「初公開・明治の刺繍絵画展」の周辺
昨日(金曜日)、車中でラジオから、「刺繍絵画」なる言葉を聞きかじった。
例によって、いくつかのキーワードだけ、メモ。
← 「初公開・明治の刺繍絵画展 ~英国王室で愛された至宝~」チラシ表 (画像は、「高岡市美術館 _平成25年(2013)度_企画展示 特別展 イセ文化基金30周年記念 初公開・明治の刺繍絵画展 ~英国王室で愛された至宝~」より)
例えば、「刺繍絵画 高岡 イセ」など。
今日になって上記のワードなどでネット検索。
すると、以下のサイトが浮上してきた:
「高岡市美術館 _平成25年(2013)度_企画展示 特別展 イセ文化基金30周年記念 初公開・明治の刺繍絵画展 ~英国王室で愛された至宝~」(会期/2013年3月30日(土)~4月7日(日) 【会期中無休】)
→ 同上チラシ裏面 ラジオでも聞きかじったのだが、「イギリスの故・ダイアナ妃が所蔵していた壁掛け」も展示されるとか。
せっかくなので、案内の説明を一部、転記しておく:
「明治の刺繍」は、明治時代、日本の美術工芸品が輸出産業として定められ、欧米への輸出向けに作り出された作品です。
日本では、奈良時代から独自の染色技術の蓄積があり、江戸時代には、絹糸という独特の光沢と質感を使い、絵画の表現とはまったく別の表現を用い、刺繍絵画という分野を確立しました。
この展覧会は、富山県高岡市にて、日本ではじめて、「明治の刺繍」をお披露目する歴史的な展覧会であり、イギリス最古・アシュモレアン美術館で展示した38点を紹介します。
刺繍絵画というと、先ごろ、「現代の名工・伝統工芸士 刺繍画の第一人者 荒木千恵子」さんが有名のようだ。
← 荒木千恵子作品より (画像は、「現代の名工・伝統工芸士 刺繍画の第一人者 荒木千恵子」より)
それには、「群馬県桐生市の刺繍絵画家、荒木千恵子さん(76)が2011年、「東日本大震災で被災した茨城の人たちを勇気づけたい」と同ギャラリーで個展を開いたところ、鑑賞した人から「もう一度」と要望が相次ぎ、今回は秀作32点を展示している」(「名工の刺繍絵再び ニュース 新おとな総研 YOMIURI ONLINE(読売新聞)」より)といった事情もある。
他にも、「糸の風景画:刺繍作家、森麗子 - この画家・この作品」なる記事も覗いてみてもいい。
あるいは、「中国刺繍絵画」も一見の価値がある(「中国刺繍絵画 - 中国刺繍絵画 japanese.alibaba.com(アリババ)」参照 )。
さらに、刺繍絵画というと、「ベトナム刺繍」も外せない(「file178 「ベトナム」|NHK 鑑賞マニュアル 美の壺」参照)
→ 刺繍画家 郷 加奈子作「歌川広重 東海道五十三次より 庄野」 「一本の糸そのものは一色ですが、絵画のような何色もの色のまざりや重なりが観られます。波や山、木々、崖、草陰、陽光、ひとつの草鞋と蓑、人の足、人の肌…が、とても小さな針と細かい糸を想像させ、繊細さを覚えました」(2003年5月 作家・詩人 篠崎美江子)。 (画像及び転記文は、「浮世絵「歌川広重 東海道五十三次」を刺す 京都の刺繍画家 郷 加奈子」より)
冒頭の話題に戻ると、「刺繍絵画は明治時代、殖産興業の一環として日本の工芸技術を欧米にアピールするため製作されました。 絵筆は針、絵の具は糸で細かに製作される、いわば糸で描く絵画です」(「KNB NEWS|KNB WEB」より)とのこと。
それはそれとして、紹介したように、刺繍絵画の世界は伝統もあるが、今も強く息づいている。
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コメント
高岡市って富山でしたか。
弥一さんは、ご覧になられるの?
明治になっても、オールドノリタケとか、外国の人を虜にした作品が多いですね。
東京は、ラファエロ、ダヴィンチ、日本におけるイタリア2013,だそうで、いろいろ来てます。今日ラファエロの招待券が入ったぞ。
投稿: oki | 2013/03/30 22:35
okiさん
幕末から明治にかけて、海外に流出した日本の至宝は、相当な数に上るでしょうね。
江戸時代から金や銀の流出は膨大な量だというし。
ただ、日本が植民地化されて持ち出された(奪われた)わけではないので、戻してくれともいえない。
大英美術館やルーブル美術館などは、合法とは言えない形で奪った芸術品や工芸品などが眠っているのでしょうね。
相変わらず、東京は展覧会に限らず情報の集積地。
富山とは雲泥の差です。
投稿: やいっち | 2013/04/01 02:57