ニュートンの虹の七色
デヴィッド ルイス=ウィリアムズ著の『洞窟のなかの心』(港 千尋訳 講談社)を読んでいたら、ニュートンが定着(?)させたと云われる、虹の七色についての記述に遭遇した。
せっかくなので、補足したいこともあるし、若干のメモ書きを試みることにする。
→ 虹! (画像は、「虹 - Wikipedia」より)
「日本では、虹の色の数は一般的に七色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)と言われる。多くの日本人が虹の色を7色と考えるのは、ニュートンの虹の研究に由来する学校教育によるものである」ことは、今では広く知られているようである。
ただし、「ニュートンは、赤黄緑青紫の5色と考えられていた虹の基本色に、柑橘類のオレンジの橙色と、植物染料インディゴの藍色を加えて7色とした。彼は虹の色と色の間は無限に変化していることを知っていたが、それにもかかわらず、虹を7色としたのは、当時、7が神聖な数と考えられていたからである。音楽のオクターブもドレミファソラシの7音からなる。ニュートンは美しい虹も7つの基本の色からできているとしたのである」ことまでは、小生は知らなかった(あるいは、昔、ニュートン関連の本を読み浸った際に、ちゃんとした記述を読んでいただろう…けれど)。
実を云うと、本稿を書こうと思った動機は、上掲書の中の以下の記述にあった:
七色を決めたのはアイザック・ニュートンである。色彩について十分な視覚(ヴィジョン)を持たなかったニュートンは、友人にスペクトルを分けてくれるように依頼した。その友人が依頼を受けてスペクトルを六つに分類したところ、ニュートンは、ルネサンスの考えにおいては七という数字が意味を持っており、ニュートン自身も述べているように、七は「オクターブの七つの音程」に対応するからというので、七色にこだわった。それゆえニュートンは、当時人気の染料であった藍を、スペクトルに追加するよう友人に要請したのである。
(「ニュートンが虹の色を「7色だ」と決めたって、ほんと?|キヤノンサイエンスラボ・キッズ」や「虹 - Wikipedia」など参照。)
← デヴィッド ルイス=ウィリアムズ著『洞窟のなかの心』(港 千尋訳 講談社)
「色彩について十分な視覚(ヴィジョン)を持たなかったニュートン」というのは、どういうことなのか。
「光線には色はない」と喝破したニュートンではなかったか(『Optics(光学)』)。
中学生の頃の小生の英雄は、ニュートンで、彼についての伝記の類は、(大人になってからも)何冊か読んだが、ニュートンが色覚異常だったという説明を得た記憶がない。
本当だとしたら、そんなニュートンが光学において(も)功績を遺したというのは、面白いエピソードに感じられた。
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