華明橋のたもとに立つガス燈
富山市の歓楽街…接待と遊興の町、桜木町の外れ、松川に架かる華明橋のたもとに立つガス燈。
「現在のガス燈は昭和63年11月に往時をしのぶ意味もあって立てられたもの」だという(詳しくは末尾にて)。
「ガス灯 - Wikipedia」によると、ガス燈にも、「魚尾灯」「白熱ガス灯」と種類そして歴史があるらしいが、恐らくは往時は白熱ガス灯」だったのだろう(推測)。
今は、 無論、近づかなくても察することはできようが、ガスではなく、電気(白熱灯)であろう(これも、推測であるが)。
市の中心部にあり、仕事柄、小生は日に何度となく眺める機会に恵まれる。
ガス燈は、西欧において最初に製作されたようだが、驚いたことに、日本でも18世紀頃には、天然ガスを灯火として用いた記録があるという。
ただ、それが形においてガス燈と呼べるのかどうか。
「ガス灯 - Wikipedia」によると:
日本においても18世紀頃には、既に越後地方において「陰火」(いんか)として天然ガスの存在が知られており、ガスを灯火として用いた最古の記録としては、安政の大地震以前に盛岡藩の医師であった島立甫が、亀戸の自宅においてコールタールから発生させたガスを灯火として燃焼させたことが記されており(石井研堂『明治事物起原』より)、また同時期に盛岡藩の医師・鉱山技術者大島高任が水戸藩那珂湊に建設した反射炉の燃焼ガスを用いて照明とした記録((大島信蔵編『大島高任行実』より))や鉱山の石炭ガスを燃焼させて灯火として燃やした例などがある。
『ガス燈』(Gaslight)という、パトリック・ハミルトンの戯曲を映画化したサスペンス映画は、映画ファンならずとも思い浮かべるかもしれない。
「イングリッド・バーグマンがアカデミー主演女優賞を受賞した」映画は、いつかもう一度、見てみたい。
「ガス燈 (映画) - Wikipedia」によると、あらすじは:
霧深いロンドンに、ある夫婦が暮らしている。夫に「物忘れや盗癖が目立つ」と指摘された妻は自分がおかしくなったのだと思い込み、不安に苛まれるようになる。しかし、それは夫がそう言い聞かせることで妻を精神的に追い込んでいたからだった。そこにはかつてアリスという裕福な女性が殺害され、宝石が盗まれた事件が関係しており、その犯人はまだ捕まっていなかった。
まさにサスペンスだ。
→ 華明橋のたもとに立つガス燈は、黄昏るほどに味わいが増す。文明開化とともに生まれたガス燈は、富山市では大正2年にこの地で点燈された。その明かりは松川の水面に映えて多くの市民を魅了したという。現在のガス燈は昭和63年11月に往時をしのぶ意味もあって立てられたものである。再建された時点で75年だという。ということは、今年…あるいは来年は、ガス燈が点燈されて百年となるわけだ。行事が催されるといった噂など、仄聞しないが、小生くらいは、静かに往時を偲ぶつもりでいる。富山市では、岩瀬にあるガス燈も情緒があっていい。
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