あの子は18まで…
過日、銭湯に行った。
平日の午後ということもあり、湯に来る客も大概、年配の人が数人程度。
小生が一番、若手のことが多い。
が、その日は、 洗い場に珍しく、お爺ちゃんと、その(恐らくは)孫との二人連れが居た。
お爺ちゃんといっても、還暦を何歳か過ぎたほどの方。
お孫さんは、幼稚園(保育所)に入園したかどうかという年頃。
髪を洗っていたら、ありがちな会話が聞こえてきた。
さ、お湯にちゃんと浸かるんだよ。足元、滑るから気をつけるんだよ、肩まで浸かって、50、数えたら、出ていいよ。
子供は懸命に、一心不乱に数えはじめる。
イーチ、ニー、サン、シー、ゴー、ローク、シーチ、ハーチ……
そしてジューシーチ、ジューハーチ
18までは順調に行くのだが、あとが続かない。
幼子は、お爺ちゃんに数え直せと云われたわけでもないのに、最初から数え直す。
イーチ、ニー、サン、シー、ゴー、ローク、シーチ、ハーチ……
そして ジューローク、 ジューシーチ、ジューハーチ
やはり、後が続かない。
18で途切れてしまう。
幼子が四回目にチャレンジする、ジューゴー、ジューローク、 ジューシーチ、ジューハーチを耳にしつつ、小生は洗い場をあとにし、脱衣場へと移った。
あの子は、そのあと、何回、イーチ、ニー、サン、シー…… ジューローク、 ジューシーチ、ジューハーチを繰り返したのだろうか。
それとも、さすがにお爺ちゃんが止めさせたのか、或いは50までの数え方を湯船の中で教えてもらい、漸くにして、湯船を出ることを許されたのか。
何となく湯船の方を伺う気にもなれず、小生は黙々と着替え、銭湯をあとにした。
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