秋の風情を嗅ぎ取りし
暦の上では九月に入っている、そのことが空を見る心理に影響しているのだろうか。
たとえば、あの青空を写真に撮って、真夏の青空の写真と見比べたら、違いを感じ取ることができるのだろうか。
それともやはり、心理的にこの暑さもさすがにもうピークは過ぎている、もう一息、乗り切れば本格的な秋がやってくるという思いが、高い蒼穹の何処かに変化の兆しを期待を込めて投影しているに過ぎないのか。
秋の兆しは、足元を眺めれば随所に見ることができる。
木の実が目立ち始め、畑はほぼ収穫の終わった、ある種の落ち着き…寂しさの雰囲気が漂う。
樹木の緑が濃くなり、どことなく空気が澄んでいるように感じられる。
気のせいに過ぎないのかもしれない。
暑さに辟易する心理が、和みの季節を待望させているだけなのかもしれない。
夜、高く澄み渡った空を眺めあげる。
星、月、夜。
月影は清かである。
輪郭が鮮やかで、影も濃い。
雲間に月影が見え隠れする。
雲を透かして月影を追う…やがて、雲間に顔を現す。
気のせいと分かっていても、星屑の数が増えていると思えてならない。
星影の鋭さが際立ってきたように思えてならない。
蒸し暑さに、夜空に立ち止まるゆとりもなかったのが、肌に心地いい涼しげな微風に、立ち尽くす楽しみを思い出させてくれただけなのかもしれない。
何かが変わっている。
せかされるような日々が、等身大の日々に変わりつつようでもある。
何もかもが、秋の風情の到来を予感させてくれるのだ。
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