「越中を自慢する会」だって!
いつだったか、多分、ラジオで「越中を自慢する会」の存在を知った。
仕事中でメモする暇もなく、幾つかのキーワードだけ、銘記。
それは、「旧熊本藩主」「細川家」「越中寺」それから「越中を自慢する会」で、名誉会長が細川護煕氏など。
→ 庭の山茶花(?)、今頃になって花盛りとなっている。
ネットで「越中を自慢する会」をキーワードに検索すると、「越中守:越中を自慢する会」なるサイトがトップに浮上してきた。
覗いてみると、残念ながらもう2年以上、会員記事が更新されていない。
2006年に発足して3年余りで開店休業状態?
参考に、越中守の発足当初の意気込み(その一部)を転記しておく:
北日本新聞社は、富山県の最も古い呼称である「越中」をキーワードに、郷土の魅力を広く発信する「越中を自慢する会」を発足させる。県内外を問わず会員を募り、誇りを持ってふるさとをアピールする機運を盛り上げる。(中略)
県内には、雨晴海岸など海越しに3,000メートル級の山々が望める世界でもまれな風景や、台湾、韓国でも注目を集める立山黒部アルペンルートなどの自然美をはじめ、持ち家率日本一など県民性を反映した特徴も多い。「自慢する会」は、こうした郷土の誇りを刷り込んだ「越中守」の名刺を製作し、県の人口111万人にちなんで会員に111枚ずつ配布する。会員は、自己紹介などの際にこの名刺を差し出し、思い思いの「越中自慢」を語ることで、「越中ファン」の拡大を図る。

さてなぜに、名誉会長が細川護煕氏なのか。
それは、細川家の当主の多くが越中守を名乗ってきたからだ。
「越中守:越中富山の魅力発信 自慢する会設立記念 細川元首相が講演」
数年前、「富山県水墨美術館 細川家七〇〇年越中守伝来の名宝展」(主催:北日本新聞社 富山県水墨美術館)が催された。
その頁の冒頭に以下のように記されている:
細川家は、足利氏の一族としてはじまり700年間続いてきた歴史ある名家です。細川家の当主は、戦国時代には武将として活躍し、江戸時代には肥後熊本藩主として文武両道に励んできましたが、とりわけ学問に励み、文化の発展と芸術家の育成に力を注いだことで知られています。
また、初代越中守を名乗った忠興(三斎)以来、当主の多くが越中守を名乗っており、富山県ともゆかりの深い関係にあります。とくに忠興の夫人ガラシャは、関ヶ原の戦いで敵方の石田三成の人質になることを拒み、家老に介錯を命じその刃で果てたと伝わりますが、このとき大阪にあった忠興邸のあたりは今も越中町と呼ばれ、その屋敷の井戸跡として「越中井」が残っています。

→ 車道沿いの花壇に、ムスカリの花が咲いていた。畑に植え育てたものが、土の移動と共に移ってきたようだ。
越中守というと、かの大伴家持が有名だが、室町幕府以降だと、畠山家、松平家が継ぎ、その後、細川忠興を始めとする細川家が名乗っている。
江戸時代までには既に官位は名誉職のようなものになっていた。
越中守なる受領名だからといって、越中と関係があったとは限らない。
では何故、細川忠興は越中守という官位を得たのか。
せいぜい、忠興の長男である「忠隆の正室の千世は前田利家の娘」だということくらいか。
それさえ、事情があって「忠興は忠隆を追放・廃嫡とした。そのため後に、忠隆は千世と長男を連れ、祖父である幽斎を頼って京都で隠居した」のである。
← 今頃、成るなんて、何の実なのか…
さらにさかのぼれば、以下のような歴史的事実があることも、指摘できなくはない(「富山市 - Wikipedia」より):
南北朝時代に入り、観応の擾乱で活躍した越中守護桃井直常は、太田保布市の興国寺周辺を拠点として反幕府運動を展開した。直常は一時幕府に帰順したこともあるが、斯波氏との対立により再び越中に下向して反抗した。桃井氏は長沢(富山市長沢)などで抗戦を繰り返したが、1371年(応安4年)に砺波郡五位荘の合戦後、直常は消息不明となり、斯波氏による越中掌握が進んだ。一方、神通川と常願寺川に挟まれた地域に広く拡大した太田保は、室町幕府管領細川家領となり、太田保北部に柳町(富山市柳町)などの町が誕生する。斯波氏と細川氏は幕府内で対立関係にあり、斯波氏が越中守護として桃井氏を没落させた後も細川氏は太田保を所領し続けたため、桃井氏の残党や国人は、太田保に逃げ込み、細川氏の庇護を受けた。この頃、太田保領内に富山郷が現れる。

→ 奥の庭の梅、盛りも過ぎつつあるけど、それはそれで見ごたえがある。
なるほど、南北朝時代、富山(市)などの一部は、細川家領だったことがあるわけだ。
だからといって、そんな縁で越中守という官位を欲したわけではなかろうが(欲したら得られるのかどうかも含め、分からない)。
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