綺堂ものは楽しい
暑い中、車中での待機の折に読んできた、岡本 綺堂【著】の『読んで、「半七」!―半七捕物帳傑作選〈1〉』(北村 薫 宮部 みゆき【編】 ちくま文庫 筑摩書房)を、今日、自宅で読了した。
残り、数十頁になったので、次回の営業の際、待機中の読書の際に読みそうなので、自宅に持ち帰り、残りを一気に読んだのだ。
← 岡本 綺堂【著】『もっと、「半七」!―半七捕物帳傑作選〈2〉』(北村 薫 宮部 みゆき【編】 ちくま文庫)
引き続き、同じく北村 薫 及び 宮部 みゆき編の『もっと、「半七」!―半七捕物帳傑作選〈2〉』を、やはり車中で読むことにする。
この仕事は待つのが仕事か、と思えるほどに待つ時間が長い。
そこが東京在住時代とは違うところ。
あれれ、東京在住時代だって、車中で散々、読んでたじゃないか! という声が聞こえそう。
東京での営業では、流しがメイン、というより、流しオンリーだった。
営業もドライバー任せ。
なので、自分で休憩時間を作り出し、どこかの公園の脇などに車を止め、安眠導入剤とばかりに持ち込んだ本を読んだもの。
→ 岡本 綺堂 著『綺堂随筆 江戸の思い出』 (河出文庫) ずっと遠い昔は分からないが、近年、小生の中で綺堂ブームが(おそらくは)再燃したのは、本書を読んだのが切っ掛け。拙稿を覗いてもらえたら…:「岡本綺堂『江戸の思い出』 壺中水明庵」
一方、富山(地方)では、流し営業はほとんど成り立たない。
週末や夜などに、若干、運任せ気味ながら、やや可能かどうか、という程度。
会社からの無線を待ち受けたり、駅(ホテル)などで順番待ちする機会が圧倒的。
なので、悲しいかな、待機時間がやたらと長くなり、新聞を読んだり、ラジオに聞き入ったり、本を読んだり、目を休める意味もあって仮眠を取ったり、あれこれしながら時間を潰していく。
有意義のような、実に勿体ない時間の過ごし方である。
← 岡本 綺堂【著】『読んで、「半七」!―半七捕物帳傑作選〈1〉』(北村 薫 宮部 みゆき【編】 ちくま文庫 筑摩書房) 本書を読みだしたについては、拙稿:「「半七」再び!」を参照願いたい。
以前も書いたが、綺堂の作品は、とにかく語り口がうまい。落語や浪曲、講談、今となっては必ずしも身近とは言えなくなった、当時のいろんな語りの芸が豊かな土壌をなしている。
人間観察にも卓越しているが、中国文学や西洋の文学への素養もあり、物語の奥行きを深く味わいのあるものにしている。
綺堂は怪談ものにも優れているというし、まだまだ楽しめそうである。
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