バロウからレムへ
今日は昨夜来の雨が断続的に続き、ほぼ雨模様の一日。
久々、外仕事をさぼれる。
雨は恨めしくもあり(雨で銭湯へ行けなかった)、小生には恵みの種でもある。
← スタニスワフ・レム著『高い城・文学エッセイ』(沼野 充義 巽 孝之 芝田 文乃 加藤 有子 井上 暁子【訳】 スタニスワフ・レム コレクション 国書刊行会)
ジョン・D.バロウ著の『コズミック・イメージ 美しい科学1』(桃井緑美子訳、青土社 )を読了。
バロウの本(訳されたものに限る)は、概ね、読んできた。
彼の本のファンのようなもの。
本書は、『コズミック・イメージ 美しい科学2』共々、同氏の著にしては珍しく画像が満載で、より一般向きになっている。
文章で知的想像力を刺激してくれるのも楽しいが、やはり、画像や写真、図解のインパクトは大きい。
本書に引き続き、スタニスワフ・レム著の『高い城・文学エッセイ』(沼野 充義 巽 孝之 芝田 文乃 加藤 有子 井上 暁子【訳】 スタニスワフ・レム コレクション 国書刊行会)を読み始めた。
待望の再読である。
読んだのは一昨年の秋だから、読んでまだ二年も経っていない。
でも、レムの自伝やエッセイを読みたくて、敢えて購入。
これだけの本(内容)なのに、値段は2,940円だなんて、びっくり。
ちなみに、書店に在庫がなくて予約で取り寄せてもらったのだが、届いた本は2004年刊の初版。
あまり読まれていないってことか。
読むに値するぞーって、叫びたい気分。
本書については、以前読んだ当時、以下のようにコメントしている:
表題の「高い城」は、自伝のはずなのだが、とんでもなくハイブローな文学論。そもそも、レムの批評はSF論を軸にしているが、並みの文学論の書き手よりはずっと読みが深いし、分析が鋭い。知能指数が180ってのは、伊達じゃない。論旨についていけない場合がしばしばだが、それでも、示唆的なのである。
← ジョン・D.バロウ著『コズミック・イメージ 美しい科学1』(桃井緑美子訳、青土社 )
前回は図書館から借りだしたこともあり、時間的な制約もあって(ほかにも何冊か借りていた)、慌ただしく読んだきらいがある。
今回は、自分の本。
冒頭の自伝である「高い城」も、ゆっくりじっくり読みだしている。
なんて濃密な文章なのだろう。
いかにも医者の子らしい(?)、恵まれた(しかし特異な)環境と好奇心(鬱屈した情念)が、レムらしい筆致と表現で示されている。
愉しい読書が待っている。
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