた「三重カナメ」7本を植えた。南面する車道沿いの細長い花壇。去年まではゴーヤやヘチマを植えていたが、連作の影響か、昨年は収穫ゼロだったので、別のものを植えることにしたのだ。何年かしたら、生け垣そして日除けになってくれると期待して!
余程、興味のないテーマでない限り、この番組は仕事中でも車中で観る。
今日は、「進む都市の“木造化”」なる話題だったので、見逃さなかった。
キャスターは国谷裕子さんで、出演者は、安藤 直人氏(東京大学大学院特任教授)だった。
安藤 直人氏は、木質構造研究会会長でもあり、国産材輸出促進も企てており、木と森の重要性を唱えて講演活動もされているようだ。
国土の3分の2が山である我が日本。
当然ながら、国土のかなりの部分を山、つまり森が占めているわけである。
長らく日の目を見てこなかった森、そして資材としての樹木だが、ようやくその時期が来たという。
「進む都市の“木造化” - NHK クローズアップ現代」なる頁を開くと:
1000㎡を超えるオフィスビルやショッピングセンター、5階建て集合住宅…。日本で半世紀以上、建設されていなかった都市部の大型木造建築物が、今年、相次いで完成する。かつて戦争や自然災害で多くの木造家屋が焼失した経験から、国は1950年代に都市部の大型木造の建築を禁止。それが近年、耐火・耐震性能等が急速に高まったため、建築が進んでいるのだ。背景には木材がCO2を固定する環境先端素材として見直され、2010年に公共建築物の木造化を推進する法律が制定されるなどの林業振興政策の転換がある。歴史の空白が生んだ人材やノウハウの不足を乗り越え、地域資源を活かして新たな木の文化を復活させようとする現場の模索を伝える。
過日、木造の学校(三階建て)の建築の許可に向けて、耐火性能の検証実験がされ、建築許可基準をクリヤーできるという目途がついたというニュース(特集番組?)を観たことがあった。
小生の乏しい知見では、少なくとも日本では、木造の巨大建築というと、ようやくその段階なのかなと思っていたら、これは小生のひどい認識不足だと気づかされた。
学校建築(児童生徒が多数集う場所)だからこそ、別途の建築基準があるわけで、実際には現実はずっと進んでいた。
既に、オフィスビルやショッピングセンター、5階建て集合住宅、市の庁舎など、大型施設でも木造建築が実現されていたのだ。
「エンジニアードウッド」など、強度や素材の均質性を高めた木材が開発されている。
さらに、工法の簡易化も進んでいる。
そのため、従来は木材を使った建築だと、ベテランの職人の勘と経験に頼っていたが、今は建築士らが構造計算に基づいて大小の構造物を作ることが可能になっているという。
つまり、「木造建築の新たな可能性」が急拡大しているわけである。
斬新なデザインの木造巨大構造物も興味津々だったが、地域経済の活性化や環境問題への貢献という意味合いでも、木造構造物の新たな可能性は、潜在性が高いと感じた。
日本ではどんな都会であっても、ちょっと車を走らせると山間に至り、森や林が広がる。
山が荒れているという話題には事欠かない。
山林が、海外からの安い輸入木材に押され、そもそも需要が減っていることと相俟って、ドンドン寂れ廃れていったわけである。
林業の大切さは、大概の人は痛感するところだが、需要がないと手の打ちようがない。
→ 久しぶりに近所を徘徊する老いた白猫を目撃。さらに、外見はタヌキそっくりな、立派な毛並みの(恐らく若手の)猫とも遭遇した。
そこに木造建築(構造物)の新たな可能性である。
地域に産する木材を使って、地域の職人が地域の構造物を作る。
病院だったり学校だったり、橋や欄干などなど。
建物についても、建築方法の上での革新があって、従来の工法よりずっと丈夫で、しかも、建築が簡単なので(それほどの熟練の職人でなくても作ることが可能)、工期が短縮され、結果、建築費が安くつく。
木の構造物を作るうえでの、耐熱性(冬、暖かく、夏は涼しく)や耐震性、湿気対策も進んでいるとか。
さらに、木は二酸化炭素、特に炭素の塊のようなものなので、CO2問題についても、資するところ大だという。
ちなみに、ある「木材産業の成長戦略セミナー」で、安藤氏は、以下のような駄洒落を放ったとか(情報は、「「プロでも意外に知らない<木の知識>」(ブログ編) 昨日聞いた安藤直人先生の新ネタ」より):
県産材は「圏産材」に、内需拡大は「内樹拡大」に、
地産地消は「地産外商」に
上記のモットーに尽きる。贅言は要らないね。
そもそも、木の家は有史以前からの馴染みがあり、何と言っても快適である!
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