「フランスの広重」ノエル・ヌエット(前編)
ひょんなことから、ノエル・ヌエットなる詩人版画家の存在を知った。
小生には全く初耳の版画家である。
← Noel Nouet 「Ikegami Honmonji (Showa 12) 1937」 (画像は、「The Woodblock Prints of Noel Nouet」より)
職人が刷った(摺った)広重の「東海道五十三次」(保栄堂版)を所蔵しているにも関わらず、読売新聞の販促品である、広重の同作品の複製画が毎月二枚届くのを楽しみにし、ファイルしている始末。
茶の間の壁には、父が集めていた広重(や歌麿、滝平二郎ら)の作品(あくまで複製)を額入りで飾ってある。
江戸の名品はもとよりだが、そもそも小生、版画が好き。
まして、今は無き昭和の姿を描き出してくれるとなれば、猶更である。
→ Noel Nouet 「Ueno Koen (Showa 11) 1936」 (画像は、「The Woodblock Prints of Noel Nouet」より)
本ブログでは、江戸の作家もだが、明治以降の版画家も何人か紹介している。
というのも、版画が好きだということもあるが、明治や大正、昭和の版画作品は、今は永遠に失われてしまった江戸ならぬ東京の往時の光景を髣髴させてくれるから、でもある。
← Noel Nouet 「Shiba Furukawa, (Showa 11) 1936」 (画像は、「The Woodblock Prints of Noel Nouet」より)
小生は、東京で昭和五十三年から平成8年まで過ごした。
東京は言うまでもなく、神奈川を含めた関東各地にささやかながら我が足跡(? ただの靴跡か)を残している。
本ブログにて採り上げた、明治以降の版画家(作品)関連記事の一部を列挙しておく:
「高橋松亭…見逃せし美女の背中の愛おしき」
「織田一磨…消え去りし世を画に遺す」
「霧の作家・宮本秋風の周辺」
「川瀬巴水…回顧的その心性の謎床し」
「川瀬巴水 旅情詩人と呼ばれた版画絵師 没後50年展」
→ Noel Nouet 「Meiji Jingu, (Showa 11) 1936」 (画像は、「The Woodblock Prints of Noel Nouet」より)
「ノエル・ヌエット - Wikipedia」によると:
「ノエル・ヌエット(Noël Nouet、1885年3月30日 - 1969年10月2日)は、フランス、ブルターニュ出身の詩人、画家、版画家。40歳から75歳までの約36年間、日本でフランス語教師として方々の学校で教える傍ら、詩集の出版をはじめとして様々な執筆活動を行った。晩年はフランスに戻り、85歳で生涯を終えた」という。
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コメント
ノエルヌエットは、がす資料館というところがかなり所蔵しています。小平の方にあるようなのですが、入館無料です。
ちょうど、東京駅の再開発ということで、昔の丸ノ内とかの写真展示も開かれてます。
三菱一号館美術館で、三菱が夢見た美術館、という展覧会やりましたが、あそこは荒野だったのですね。
弥一さんも世田谷美術館の会員だったと前書かれてましたが、世田谷美術館はこの春にリニューアル、五島美術館ももうすぐリニューアル、芸術の秋です。
投稿: oki | 2012/10/04 21:32
okiさん
さすが、ノエル・ヌエットのことはご存じなのですね。
ガス資料館は、都心にはないってのが、惜しい?
世田谷美術館がリニューアルだとか。
あのたたずまいが好きだったんだけど、どのように変わるのでしょう。
ただの化粧直しなのか。
東京の町自体がドンドン変わっていきますね。
かくいう富山も新幹線開通に向けて変わりつつありますが。
投稿: やいっち | 2012/10/05 22:18