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2013/03/15

思いがけず『美しい恋の物語』など

 今日は、全国的に高気圧にすっぽり覆われ、この北陸は富山も例外ではなく、すっきりと快晴。
 青空に誘われるように、庭仕事しようと外に出てみたら、シェードの重しに溜まっていた水が凍っていた。
 陽気に誘われ、思わず洗濯し、思わず今年最初の落ち葉拾いをし、思わず自転車を駆って市街地へ向かい、野暮用を果たしたあとインカ帝国展を観てきてしまった。

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 落ち葉拾い…。冬の間、雪などに責められ、折れ落ちた小枝や杉の葉っぱが大半。
 先月、伐採した杉の木が、置き土産とばかりに、大量の葉っぱというか小枝を散らしていた。
 雪に埋もれていたけど、地面が露わになり、冬の間に荒れた庭や畑の惨状も露わになっている。

 雪吊りはまだ外していない。
 地面を眺めながら庭仕事してみると、冷たい大地のはずなのに、もう、草が蔓延り始めている。
 なんて逞しい生命力なのだろう。
 圧倒されるし、負けてしまう。そして、これからの日々の草むしりなどが思いやられて、うんざりしてしまう。

 少しずつ、本は読んでいる。
 過日から、『ちくま文学の森 1 美しい恋の物語』(ちくま文庫)を読み始めた。
 これは借りた本ではなく、自前の本。
 半年以上、本は買い求めていないはずの小生が新しく本を所蔵している不思議?
 実はこれは、法事の際のお返しなのである。

9784480427311

← 『ちくま文学の森 1 美しい恋の物語』(解説 ホテル・ヴェリエール 安野光雅 ちくま文庫)

 お返しの中にカタログ(ギフト)があり、パラパラめくってみたら、なんと「ちくま文学の森」の文庫本4冊セット(特製の栞付き)なるメニューがあった。
 小生はこのシリーズ本のうち、既に数冊は以前、買って読んでいるが、幸い、重複しているのは一冊だけで、残りの3冊は、未読(というか、購入していない)。
 つまり、真っ先に選んだりしないテーマの本が4冊セットになっているわけだ。
 ちなみに、4冊セットの内容は、「心洗われる話」「おかしい話」「思いがけない話」、そして今、読みつつある「美しい恋の物語」である。

 せっかくなので、今、読んでいる本の目次を示しておく:

初恋 島崎藤村/燃ゆる頬 堀辰雄/初恋 尾崎翠/柳の木の下で アンデルセン(大畑末吉)/ラテン語学校生 ヘッセ(高橋健二)/隣の嫁 伊藤左千夫/未亡人 モーパッサン(青柳瑞穂)/エミリーの薔薇 フォークナー(龍口直太郎)/ポルトガル文 リルケ訳(水野忠敏)/肖像画 A・ハックスリー(太田稔)/藤十郎の恋 菊池寛/ほれぐすり スタンダール(桑原武夫)/ことづけ バルザック(水野亮)/なよたけ 加藤道夫

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 掲げられている作家たちはほとんど有名。
 が、いずれも知られた大作は読んでいても、上掲の掌編、短編の類はほぼ全て初めて。
 ところで、偶然というわけではないが、今、並行して読んでいる本は、ゴンチャロフ著の『オブローモフ』(井上 満訳)である。
 オブローモフ主義と称揚されることもあるが、この本は主義とかなんとかいう堅苦しいものではなく、まさに恋の話でもあると、読みながら改めて実感させられている。
 野暮天の小生を当てつけられているようで、心が切ない…というより、痛い。
(若い頃、初めて読んだ時は、小生の宿命を予見させられているようで、熟年となった今、改めて読んでいる今は、やっぱりだったと思い知らされて…辛い。)

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← ゴンチャロフ著『オブローモフ』(井上 満訳 決定版ロシア文学 日本ブック・クラブ ) 「革命前のロシアの知識人の一典型を描く。良心がありながら、自分からは何もしようとしない、何もできない人間像。ひょっとして、現代日本の人間像かもしれない・・・。トルストイやドストエフスキーの陰にかくれてはいるが、ロシア文学の傑作」だって。動のドストエフスキーに対して、ゴンチャロフのこれは「静」の極み。だからって、読んで退屈は決してしない。 (画像や情報は、「オブローモフ ゴンチャロフ 井上 満訳 決定版ロシア文学全集 日本ブック・クラブ - 古本うしおに堂」より)

 素晴らしい恋愛ものの物語と云うのは、どこかしら(誰もが)自分のことを描いていると、勘違いさせる。
 この悲恋の物語としても読める『オブローモフ』は、図書館の本なので、返却期限がある。
 たださえ、読むのが遅い小生なのに、480頁もあり、余儀なくこの分厚い本を車中に持ち込み、待機中にもせっせと読んでいて、じっくり楽しめないのである。
 慌ただしいこと極まりない!

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