始原への旅 暗黒物質の探求
一昨日の日記で「ルーツへの旅」として、「始原を巡る旅、始原へ遡る探求が好きである。川を観れば、その源流を求めてみたくなる。宇宙の始まり、太陽系の始まり、地球の誕生、生命の誕生、細胞の誕生(原核細胞、そして真核細胞への飛躍的進化)、恐竜や鳥類の栄枯盛衰、哺乳類の誕生、人類の誕生、現生人類の誕生、そして日本人の誕生、心が生まれたとき…」などと書いたからだろうか(そんなわけ、ない!)、2月6日、「NHKクローズアップ現代」でILCの番組「粒子を探せ~巨大加速器は日本を変えるか~」が放送された(文末に番組の趣旨を転記しておく)。
「ILC PROJECT[国際リニアコライダー計画]」によると、ILC(国際リニアコライダー; International Linear Collider)計画とは、「宇宙初期に迫る高エネルギーの反応を作り出すことによって、宇宙創成の謎、時間と空間の謎、質量の謎に迫」るもの。
目的として、「ILCの技術も、科学と産業の両方に多くの応用技術を生みだすことでしょう」というし、産業などの面からも「ILCは世界最高水準の性能を持つ、素粒子物理学における世界拠点となる」のだろうが、小生は、個人的には、宇宙の誕生直後の実相に一層、迫るものとして、純粋に知的好奇心から(も)興味津々である。
個人的には、日本(東京)へのオリンピック招致より、よほど意義があるし、将来性もある(オリンピックは、なぜまた日本(東京)なのかの意義が見えない)。
先般、欧州CERN研究所で稼動しているLHC(大型ハドロン衝突型加速器)にて、「ヒッグス粒子」と見られる素粒子の発見のニュースに湧いた。
ILCでもヒッグス粒子の観測研究がなされるが、なんといっても、「ILCに解明の期待が掛かっている数ある研究のひとつが「暗黒物質(ダークマター)」です。なんと、現在の宇宙を構成するもののうち、私たちが知り得ているのは全体のわずか5%に過ぎません。残り95%のうち23%は「暗黒物質」72%は「暗黒エネルギー(ダークエネルギー)」であると考えられてい」るのだ。
ところで、NHKでILCについての特集番組を組まれたのにはわけがある。
まず、昨年12月15日、ILC建設への重要なステップとして、「次世代加速器の設計完成 国際研究チームが発表 - MSN産経ニュース」があった。
この段階を踏まえて、いよいよ候補地の最終選定の段階へ進むわけである。
「次世代加速器ILC、宇宙・物質の謎に挑む 国内候補地今夏決定へ - MSN産経ニュース」などにもあるように、今夏(七月)候補地が決定されるのである。
「建設地は日本の北上山地(岩手、宮城県)と脊振(せふり)山地(福岡、佐賀県)、米欧露の計5地域が候補に挙がっている。しかし米国は素粒子研究での国際的な求心力低下、欧州はLHCの運用継続が優先課題といった事情があり、現段階で誘致に積極的なのは日本だけ」なのである。
日本が建設地に決まるのは確実な情勢だが、その前に、日本における候補地の一本化が急がれるのである。
→ ILC(国際リニアコライダー; International Linear Collider)計画図 (画像は、「次世代加速器ILC、宇宙・物質の謎に挑む 国内候補地今夏決定へ +(2-4ページ) - MSN産経ニュース」より)
関連サイト:
「ILC PROJECT[国際リニアコライダー計画]」
「もしも日本にILCができたら」
「国民の誇り、世界の尊敬と安全保障」
「国際リニアコライダー - Wikipedia」
NHKホームページより:
いま日本で”ヒッグス粒子に続け”と未知の素粒子を探すための国際共同実験施設を誘致する動きが広がっている。ILC(国際リニアコライダー)と呼ばれるこの施設の特徴は、全長30㎞に及ぶ直線状の巨大加速器。精度良く実験でき、物理学の新たな扉を開くとともに宇宙の謎の解明にもつながると見込まれている。先日、日米欧の国際的な研究チームが詳細な設計を発表、総工費8000億円、経済効果は4兆円を超えるという。建設地には世界中から研究者が集い、新たな知の拠点となる国際都市が誕生。さらに、施設や装置の開発では日本の最先端の技術力を発揮でき、産業振興の起爆剤になると期待されている。日本が新たな「科学技術立国」を目指す契機になるのか、ILC計画の全容と、誘致活動の現状に迫る。
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