« 「夭逝」と「早世」と | トップページ | 年縞の話に興味津々 »

2013/02/12

「中教院」は調べるまでもなかった

 島崎藤村の『夜明け前』を読んでいたら、「大教院」や「中教院」という言葉に出会った。
「大教院」はともかく、「中教院」は耳馴染みである。
 富山市の西町の外れに、そういった地名(交差点名)がある。

Sscn2607

← 川沿いの東屋の屋根…というか絡まる蔓の中に埋もれるようにして、雀たちの姿。こんなところに潜んでいたのね。

 これまでは何気なく聞き流して(見過ごして)きたが、考えてみると、名称の由来が分からない。
 今は無くなった何かの院の名残り、くらいの安易な理解のまま今日まで来た。
 せっかくなので調べてみた。

教部省 - Wikipedia」によると、「教部省は明治初期の太政官制度のもと、宗教統制による国民教化の目的で設置された中央官庁組織であ」り、(中略)「国民教化をより具体的に行う為、教導職の全国統括機関である大教院、各府県単位の統括を行なう中教院が設置され、全国に小教院が置かれた」という。
 要するに神仏分離、廃仏棄釈の動きの延長にある制度のようだ。
 肝心の富山の「中教院」については、以下が実に詳しいし、説明が分かりやすく丁寧である:
博物館だより 第三十三号 平成11年9月17日 ●中教院て…何?

 昨日、図書館へ行ってきた。読了した本を返却し、新たに借りてきた。
 以下の4冊である。例によって、ツイッター小説(掌編作品)を掲げておく。

メイドカフェに入った。きっとふりふりのドレスを着た女の子が「いらっしゃいませ、ご主人様!」って迎えてくれるに違いない。が、店内に入った途端、何か違和感を覚えた。暗い。蝋燭の灯りだけ。線香の煙が立ち上っている。骸骨みたいなジジイが云った。ようこそ冥土カフェへ!

4480836489

← ジェ-ムズ・ジョイス著 『ジェイムズ・ジョイス全評論』 (吉川 信【訳】 筑摩書房)

おーい!何度、呼びかけても風の音が空しいだけ。急峻な崖の下は、突き出た岩に阻まれ遥か下の急流が辛うじて見えるだけ。崖に生えている草の葉っぱが千切れている。落ち際に奴が掴もうとしたのだ。もう大丈夫だ。俺の秘密を知る奴はこの世になくなったのだ。俺は安心して立ち去った。

07724_big

← エドワード・W・サイード著『サイード音楽評論 1』 (序文 ダニエル・バレンボイム 訳者 二木麻里 みすず書房)

蝋燭の灯りに照らされ浮かび上がる光景、それは鬱勃の闇。 鸚鵡は彌撤の声をあげず、鷦鷯は囀りを忘れ、麒麟は糠の寝床で微睡み、櫃の中で蝙蝠が蟷螂を貪る乾いた音だけが響く。 微動だにせぬ鞦韆に居座る髑髏の目から躑躅の花が。

090724_2

← 樋口尚文著『ロマンポルノと実録やくざ映画 禁じられた70年代日本映画』(平凡社新書)

藪の中の明礬の岩に隠れ、酸漿の目を輝かせて密かに眺める顎のない轆轤首。 錫と燐とが交合し始め、砒素に酔った鶺鴒が喚きだし、鸚哥は硫黄に噎せる。 鮟鱇は陶然として去り行くのみ。 憂愁の臥所に襤褸布をそっと被せて、全てを鬱勃の闇に葬らん。

4121015495

← 大崎 茂芳【著】『クモの糸のミステリー―ハイテク機能に学ぶ』(中公新書)

漆黒の闇の道を歩いていた。手探りしながら。何かに触れている。それとも触れられているのか。臓腑の中に封じ込められたのか。吸うのは膿交じりの粘液。吐くのは剥がれた肺胞の固まり。息している? ぶよぶよした紅い闇が蠢いている。犇めく蛆虫どもに俺はもう食い潰されたのか。

|

« 「夭逝」と「早世」と | トップページ | 年縞の話に興味津々 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/52847/56744916

この記事へのトラックバック一覧です: 「中教院」は調べるまでもなかった:

« 「夭逝」と「早世」と | トップページ | 年縞の話に興味津々 »