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2012/07/20

メルヴィル処女作『タイピー』へ

 昨日の日記にあるように、木曜日の未明、二冊の文庫本を読み終えた。
 探偵小説と、脳科学者のある意味でのドキュメント本、という毛色のまるで違った本。
 同じ木曜日の未明から、早速、次の本に触手を伸ばした。

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← ハーマン・メルヴィル:著『 タイピー 南海の愛すべき食人種たち』( 中山 善之:訳 柏艪舎)

 読み出したのは、 ハーマン・メルヴィル:著『 タイピー 南海の愛すべき食人種たち』( 中山 善之:訳 柏艪舎)である。
 初めて読む。

 副題の「南海の愛すべき食人種たち」もだが、「船乗りと食人族タイピーの出会いを描いたメルヴィルの処女作」も、メルヴィルファンの小生としては、かなり抵抗感を覚える紹介。処女作という謳い文句だけでそそられるのだが。

「マルケサス諸島で捕鯨船から脱出した船乗り二人は そして――。 食人族「タイピー」の村にたどりついた。 海と冒険とロマンを求めるあなたへ 待望の復刊!」なんて紹介されても、『白鯨』ほどじゃなかろうが、きっと見当違いの世界だと、戸惑うこと必至かも(断言しないのは、まだ読み始めたばかりだから。でも、「 海と冒険とロマンを求めるあなた」は、失望しそうな雰囲気が冒頭から漂っている。フランスを始め、太平洋の諸島を占有したヨーロッパやアメリカへの批判精神に満ちている )。


「「処女作には、その作家の総てが宿っている」とか言われているが、「タイピー」には青春の純真無垢な、 因習に囚われない眼差しを備えたハーマン・メルヴィルが 活き活きと息づいていて、巧まずして現代文明の 見事な批評になっている。 彼の原点がここに画然と記されている。 「訳者あとがき」より」くらいなら、さもあらんであり、『白鯨』の作家の原点への興味は涌くばかりなのである。

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← ハーマン・メルヴィルの『白鯨―モービィ・ディッ ク (上・下)』(千石 英世訳、講談社文芸文庫)

 6年前だったか、メルヴィルの『白鯨』を読んで(三十年ぶりの再読だった)の感激ぶりは、当時、本ブログ日記に書いた:
「白鯨」…酷薄なる自然、それとも人間という悲劇」などなど。

 この処女作にどんな感想を抱くのか、楽しみである。

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