文系から理系の本へ
このところガルシア=マルケスなど文学関連の本を立て続けに読んできた。
今も、車中では、 『 ちくま文学の森 4 おかしい話 』(とくま文庫 筑摩書房)を読み進めている。
← ニック・レーン著 『 生命の跳躍 進化の10大発明( LIFE ASCENDING ) 』( 斉藤隆央訳 みすず書房)
文系の本が続くと理系の本への渇望となる。
で、 以前、『ミトコンドリアが進化を決めた』(みすず書房)に圧倒された、そのニック・レーン著の 『 生命の跳躍 進化の10大発明』( 斉藤隆央訳 みすず書房)を自宅で読み始めた。
近年、ミトコンドリアへ研究が脚光を浴びているが、ニック・レーンの 『ミトコンドリアが進化を決めた』(みすず書房)は、 世のミトコンドリア本とは格の違う本。
何といっても視野が広い。
だからこそ、ニック・レーンの近著を購入したのだ。
さて、お盆前後は、タクシー稼業はひたすら暇。
お陰で、 『 ちくま文学の森 4 おかしい話 』(とくま文庫 筑摩書房)も随分と読み進み、半ば以上を読んでしまった。
読んで違和感を覚えたのは、「おかしい話」のコンセプトでの短編集のはずなのに、どこがおかしいのか、ピンと来ない話が多いと云うこと。
まあ、コンセプトなんて関係なく、作品として面白いかどうかが肝心。
今まで読んだ中では、やはりと言うべきか、 結婚申込み チェーホフ(米川正夫)が群を抜いていた。戯曲としてのありがちなドラマツルギーだが、まんまとチェーホフの術中にはまってしまう。
ゾッとしたくて旅に出た若者の話 グリム(池内紀)も面白かった。さすがにグリムは物語るのが上手い。
あと、海草と郭公時計 T・F・ポイス(龍口直太郎)も印象に残った。
← 『 ちくま文学の森 4 おかしい話 』(とくま文庫 筑摩書房)
ちなみに、以前も書いたが、本書の内容は、というと:
おかし男の歌 長谷川四郎/太陽の中の女 ボンテンペルリ(岩崎純孝)/死んでいる時間 エーメ(江口清)/粉屋の話 チョー サー(西脇順三郎)/結婚申込み チェーホフ(米川正夫)/勉強記 坂口安吾/ニコ狆先生 織田作之助/いなか、の、じけん抄 夢野久作/あたま山 八代目林家正蔵演/大力物語 菊池寛/怪盗と名探偵抄カミ(吉村正一郎)/ゾッとしたくて旅に出た若者の話 グリム(池内紀)/運命 ヘルタイ(徳永康元)/海草と郭公時計 T・F・ポイス(龍口直太郎)/奇跡をおこせる男 H・G・ ウェルズ(阿部知二)/幸福の塩化物 ピチグリッリ(五十嵐仁)/美食倶楽部 谷崎潤一郎/ラガド大学参観記 牧野信一/本当の 話抄 ルキアノス(呉茂一)
もう、八月も下旬である。
月末も暇なようなら、残り百頁ほども一気に車中で読了しちゃうかもしれない。
忙しくて、本を手にする隙などなかった! という、嬉しい悲鳴をたまにはあげてみたいものだ。
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