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2012/07/06

ヒッグス粒子…宇宙論激変への序章

 4日、仕事で車を駆りながら、ずっとビッグニュースの発表を待っていた。
 そう、上野動物園のパンダ、待望の出産という朗報…じゃなくて(たまたま昨日は、仕事でファミリーパークへ行ってきたけれど)、ヒッグス粒子、発見というニュースである。

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← ATLAS検出器 (説明は、「 「ヒッグス粒子」観測を可能にした実験装置「LHC」:ギャラリー « WIRED.jp」にて。画像は、「 A disk for the ATLAS SCT endcap in its testbox at NIKHEF - CERN Document Server」より)


 一般向けのニュース報道によると、「 あらゆる物質に質量を与えたと 考えられる仮説上の素粒子「ヒッ グス粒子」を探しているジュネー ブの欧州合同原子核研究所(CE RN=セルン)は4日、大型粒子 加速器「LHC」による実験で、 ヒッグス粒子とみられる新たな素 粒子を見つけたと発表した。ヒッ グス粒子は、万物に含まれる素粒 子の基本理論として1960年代 に提唱された「標準理論」で存在 が予言された18種の素粒子のうち、唯一未発見だ」ったもの。

 小生は、この世紀の発見を前にして、少しでも研究者たちの気分を味わいたくて、過日、中元商品を買いに行った際、書店に立ち寄り、関連する本を、と言うことで、 大栗 博司著の『 重力とは何か―アインシュタインから超弦理論へ、宇 宙の謎に迫る』( 幻冬舎新書)を入手。

 面白いし、素人にも分かりやすく書かれていて(小生には、やや物足りなくもあったけど)、待機の時間に読み浸り、今日にも読み終えそう(実は、情けないほど、仕事が暇だった…涙)!

 本書は五月末に刊行されている。
 その本書の中で、「素粒子の質量の起源とされるヒッグス粒子(中略)は、素粒子の標準模型の中では唯一見つかっていない粒子ですが、LHCで発見されると期待されています」とある。
 そのヒッグス粒子と見られる素粒子が発見されたわけである。
 同時に標準理論も確認されたことになる。

 となると、不思議に、既存の理論では通用しない疑問が待ち受けている。

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← 大栗 博司【著】 『 重力とは何か―アインシュタインから超弦理論へ、宇 宙の謎に迫る』( 幻冬舎新書)

 さて、宇宙論や超弦理論に関心のある向きは、実はヒッグス粒子より以上の発見、あるいはそのヒントとなるデータの発見をこそ期待しているに違いない。
 宇宙の質量を構成する、圧倒的な割合を占める暗黒エネルギーや暗黒物質。
 その正体を調べるための、何らかの痕跡が LHCでの膨大なデータの中に見出されないかと、固唾をのんで待ち受けている。
 本ブログでも何度となく言及したように、暗黒エネルギー、暗黒物質の存在の確認以降、宇宙論は激変の真っ只中に突入している。


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コメント

なかなか、新聞にも大きくでてましたが、光速を超えるニュートリノが、出鱈目だったように、僕は今回の話にもどうかと思っています。
人間が神様の領域に入ることはまだまだ不遜だなと。
宇宙の仕組みを知ったつもりでも、目の前の大震災にあたふたしている。人間とはそんなものか。
さてiPad買いましたがまだ全然設定してません。

投稿: oki | 2012/07/09 02:15

okiさん

ヒッグス粒子と見られる粒子の発見は、一つの事実であり、大きなステップだと思います。
理論的予測が実験で観察されたわけですから。

但し、ブログでも何度となく書いているように、暗黒物質、暗黒エネルギーなど、宇宙を構成する質量の96%は、今のところ正体は謎のままです。
一つのことが確かめられると、その時点で既にその何十倍もの謎が現れ、人に謎解きを迫る…
今ふたたび、そのような事態にたち至っているわけです。

そうした謎の暗黒物質などを説明し、重力論と量子力学との統合を可能ならしめる唯一の理論の候補が超弦理論というわけです。
全くの数学的物理学的理論的構築物と見なされてきた超弦理論ですが、本稿でも紹介した 大栗 博司著の『 重力とは何か―アインシュタインから超弦理論へ、宇 宙の謎に迫る』によると、超弦理論は、その一端くらいは確証されているのだとか。

とにかく宇宙論は、今、大変貌の真っ只中にあります。
宇宙論の前途は遼遠のようです。

iPad、買ったとか。
これで場所を選ばず、ネットできますね。

投稿: やいっち | 2012/07/11 03:23

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