「帰りなんいざ」とは云うものの
帰去来兮 帰りなんいざ
田園将蕪胡不帰 田園将に蕪(あ)れなんとする胡(なん)ぞ帰らざる
既自以心為形役 既に自ら心を以て形の役と為す
奚惆悵而獨悲 奚(なん)ぞ 惆悵(ちゅうちょう)として独り悲しまん
悟已往之不諌 已往(いおう)の諫められざるを悟り
知來 者之可追 来者の追うべきを知る
実迷塗其未遠 実に途(みち)に迷うこと其れ未だ遠からず
覺今是而昨非 今の是(ぜ)にして昨の非なるを覚る
舟揺揺以軽(風+易) 舟は揺揺(ようよう)として以て軽くあがり
風飃飃而吹衣 風は 飃飃(ひょうひょう)として衣を吹く
問征夫以前路 征夫(せいふ)に問うに前路を以てし
恨晨光之熹微 晨光(しんこう)の 熹微(きび)なるを恨む
この漢詩の全文や訳文については、「 帰去来兮 」を参照のこと。
せっかくなので、この漢詩の末尾だけ示しておく:
臨清流而賦詩 聊乗化以帰尽 楽夫天命復奚疑
訳は、上掲サイトに依れば、「 このようにして、自然の変化にま かせて、歳後には生命も尽きて終わりたい。そして古人が教えたように、あの天の 命じた自分の当然の在り方を楽しんで、またどうして疑うか、信じて安んじて生き て行くことにしよう 」である。
福島原発で放射能に汚染され、立ち入り禁止となった人々。
徐々にだが、一時帰宅が許されたりしている。
ホントに一時的であっても、帰宅していいのか、疑問なきとしないのだが。
それはさておき、話の脈絡を度外視して、この漢詩を読み返してみた。
こんな形で味わうとは夢にも思わなかったが。
ちなみに、与謝蕪村の「蕪村」は、この漢詩から採っている。
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